バイブレータ_(性具)
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バイブレーターとは、振動などにより性的快楽を得る性具のこと。女性の(あるいは男性の肛門)に挿入出来るようになっており、女性器性感帯を振動や動きで刺激し性的快楽を得ることができる。主にディルド型とカプセル型に分かれる。なお振動の機構を備えていないものについては「張型」(ディルド)を参照。
概要 バイブレーターを女性器にあてがいオナニーをする女性

19世紀初頭まで、女性特有の子宮の鬱血が原因と当時考えられていた疾病症状・ヒステリー・倦怠感抑うつ症状等の治療目的によって、骨盤振動マッサージによる医療行為として器具を用いた治療を行なっていた。古くは施術者の手技によって女性器を刺激する治療を行っていたが重労働を伴い手首を痛める医者が少なくなかった。後、水流を女性器に直射する道具やゼンマイ駆動の振動器、蒸気駆動で下腹部を打突する診療台などが開発される。

1880年、イギリス人の医師ジョセフ・モーティマー・グランヴィルは医療用電動振動器「打診器(パーカッソー)」を発明、特許取得。

1902年、アメリカの家庭用電化製品製造販売会社「ハミルトン・ビーチ社」が民生用の手持ち式電動振動器を開発、販売。後、改良された多くの器具が市場に出回り、通販誌「シアーズ・リーボック・カタログ」、女性雑誌「ウィメンズ・ホーム・コンパニオン」などで広告掲載され販売される。

性遊戯などの行為に於いては羞恥心や倒錯感を煽る目的もあり、パートナーに使用する目的で男性が購入することが多いと考えられてきた。そのため、より倒錯したプレイに向くよう、陰茎を誇張したデザインや人や動物の顔を模しているものなど、ともすればグロテスクでハイパワー・高機能を謳い、色は濃いピンクや黒の製品が多かった。

しかし近年では、女性の購入者が増えてきたことやパートナー間でも利用されるとみられ、デザインや色がより落ち着いたものになるなど、卑猥さを強調しないものが増えてきている。また女性向けのアダルトグッズショップインターネット上の通販サイトが増えてきており、以前より幅広い年齢層に受け入れられている。さらに本来では膣に挿入することを想定していたものではあるが、肛門尿道にも挿入できる細身タイプのものも登場し、男性同士でも使用される。幅広いニーズに対応するため、初心者向けの小さくシンプルな物から熟練者向けの巨大で凹凸が激しく刺激が強い物まで、様々な製品が販売されている。

バイブレーターは俗に「電動こけし」と呼ばれるが、最初の製品は「ニューハニーペット」と言い、マッサージ器として昭和30年代半ばに発売されている。電動こけしの代名詞となったのは1972年(昭和47年)発売の「熊ん子」である。アイヌ民俗を彷彿とさせるこけし状の外観を持ったこの商品は、マイナーチェンジを重ねつつ、1990年の時点で100万本を売る大ヒット商品となった[1]。その後、様々なメーカーが類似品を発売し多くの商品が開発された。電動こけしは単にバイブレーターと呼ばれるようになり、平成に入ると複雑な動作をICで制御する商品も登場している[2]。過去には黒やピンク色でシンプルな製品が多かったが、現在は様々な色や、動き、振動、またその調節機能が付いた物など、多種多様のバイブレーターが製造されている。
流通

アダルトショップには多くは専門の問屋から卸されており、問屋の数としては1993年の時点で、日本全国で15 - 20社程度。顧客のほぼ全てが男性であり、この時期には実際に膣にバイブレーターを挿入した、挿入された女性の感想のフィードバックはあまり取り上げられることはなかった[3]

また、松沢呉一はその著書で、アダルトグッズの多くにおいて、日本においては特にメーカーが存在するわけではなく、商品開発は問屋が主導し、町工場が製造を行っているとの証言を紹介している[3]

通信販売の場合、表向きは肩こり対策用や目の周りの筋肉の電気マッサージ器などと称して売られている[4]場合があり、これらでは一般商品に混じってカタログ誌に掲載されている物も見られる。ただ注意書きとして不自然に「防水機能」を備えているといった記述や「直径」が書かれているので、事情通にはそれと判る。また、家族などに知られにくいよう、隠し場所としてぬいぐるみなどのケースが用いられることがある。
ディルド型 ディルド型バイブレータ ディルド型バイブレータ (肩こりなどを緩和する健康器具として販売されている)

勃起時の陰茎大の本体付け根に操作部があるタイプで、主に肛門に挿入するために使用する。肛門用のものは比較的細身で動きも緩やかであるとされる[5]薬事法の規制逃れのために顔を彫りこけしに似せたことから[6]過去には「電動こけし」と呼ばれた。

モーターと(またはカム)により震えるようにできており、中には全体が屈伸したり表面の凹凸が変化したりするなどの複雑な機構を備えた物もある。またそれら機能の配置や組み合わせを工夫したものや、膣に挿入しつつ同時に陰核あるいは肛門を刺激するための構造が一体的に取り付けられているもの[7]があるなど、より過激な興奮を得られるように改良が続けられている。このような製品を利用した場合、より強い刺激を求めて次第に太いものを求めるとする俗説やポルノのストーリーもあるが、特に医学的根拠がなく、実際には遥かに巨大な新生児を出産した経産婦でも、通常の性交で十分に性感が得られるのは周知のとおりである。

女性の膣の深さは、日本女性で平均14 - 15cmとされている。女性の性器は非処女であっても、大きなものの挿入に対して実質的な痛みや恐怖を伴うために、必ずしも大きなものを求める女性ばかりとは限らない[8]

むしろ陰茎より小さめのものを好む女性もいるという[9]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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