この項目では、日本のゲームシリーズについて説明しています。
本作を元にしたアメリカ・イギリスの映画シリーズについては「バイオハザード (映画シリーズ)」をご覧ください。
その他の名称については「バイオハザード (曖昧さ回避)」をご覧ください。
日本国外の名称であるレジデント・イービルについては「レジデント・イービル (曖昧さ回避)」をご覧ください。
バイオハザード シリーズ
BIOHAZARD series
RESIDENT EVIL series
ジャンルサバイバルホラー
開発元カプコン
発売元カプコン
主な製作者三上真司
小林裕幸
神谷英樹
中西晃史
稲船敬二
竹内潤
川田将央
『バイオハザード』(BIOHAZARD、英語圏の洋題: Resident Evil)シリーズは、カプコンによる日本のコンピュータゲームシリーズ。主なジャンルは「サバイバルホラー」で、派生作品によっては「サバイバルガンシューティング」、「サバイバルアクション」、「サバイバルシューター」などと銘打たれたものも含まれている。 バイオハザードシリーズのモデルとなった作品は黒沢清監督が制作、東宝が配給した日本映画の『スウィートホーム』をカプコンがゲーム化し、1989年12月に発売されたファミコン専用の『スウィートホーム』である[1]。洋館から脱出するというストーリー展開はこの作品から考え出された。バイオハザードを最初にプロデュースした三上真司。 1996年にPlayStationで発売された後にシリーズ化され、携帯アプリも含めて様々なハードで商品展開されている人気タイトル。移植作品を含めた2023年9月30日時点でのタイトル数は168作品にもおよび、全世界でシリーズ累計1億5,000万本以上を売り上げている[2][3]。この実績は同社の代表作である『ストリートファイター』シリーズ、『モンスターハンター』シリーズ、『ロックマン』シリーズ、『デビルメイクライ』シリーズをも上回る。 本作以前にも「ホラーゲーム」と呼ばれる作品は発売されていたが、本作のヒットにより一ジャンルとして確立されて広く一般へ浸透した。同社では本作のヒットをきっかけに基本システムを流用した他のシリーズ作品として『ディノクライシス』シリーズ、『鬼武者』シリーズ、『デビルメイクライ』シリーズなどの作品群も発売している。 数あるアクションゲームの中でも肉体損壊および流血描写の過激さや登場するモンスター達のグロテスクさは群を抜いており、ソフトのパッケージには「このゲームには暴力シーンやグロテスクな表現が含まれています。」といった主旨の注意書きが印字されている[注 1][注 2]。 商品展開としてドラマCD化・小説化・漫画化などが行なわれており、登場人物や世界観をゲームと同一としたフルCGアニメ映画も製作されている。また、ゲーム上の設定を一部取り入れた実写映画が公開されており、こちらもシリーズ化されている。 ジャンルとしては『1』から『0』までのシリーズは探索を重視したホラーであり、『4』[4]から『6』以降はホラーに加えてアクション要素が強くなっているが、『7』以降からはホラー要素を重点に置いている。 表記は基本的に大文字で『BIOHAZARD』(『2』-『3』、『5』-『ヴィレッジ』など)であるが、作品によっては『BIO HAZARD』(『1』)、『biohazard』(『0』、『4』など)、『Biohazard』(『アンブレラクロニクルズ』)などと表記が異なるものもある。 映画のワンシーンのような固定式カメラでの第三者視点からキャラクターを操作する、いわゆるラジコン操作であったため、初期はユーザーから戸惑いの声も多かったが、シリーズ作品や同システムの他作品の定着につれ、薄れていった。『1』-『3』、『CV』、『0』までは上記の操作方法に加え、ホラー要素とアドベンチャー要素が強かった。 しかし、フルモデルチェンジが敢行された『バイオハザード4』以降から、操作キャラクターを後方視点から追う、ビハインドカメラ方式と操作入力がエイミング操作のTPSシステムとなっている。ラジコン操作では方向転換の入力をしなければ前後にしか移動できなかったが、こちらの操作法では倒した方向に瞬時に移動できるようになり、さらに表示されたアクションボタンの操作により、置かれているオブジェクトの調査やアイテムの取得、扉などの開閉の動作が可能になったり、銃を構えた際にラジコン操作では、単純に敵に向けて銃撃するだけであったが、頭部や脚、弱点などより細かな部位に直接的に狙いを付けられるようになったり、体術が使えるようになったりするなど、アクション要素が強い様式に変わっており、こちらの方式はシリーズが進むにつれて新たなシステムやアクション、細やかな演出が取り入れられながら『6』『RV2』まで継承されている。 『7』、『ヴィレッジ』では一人称視点(FPS)でのカメラ方式となっている。なお、『2』のリメイクである『RE:2』と、『3』のリメイクにあたる『RE:3』では、再び『4』や『5』のようなTPS方式が取り入れられており、作品によっては操作方式が変更されることもある。また、フルモデルチェンジされる以前に発売されたPSPで『バイオハザード ポータブル(仮称)』が発売される予定であった[5]が打ち切りになった[注 3]。 