ハードル_真実と勇気の間で
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『ハードル 真実と勇気の間で』(ハードル しんじつとゆうきのはざまで)は、青木和雄、吉冨多美による児童書。1999年12月金の星社から刊行。以降、アニメ映画化(2004年公開)もされている。なお、本稿では続編の『ハードル2』、『ハードル3』についても記述する。
書籍情報
児童書版

『ハードル 真実と勇気の間で』(
1999年12月ISBN 4-323-02530-0
青木和雄の手による『心の処方箋シリーズ』の第3作として、また金の星社の『ときめき文学館』シリーズの第9巻として刊行。定価は1300円。帯に書かれたキャッチコピーは「ココロ 殺さないで。」。挿絵は木村直代が担当。全3章から成っており、順に主人公麗音の小学6年生時、中学2年生の夏、転校先での出来事を描いている。

『ハードル2』(2004年12月発売、ISBN 4-323-06321-0
前作の読者から「レオはあの後どうなったのか」という声が殺到したため、それに答える形で映画公開後に刊行された続編。キャッチフレーズは「It passes along the gate to hope」。出版社は同じだが、『ときめき文学館』シリーズではない。定価は前作同様1300円。青木和雄と吉冨多美の共著になっており、挿絵はアニメにも関わった四分一節子に代わっている。前作同様3章立て。

『ハードル3』(2009年9月発売、ISBN 978-4-323-06328-7
前作の直後、中学3年生になった麗音達を描く。キャッチフレーズは前作同様「It passes along the gate to hope」。今作では良平や光といった横浜の面々は殆ど登場せず、代わりに2であまり出番がなかった青空中の人々をはじめ、崇仁やユカリといった個性的な登場人物が登場し、新たな展開を見せている。原作者の青木和雄は制作に参加せず吉冨多美の単独作品になっており、挿絵は2に引き続き四分一節子が担当。定価は1400円。
コミック版

2008年9月にコミカライズされた。原作は青木・吉富の連名で、作画は湖東美朋が担当。原作をほぼ忠実に描いているが、麗音と光のキスシーンなど随所にオリジナル描写も存在する。既刊4巻。

