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「賭け」はこの項目へ転送されています。映画については「賭け (映画)」をご覧ください。

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カラバッジオ画『トランプ詐欺師パリの路上賭博ラスベガスのカジノでのルーレットラスベガス米国)。ポーカーのゲーム。競馬で金を賭ける人々(Harper's Weekly 1870年10月号掲載)

賭博(とばく、英: gambling、独: Glucksspiel、仏: jeu d'argent)とは、金銭や品物を賭けて勝負を争う遊戯である[1]

賭博は社会悪とされることが多く[2]宝くじ競馬などの合法的な賭博もある一方で、大多数の賭博は犯罪に当てはまる。

英語ではgamblingと呼ぶのが普通であるが、カタカナでは「ギャンブル」と表記されることが多い。gambleは娯楽としての賭博も含む広い考え方であり、危険性の高い冒険や意味のある危険、潜在性のある利益に手を付けること等という意味がある。
概説

賭博とは、金銭品物などを賭けて勝負を争う遊戯のことである[1]。金銭や品物などの財物を賭けて、(偶然性の要素が含まれる)勝負を行い、その勝負の結果によって、負けた方は賭けた財物を失い、勝った方は(なんらかの取り決めに基づいて)財物を得る、と言う仕組みの遊戯(ゲーム)の総称である。

日常的に賭博を行う者や、賭博を特に好む者は「賭博師」や「ギャンブラー」、「博打打ち」などと呼ばれている。賭け事の遊戯(ゲーム)を主催している者を胴元と言う。

賭博の大前提は、あらかじめ取り決め周知されている厳密なルールに従って勝負を行い、偶然もたらされた結果に従うことである[3]。胴元(主催者)側が、自分に有利になるように、様々な詐術を用いて表向きのゲームとは違うことが起きるように細工をして行う賭博を、いかさま賭博と言う。いかさま賭博は厳密には賭博ではなく詐欺に当たる[4]。よくある手法は、参加者に分からないようなかたちで、なんらかのトリック(技術や道具)を用い、相手を錯誤させ、表向きの確率期待値(見掛けの確率や期待値)とは違うように、実際の確率及び期待値を改竄して行うことである。いかさま賭博を行う者を「いかさま師」や「ゴト師」などと言う。

商業賭博の配当を決定する方式としては、あらかじめブックメーカーが倍率を決定しているブックメーカー方式や、興業主が全賭け金から一定割合を差し引き、残りの全額を勝ち投票券に分配するパリミュチュエル方式[5]ガラ馬券などに代表されるロッタリー方式などがある。日本の公営競技はパリミュチュエル方式を採用している。
賭博の定義

賭博は金品の授受を伴った勝負で、次の3つの条件を全て満たすものをいう[6]
参加料が有料(1円以上[7])。

勝敗の結果が偶然

勝敗の結果に応じて収益が変わる(勝つと得、負けると損)。

したがって、以下は賭博に当てはまる。

宝くじで、当たれば金銭と交換され、外れれば交換価値が無くなるとの定めたものを有料で販売すること。

競馬勝馬投票券で、当たれば金銭と交換され、外れれば交換価値が無くなるとの定めたものを有料で販売すること。

パチンコで、出玉の数量に応じて景品と交換すると定め、有料でプレーすること[8]

麻雀で、順位や点数に応じて金品と交換すると定め、参加料を支払ってプレーすること。

クレーンゲームで、販売価値のある商品を景品に定め、有料でプレーすること。

縁日に出店する射的で、販売価値のある商品を景品に定め、有料でプレーすること。

将棋で、勝敗や戦績に応じて金品を提供すると定め、参加料を支払って対局すること[9]

一方で、以下は賭博に当てはまらない。

興行的な職業上の(プロの)勝負。野球、サッカー、相撲、カーレース、将棋、囲碁、麻雀など。勝敗の結果が偶然で、戦績に応じて所得が変わるが、参加料を支払っていないため。

入学試験資格試験。受験料(参加料)を支払い、合否や成績の結果が偶然であるが、結果にかかわらず金品の受け取りが発生しないため。

宝くじで、絶対に当選しないよう主催者が関与し不正に細工等をおこなったもの(いわゆるイカサマ)。くじが有料で、当選の順位に応じて払い戻しの金額が変わるが、当選しないことが偶然でなく必然のため。ただし、詐欺に当てはまる可能性があり、これは賭博よりも重い罪になることが多い。

賭博の問題点マカオのカジノ・リスボアの夜景

賭博・ギャンブルは、人の射倖心をくすぐり、時に中毒的な依存状態を招き、破産や人格崩壊に至り、果てには自殺殺人に及ぶ場合もある。賭博の問題は人間の歴史が始まった頃から認識されており、「マハーバーラタ」や「千夜一夜物語」など古代の物語に、賭けに熱中するあまり、全財産を失ったりイカサマではめられるというトラブルも描かれている。

また、賭博はいくら多額の金が賭けられても、胴元と参加者、あるいは参加者同士の間でその金が行き来するに過ぎず、経済生産が生じないため、そのような非生産的な行為に人々のエネルギーが費やされてしまうと、生産的な行為を阻害する可能性があるとの主張も存在する。ただしこれに関しては、そもそも賭博はスキーテレビなどと同じく娯楽に属しており、これらと同様に様々な効用を生み出しているため非生産的な活動とは見なせないとの反論も存在する[10]

違法賭博が暴力団犯罪組織などの反社会的勢力の資金源になるなど、社会問題も多く内包する。ただしこれに関しては、当該賭博を合法化し法規制の下に置くことで金の流れを透明化し、反社会的集団との関係を断ち切ることが可能であり、これが賭博合法化の大義名分とされることも多い[11]

スポーツを賭博の対象とする場合、競技者を買収してわざと勝負に負けさせ、自らの賭けた方に勝利させる、いわゆる八百長が起きることがあり、全世界で重大な問題となっている[12]。八百長が起きるのはスポーツ賭博の合法非合法を問わないが、プロスポーツの前提である公正性を侵害する行為であるため、実行者は厳しく処罰されるのが通例である。またこの公正性への懸念が、既存のプロスポーツへのスポーツ賭博の導入に対する反対論の有力な根拠となっている[13][14]

32 か国を対象とした 2020 年の調査では、特定の国でのギャンブル活動の量が多いほど、その国の株式市場の価格がより変動しやすいことがわかった[15]
ギャンブル依存症詳細は「ギャンブル依存症」を参照

ギャンブルを行わないと日常生活に支障が出る人における依存症精神疾患)であり、世界保健機関(WHO)では「ギャンブル障害(ギャンブリング障害)[16]」「病的賭博[17]」と言う名称を使用している。この疾患にかかった人をギャンブル依存症者と呼ぶ。

自己の生活基盤・価値観、仕事や学業、家族や友人などの人間関係を犠牲にしてでもギャンブルを続けてしまう、と言う進行性を伴う。

この疾患を克服するためには、心理療法、適切な専門職の介入、自助グループへの参加などの方法がある。また当事者に対し、「一生ギャンブルに手を出さない」「新しい生き方を学ぶ必要がある」と言うことを認識させることが必要とされている。


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