この項目では、物理定数について説明しています。その他の用法については「ハートレー」をご覧ください。
ハートリーエネルギー
Hartree energy
記号Eh
値4.3597447222060(48)×10?18 J [1]
相対標準不確かさ1.1×10?12
語源ダグラス・ハートリー
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ハートリーエネルギー(英語: Hartree energy)は、原子や電子のスケールを扱う分野(量子論、原子物理学、量子化学など)で用いられる原子単位系において、エネルギーの単位となる物理定数である[2]。名称は英国の数理物理学者ダグラス・ハートリーに由来する。記号は一般に Eh で表される。
E h = 4.359 744 722 2060 ( 85 ) × 10 − 18 J {\displaystyle E_{\text{h}}=4.359~744~722~2060(85)\times 10^{-18}~{\text{J}}}
である(2022 CODATA推奨値[1])。また、電子ボルトによる値は
E h = 27.211 386 245 981 ( 30 ) eV {\displaystyle E_{\text{h}}=27.211~386~245~981(30)~{\text{eV}}}
である(2022 CODATA推奨値[3])。
ハートリーエネルギーは、ボーア半径 a0 に等しい距離にある、電気素量 e に等しい電気量をもつ2つの粒子の静電エネルギーで定義され
E h = Z 0 c 4 π e 2 a 0 = ℏ c α a 0 {\displaystyle E_{\text{h}}={\frac {Z_{0}c}{4\pi }}{\frac {e^{2}}{a_{0}}}={\frac {\hbar c\alpha }{a_{0}}}}
で表される。ここで、ħ はプランク定数(ディラック定数)、c は真空中の光速度、Z0 は真空における特性インピーダンス、α は微細構造定数である。
国際量体系(ISQ)においては、電気定数 ε0 により Z0 = 1/ε0c で表されるので
E h = e 2 4 π ϵ 0 a 0 {\displaystyle E_{\text{h}}={\frac {e^{2}}{4\pi \epsilon _{0}a_{0}}}}
となり、ガウス単位系は Z0 = 4π/c とする量体系に基づいているので
E h = e 2 a 0 {\displaystyle E_{\text{h}}={\frac {e^{2}}{a_{0}}}}
となる。
ハートリーはハートリー原子単位系におけるエネルギーの単位である。 E h = 1 hartree = 1 a.u. {\displaystyle E_{\text{h}}=1~{\text{hartree}}=1~{\text{a.u.}}}
物質量あたりでは 1 hartree = 2625.500 k J m o l − 1 = 627.509 k c a l m o l − 1 {\displaystyle {\begin{aligned}1~{\text{hartree}}&=2625.500~\mathrm {kJ~mol^{-1}} \\&=627.509~\mathrm {kcal~mol^{-1}} \end{aligned}}}
脚注[脚注の使い方]^ a b 2022 CODATA recommended value
^ IUPAC Gold Book
^ 2022 CODATA recommended value