日本国外における多くの国では『RESIDENT EVIL(レジデント イービル)』という意味のタイトルになっている。これはすでに、『BIOHAZARD』という名称が日本国外において商標登録されていた理由による。 中国語版では、香港と中国大陸の場合は『バイオハザード』を中訳した『生化危機』、台湾(中華民国)では『Resident Evil』を中訳した『悪霊古堡』となっている。 『7』のタイトルにおいて日本版では『バイオハザード7 レジデント イービル』であるが、海外版は『レジデント イービル7 バイオハザード』とメインタイトルとサブタイトルが反対になっている[12]。 『3』においては、サブタイトルが日本版においては『バイオハザード3 ラストエスケープ』であるが、海外版は『レジデント イービル3 ネメシス』と意味合いが異なっている。なお、リメイク版においてはサブタイトルが廃止された[13]。ネメシスとはゲーム内のボスである。 日本国外(特に北米)では難易度の高いゲームが好まれるため、内容面においては、下記のような変更が行われている。 その他、各海外版について。 ゲーム版の発売日(太字が本編)1996バイオハザード
概要
ゲームシステム
制作の経緯
新人ばかりのチーム
開発当初は三上真司1人でスタートした。三上による新人教育も兼ねており、集められたスタッフはほぼ新人ばかりであった。入社4年目で、会社の主力であるストリートファイターの開発チームから移った竹内潤は「メインストリームから外れたな」と思ったという[6]。「サバイバルホラー」というホラーゲームのジャンルがまだゲーム業界でもあまり定着していない状況での開発であったため、完成するゲームのテーマやイメージが三上氏のみ分かっているという状況でプロジェクトが進行することになる。
刀から銃へと変更
当初は刀を持った主人公が街を歩くゲームとして制作されており、背景もキャラクターもフルポリゴンにする予定であったが、スペック的に不可能であったため、数度仕様を変更。最終的には、背景は静止画のレンダリングCG、キャラクターはポリゴンという組み合わせになる。しかし、刀を持った主人公というゲーム性については、様々な試行錯誤を繰り返す中で、徐々にプロジェクトチームのモチベーションが低下していくことになる。この時、三上から「チームのモチベーションを上げてくれ」という依頼を受けて新たにチームに参加した竹内が、プログラマに依頼して「銃を持った主人公がゾンビを撃つ場面」を制作。結果、チームのモチベーションが上がるどころか、ゲームの方向性が剣劇からガンアクションへと180度転換することになった。なお、竹内によると三上は早い段階から映画的表現を追求しており、ポリゴンでは映画的な表現が難しいと悩んでいたという。開発過程においてはデザイナーの集団脱走など紆余曲折があったが、1996年3月にPlayStationで発売。ミリオンセールスを記録し、一躍社会現象となった。
アローン・イン・ザ・ダーク
メーカーが「サバイバルホラー」というゲームジャンル名を初めて使用したのは『バイオハザード』であるが、これによって定義された形式のゲームの始祖は、フランスのインフォグラムの『アローン・イン・ザ・ダーク』シリーズとされている[7][8]。同作は『バイオハザード』に大きな影響を与えたと言われており[9][10]、『バイオハザード』のゼネラルプロデューサーを務めた藤原得郎は雑誌インタビューの中で、『アローン・イン・ザ・ダーク』について「結果として参考にはしました。表現方法のひとつ、という形ですね」と影響を認めている[11]。『バイオハザード』の特徴として挙げられることの多い「視点固定式のポリゴン描写システム」や「キャラクターのラジコン式操作方法」、「アイテムをパズル的に組み合わせてゲームを進行」などといったゲームシステムや映画的演出は、『アローン・イン・ザ・ダーク』で既に使われていた。同ジャンルの歴史については「サバイバルホラー#歴史」も参照のこと。
日本国外大文字のタイトルロゴ小文字のタイトルロゴ
『4』より前の作品は、自動照準(銃を構えると自動的に敵の方を向く)機能がない。例外として、豪州版には、国内版同様に実装されている。この自動照準機能は生きている敵にしか反応しないので、倒したかどうかを確認できないことや索敵機能として使えないことにより難易度が上がる。
敵の体力が高くなっている。
敵の攻撃力が一部高くなっている。
味方・敵共に、キャラクター死亡時の残酷表現が日本版より激しい。
セーブ用アイテムであるインクリボンが登場する作品は、その数が減っている。
北米では、ゲームボーイカラー版『RESIDENT EVIL』が開発されていたが、中止となった。
北米のみ、携帯ゲーム機game.comで『RESIDENT EVIL 2』が発売されている。
豪州版の初期設定では、主人公やその他のキャラクター、ゾンビなどの血の色が緑となっている。
ドイツ版では、主人公・敵ともに一切出血や欠損描写がなく、残虐効果が極力抑えられている(一部作品を除く)。
全作品リスト詳細は「バイオハザードシリーズの年表」を参照
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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