『ハヴァマール』[1](Havamal、ハーヴァマール[2])とは、『古エッダ』に収録された歌謡集である。邦題としてはオーディンの箴言[3]、オーディンの訓言[4]、高き者の言葉[5][6]、高き者の歌などがある。
10世紀頃に北欧の古詩を集めて作られた作品であり、内容は処世術など現実的で実用的なものが主である。 成立した時期、作者は諸説がありはっきりとは分かっていない。「高き者の歌」の高き者とはオーディンであることから、この詩集はオーディンに関連した詩を集めたものであるという説や、中世になってから編集されたものである、とする説など様々な説が存在する。 ただし舞台としては北欧のヴァイキング時代のものであるということは間違いない。 友情に伴う義務と権利、冷静に物事を考えること、もてなす精神、信頼できる者できない者、他人に好かれる必要性、多数の敵にも悠然と立ち向かう精神、など現実的な処世術が主な内容ではあるものの呪詩、魔術に関する詩、解読が難しい謎めいた詩、などオカルト的な内容の詩も存在する。 また物語風のスタンザ(連)なども存在する。 大きく以下の5つの部分に分けられる[5]。 [ヘルプ] ウィキソースにハヴァマール
目次
1 成立時期、作者、背景
2 内容
3 構成
4 脚注
5 関連項目
成立時期、作者、背景
内容
構成
客人の部(第1-77スタンザ)- 人の家を訪ねる者や訪ねられた者たちに対する訓話。
オージンの訓話(第78-110スタンザ)- その他の訓話。オーディンの女性遍歴も語られる。
ロッドファーヴニルの言葉(第111-137スタンザ)- ロッドファーヴニルに対する語りかけという形で語られる訓話。
ルーンの話(第138-145スタンザ)- ルーン文字にまつわる話。
歌謡の話(第146-164スタンザ)- 18種の呪術の紹介。
脚注
^ K.C.ホランド『北欧神話物語』山室静・米原まり子訳、青土社、1992年11月16日、新版第3刷、279頁。
^ 『エッダ/グレティルのサガ』松谷健二訳、筑摩書房〈中世文学集III〉、1986年12月1日、初版、370頁。
^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』V. G. ネッケル他、谷口幸男訳、新潮社、1973年。ISBN 4-10-313701-0。
^ 『エッダ/グレティルのサガ』p.55.
^ a b テリー・グンネル(伊藤盡訳)「エッダ詩」『ユリイカ』第39巻第12号、2007年10月、 121-137頁。
^ 『北欧神話物語』p. 279, 321.
関連項目
古エッダ - 王の写本
ハーコンの言葉
歴
古エッダ
神話詩巫女の予言 - 高き者の言葉
ヘルギフンディングル殺しのヘルギの歌 その一 - ヒョルヴァルズルの息子ヘルギの歌 - フンディングル殺しのヘルギの歌 その二
ニヴルングシンフョトリの死について - グリーピルの予言 - レギンの言葉 - ファーヴニルの言葉 - シグルドリーヴァの言葉 - シグルズルの歌断片 - グズルーンの歌 その一 - シグルズルの短詩 - ブリュンヒルドルの冥界騎行 - ニヴルング族の殺戮 - グズルーンの歌 その二 - グズルーンの歌 その三 - オッドルーンの嘆き - アトリの歌 - アトリの言葉
ヨルムンレクグズルーンの煽動 - ハムジルの言葉
小エッダ
一般的バルドルの夢 - リーグルの詩 - ヒュンドラの唄(短い巫女の予言)- グロッティの歌 - スヴィプダグルの言葉(グローアの呪文歌 - フョルスヴィーズルの言葉)- フロズルの歌 - ヒルディブランドルの挽歌
非一般的オージンのワタリガラスの呪文歌 - 太陽の歌 - 槍の歌 - 大鴉の言葉 - エイリークルの言葉 - ハーコンの言葉
写本王の写本 - ハウクスボーク - AM 748 I 4to - ヴォルム写本 - フラート島本 - AM 738 4to
関連項目スノッリのエッダ - スカルド詩 - 古ノルド語詩 - 古アイスランド語 - 古ノルド語 - 北欧神話
男神
ウル
オーズ
オーディン
クヴァシル
テュール
デリング
トール
ニョルズ
ヴァーリ
バルドル
ヴィーザル
ヴィリとヴェー
フォルセティ
ブラギ
フレイ(イングナ・フレイ|ユングヴィ)
ヘイムダル
ヘズ
ヘーニル
ヘルモーズ
マグニとモージ
ミーミル
ロキ
ローズル
女神
イズン
エイル
グナー