『ハードル 1』(2008年9月発売、ISBN 978-4-323-07126-8

『ハードル 2』(2009年2月発売、ISBN 978-4-323-07127-5

『ハードル 3』(2009年9月発売、ISBN 978-4-323-07128-2

『ハードル 4』(2009年9月発売、ISBN 978-4-323-07129-9

登場人物
主人公とその家族
有沢 麗音(ありさわ れおん)
声 -
岸尾大輔主人公。愛称は「レオ」。作中の学歴は森の木小学校6年1組→公立中学校2年生→青空中学校2年B組→同校3年D組。ウェーブのかかった栗毛の持ち主で、身長も高い。小学生時はクラスの人気者で、6年生時は学級委員も務めた。勉強も運動も得意で、特にバスケットボールは中学生時にチームを新人戦優勝に導いている。正義感が強く不正は絶対に許さないが、自分の身に起きたことは1人で抱え込む傾向がある。元々は横浜市に住んでいたが、父の失業によって母・弟と共に母の実家に引っ越す。しかし転校先の青空中で家庭の事情を理由にバスケ部入部を断った結果、上級生達に目を付けられてリンチされ、階段から突き落とされて意識不明となる。後に目は覚ますが、ショックによりPTSDに陥っていた。曾祖母の遺言や家族・仲間たちとの触れ合いによって、次第に立ち直っていく。
有沢 佑樹(ありさわ ゆうき)
声 - 皆川純子レオの弟で、愛称は「ありちゃん」。作中の学歴は森の木小学校4年→6年→城内小学校6年→青空中学1年。兄と違って成績は優秀というわけではなく、バスケも苦手であったが、兄のコーチによって城内小バスケ部のレギュラーとなる。兄とは強い信頼の絆で結ばれている。すぐに体を丸める詩音を「だんご虫」と呼んでいたが、次第に彼女の笑顔を見たいと考えるようになる。自分の服装に強い拘りを持つ。
有沢 美音(ありさわ みお)
声 - 土井美加レオと佑樹の母。初登場時41歳、主婦。旧姓は水上。自己中心的な性格で、家族たちの気持ちを無視し、家庭を支配していた。レオが意識不明に陥った際に自分の振る舞いを反省したり、詩音の体の傷を見て同情したりはするものの、相手の気持ちを考慮せず自分のその時点での感情を押し付ける性格は変わっていない。夫の正樹曰く「臆病で、自分の心の殻を破るのが苦手」とのこと。高校1年生の時、同級生を自殺に追いやった犯人扱いをされ、それ以来故郷を嫌っていた。
有沢 正樹(ありさわ まさき)
声 - 千葉一伸レオと佑樹の父。初登場時38歳。眼鏡をかけている。自分の父と兄が経営する「有沢建設」という会社に勤める設計技師であったが、倒産によって失業、1人別居して地域作業所に再就職した。家庭に波風を立てないために妻の言いなりになっていたが、失業の際に遂に妻に腹を立て、息子たちの味方となる。
水上 綾子(みずかみ あやこ)
レオの母方の曾祖母。80歳。1では「ひいおばあちゃん」とだけ呼ばれており、2で本名が明かされた。長い間病気で、寝たきりの生活を送っていた。1人で問題を抱え込みたがるレオに、心に「風の通り道」を作るようにと説く。戦時中に横浜の小学校で音楽教師をしていたが、子供たちに敵国を憎むように教えたこと、戦争を止めようとしなかったことを理由に自分を責め続けていた。2の第2章で2人の孫にそのことを打ち明け、満足したように息を引き取った。一生に一度の恋の相手を戦争で失っているが、それは夫(既に故人)とは別人。
レオの祖母
レオの母方の祖母で、綾子と2人で暮らしていた。本名は不明で「おばあちゃん」とだけ呼ばれている。お嬢様がそのまま大人になったような性格であり、娘の美音とは毎日のように電話で話していた。我侭かつマイペースで面倒ごとは全て他人に押し付け、話もすぐ脱線するという問題の多い人物だったが、レオが意識不明に陥った際に「孫が助かったら自分は人助けをする」と願をかけ、その結果知り合いの孫である詩音を引き取った。それを期に保護司というものに興味を持ち、次第に性格が変わり始める。
小原 詩音(おばら しおん)
レオの祖母の知人の孫。初登場時小学4年生。幼い頃に父を失い、母とその同棲相手に虐待された挙句捨てられ、兄弟とも離れ離れにされたことで感情を表現できなくなっていた少女。レオの祖母に引き取られるが、自分だけ幸せになってよいものかと兄弟に引け目を感じていた。家族は他に祖父・良三、父違いの兄・北川厚次(きたがわ こうじ)がいる。有沢一家との触れあいで、次第に笑顔を取り戻していく。佑樹から「しいちゃん」という愛称を与えられる。
横浜市の人々
仁科 光(にしな ひかる)
声 -
高森奈緒ヒロイン。愛称は「ひーちゃん」。初登場時は6年3組に所属。中学については不明。母は障害者の働く作業所を運営している。まっすぐな性格で誰にでも優しく、男子からの人気は高い。個性的な顔立ちをしているらしい。幼稚園時からレオに憧れており、良平に焚き付けられる形で中学1年(漫画では小学6年)の冬に告白、その彼女となり、キスをする関係まで発展する。なぜかキスを「キッス」と言いたがる。アニメではレオが引っ越す際にペンダントを手渡している。3では「レオと付き合っている子」として賢之助の台詞にのみ登場。
仁科 草太(にしな そうた)
光の弟で、初登場時は小学1年生。2では3年生になっている。愛称は「草ちゃん」。


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