「ハーフネルソン」はこの項目へ転送されています。2006年のアメリカ映画については「ハーフネルソン (映画)」をご覧ください。
対戦相手を羽交い絞めにしているプロレスラーのクリス・マスターズ
羽交い締め(はがいじめ)[1] は、拘束術、逮捕術の一種である。レスリングなどの格闘技の技術、関節技としても応用されており、その場合はネルソン・ホールド(Nelson Hold)、双羽固め(ふたはがため)とも呼ばれる。 相手の背後より、相手の両腋の下から自らの両腕を通して、相手の後頭部あたりでその両手を組んで固める。その状態で両腕で強く締め付けることにより、相手に身動きが取れないようにする。「羽交い」とは、鳥類の左右の翼が交わる部分、もしくは羽根自体のことで、羽交い締めの名称はそれに由来する[2]。また、羽交い締めを仕掛ける行為自体が「羽交い締めにする」という動詞となっている[3]。 主に暴れている人間を制止するために使用されて代表的な使用例としては、凶悪犯の逮捕や喧嘩の仲裁などである。その他に強姦や暴行を目的とする犯罪者が、対象とする相手の動きを封じるために使用される事もある。レスリングをはじめとする格闘技では、羽交い締めの状態から相手の頭部を圧迫する応用技がある(後述)。柔道に羽交絞(はがいじめ)という絞技があるがそれとは異なる技である。 ネルソン・ホールド(Nelson Hold)は、格闘技における技術の一つあるいは、その派生を含む総称である。双羽固め(ふたはがため)とも呼ばれる[4]。レスリング、プロレス、総合格闘技において使用される[5]。 羽交い締めをレスリングに応用した技で、急所を狙う首攻めの一種である。分類上、関節技、締め技の範疇となる。拘束術としての羽交い締めは、相手を動けなくすること、取り押さえることが目的であるのに対し、ネルソン・ホールドは相手を攻撃する、ダメージを与えるのが主目的である(プロレスなどでは拘束を目的とする場合もある)点が異なる。 なお、ネルソン・ホールドのことを「羽交い締め」とも呼ぶ事も多いが、本来は異なる。技の名称はイギリス海軍提督のホレーショ・ネルソンにあやかって名付けられたとされている。 掛け方により様々な種類が存在している。以下、種類ごとに記述する。 羽交い締めを首攻めとしてレスリングに応用した技。相手の後方から相手の両腋の下から自分の両腕を差し入れて、相手の後頭部あたりで自分の両手を組み合わせて羽交い締めの状態として、そこから首の後ろで組んだ両手で相手の頭部を押し曲げて圧迫して攻撃する。レスリングでは、真後ろから攻めると反則となる[4]。 プロレスにおいては、主にウエイトリフティングやボディビルディング出身の選手がパワーをアピールするために使う。戦前からフィニッシュ・ホールドとして使われており、近年ではクリス・マスターズがマスターロックの名称で使用。他にはジャイアント馬場が前座時代に得意技としていた。 なお、首関節技なので危険なため、アマチュア格闘技では禁止されることがある。 元来は、この技をネルソン・ホールドあるいは双羽固めと呼んでいた。後にフルネルソンの変型技が数種(後述)生まれて混同を避けるためネルソン・ホールドはフルネルソンと、その派生を含む総称として使用されることが多くなった[4][7]。
概要
ネルソン・ホールド
概要
種類
フルネルソンマーティン・バーンズによるフルネルソン。クリス・マスターズによるマスターロック(フルネルソン)。
掛け方
派生技
フルネルソン・スープレックス(ドラゴン・スープレックス)
スタンド状態からフルネルソンの体勢に相手を捕らえて、そのまま後方にブリッジし反り投げる。主な使用者は藤波辰爾、棚橋弘至。
スイング・フルネルソン(スピニング・フルネルソン)
フルネルソンからジャイアントスイングの要領で振り回す。主な使用者はケン・パテラ、ボブ・アームストロング、宮本和志[6]。
フルネルソン・バスター(フルネルソン・スラム)
フルネルソンを決めたまま相手の体をほぼキャンバスと水平状態に振り上げて叩きつける。主な使用者はローラン・ボック、パトリオット、ボビー・ダンカン・ジュニア、荒井優希。
胴締めフルネルソン
フルネルソンからグラウンドに移行して脚で相手の胴も締め上げる。
フルネルソン・ボム
フルネルソンの体勢から開脚して相手をパワーボムの要領でマットへ叩きつける。主な使用者は大森隆男、ババ・レイ・ダッドリー。
名称
Size:30 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef