この項目では、実在の動物について説明しています。その他の用法については「バク (曖昧さ回避)」をご覧ください。
バク科
アメリカバク Tapirus terrestris
保全状況評価[1]
ワシントン条約附属書I[注釈 1]
分類
バク(獏)は、奇蹄目に含まれるバク科(バクか、Tapiridae)の構成種の総称。現生種はすべてバク属(バクぞく、Tapirus)に分類される。 英名 tapir (テイパー。ただしタピーアのように発音する人もいる)。ほか原産地(中南米および東南アジア)を除く世界の多くの言語では「タピル」(tapir)に近い名で呼ばれ、これらは全てブラジル先住民の話すトゥピ語 tapi'ira に由来している。 例外は日本語および中国語・韓国語で、近代以降分類学的な文脈でこの動物が知られるようになった際に、伝説上の動物「獏」(貘)の名を中国古書より借用し、これが定着した。日本語に関していえばキリンなどに類似の経緯である。 なお、古書に見る「獏」が実際にマレーバクを意味したものであったかどうかについては諸説あるが、古書における記述は分類学も記録メディアも存在しない中で雑駁とした伝説や伝聞を書きとめたものに過ぎない。体色の類似からジャイアントパンダとの混同もあったという。獏も参照されたい。 北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、東南アジア[3] 最小種はTapirus kabomani[4]。成獣の体長は1.7-2m程度。体型は流線型で、薮の中を進むのに適している[3]。肩よりも腰の方が高い[3]。皮膚は分厚く、ヤマバクを除いて体毛は少ない[3]。ヤマバクは長い体毛で被われ、寒さから身を守るのに役立つと考えられている[3]。頸部に鬣状に体毛が伸長する種もいるが、これは捕食者から頸部を守る役割があると考えられている[3]。マレーバクは体色 吻端は鼻と上唇があわさり、その先端に鼻孔が開口する[3]。眼は小型で眼窩の奥の方にあり、薮の中で眼が傷つきにくくなっている[3]。四肢は短く頑丈[3]。前脚が後脚よりも長いという特異な骨格構造を持つ。これは主な生息域には薮が多く、背丈の長い草を掻き分けて走ることに適した形状であるとされる。前肢の指は4本、後肢の趾は3本[3]。前肢の4本目の指は小型で高い位置にあり、柔らかい地面を移動する時にのみ用いられる[3]。指趾は蹄状になっているが、接地面は球状[3]。奇蹄目はその名が示すとおり、通常奇数の指をもつが、バクの各脚の指の数は、前脚が4本、後脚が3本である。 幼獣の体色は赤褐色で、白い斑点や筋模様が入る[3]。この体色も薮の中では保護色になると考えられている[3]。 分子系統によると、奇蹄目の現生3科のうちバク科とサイ科が姉妹群で、ウマ科はやや離れている[5][6]。
名称
分布
形態
分類
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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