ハングル正書法
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この項目では、大韓民国における現行の正書法について説明しています。朝鮮民主主義人民共和国における現行の正書法については「朝鮮語規範集」をご覧ください。
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ハングル正書法(ハングルせいしょほう、?? ???)は、大韓民国における現行の朝鮮語の正書法である。この正書法は1933年に朝鮮語学会によって作られた朝鮮語綴字法統一案(?? ??? ???)を改訂したものである。1988年1月19日制定、文教部告示第88-1号。

『ハングル正書法統一案』と『ハングル正書法』は、広く社会的に受け入れられ、辞書や教科書にも取り入れられた。標準語査定の必要性が長らく指摘されており、1979年には文教部が「標準語再査定試案」、「ハングル正書法改正試案」、「外来語表記法改正試案」などを準備した。1981年にはこれらの作業が学術院に移管され、その後1985年には国語研究所が発足した。文教部国語審議会の審議を経て、1988年1月19日に『標準語規定』とともに新しい『ハングル正書法』が文教部告示第88-1号として官報第10837号に告示された。この新しい正書法は1989年3月1日から施行された。全体的な正書法の性格は『ハングル正書法統一案』と基本的に同じで、不要になった条項の削除、不備点の補完、現実に合わない部分の修正が行われた[1]
構成

ハングル正書法は6章57項から成る本編と、付録である文章符号の2つの部分で構成されている。章の構成は以下の通りである。

第1章  総則

第2章  字母

第3章  音に関すること

第1節  濃音

第2節  口蓋音化

第3節  「?」音の終声

第4節  母音

第5節  頭音法則

第6節  反復音


第4章  形態に関すること

第1節  体言と助詞

第2節  語幹と語尾

第3節  接尾辞が付いた語

第4節  接尾辞および接頭辞が付く語

第5節  縮約形


第5章  分かち書き

第1節  助詞

第2節  依存名詞、単位を表す名詞および列挙する語など

第3節  補助用言

第4節  固有名詞および専門用語


第6章  その他のこと

〔付録〕  文章符号

表記法

第1章・総則の第1項に「ハングル正書法は標準語を音の通りにつづるが、語法に合うようにするのを原則とする。」とある。「音の通りにつづる」というのは、現代朝鮮語の音韻体系に則して表記することを意味する。例えば、1930年代以前には現代朝鮮語にすでに存在しない古い時代の母音を表す字母「?」が慣習的になおも用いられていたが、そのように現代朝鮮語の音韻体系を反映しない表記法を取らないということである。「語法に合う」というのは、形態主義に則して表記することを意味する。例えば「山が」を意味する朝鮮語 /sani/ は発音通りにつづれば「??」となるが、この語は名詞 san に主格助詞 -i が付いた形であるので、それぞれの形態を別個に表記し「?? san-i」とつづることを原則としている。

以下に表記法の要点をまとめる。
語幹と語尾・接尾辞の分離表記
1. 体言語幹と語尾(助詞)

体言語幹と体言語尾(助詞)はそれぞれ区別してつづる(第14項)。これにより、体言の語幹は常に一定の形で表示される。

?(餅)― ??(餅が)― ??(餅を)

?(値段)― ??(値段が)― ??(値段を)

2. 用言語幹と語尾

用言語幹と語尾はそれぞれ区別してつづる(第15項)。これにより、用言の語幹は常に一定の形で表示される。

??(食べる)― ??(食べ)― ???(食べるので)

??(座る)― ??(座り)― ???(座るので)

ただし、語幹の形が非自動的に交替する変則用言の場合は、交替した形を表示する。従って、この場合には語幹は一定の形では表示されない。

??(遊ぶ)― ???(遊びます)― ??(遊ぶので)

??(辛い)― ??(辛く)― ???(辛いので)

3. 語幹と接尾辞

語幹と接尾辞はそれぞれ区別してつづる(第6項,第19項?第26項)。

-?:??(長さ)< ??(長い),??(多く)< ??(多い)

-?:??(氷)< ??(凍る),??(作ること)< ???(作る)

-?:??(明るく)< ??(明るい),??(急いで)< ???(急いでいる)

-?-,-?-,-??-など:???(移す)< ??(移る),???(通る)< ??(通す),?????(ぶつける)< ???(ぶつかる)

その他:??(釣り)< ??(釣る),??(覆い)< ??(覆う),????(びっくりする)< ??(びっくり)

ただし、以下のようなものについては語根を明示しない。

本義から離れたもの:??(ばくち)< ??(遊ぶ),???(象)< ?(鼻)+ ??(長いこと)

現代語として体系的に抽出できない接尾辞:????(端っこ)< ?(終わり)+ ???,????(わら)< ?(わら)+ ???

本来は語幹末に二重子音があるが、接尾辞が付くことによって二重子音として現れえないもの:????(さっぱりしている)< ??(清い),????(広々している)< ??(広い)

語尾化あるいは助詞化したもの:??(…ながら)< ??(残る),??(…から)< ??(付く)

しかしながら、細部においてはかなり細かい規定があり、語根を明示する場合とそうでない場合の判別は必ずしも容易ではない。例えば、-?が付いて副詞となるもののうち、-??が付きうるものは語根を明示するが(???‘きれいに’― ????‘きれいだ’)、-??が付きえないものは語根を明示しない(???‘急に’)。
合成語における各形態素の分離表記

合成語はそれぞれの語根を区別してつづる(第27項)。

??(花びら)< ?(花)+ ?(葉)

???(作り笑い)< ?(偽りの)+ ??(笑い)

ただし、音の脱落や音変化を起こすものについては、脱落後・変化後の形でつづる(第28項・第29項)。また、?(歯・しらみ)の合成語は?とつづることになっているが、これはおそらく誤読を避けるためと思われる。

??(牛馬)< ?(馬)+ ?(牛)

???(翌日)< ??(二日)+ ?(日)

??(前歯)< ?(前)+ ?(歯)

いわゆる「????」(間の「?」(??))は固有語どうしあるいは固有語と漢字語の合成語にのみ用い、純粋な漢字語には原則的には用いない(第30項)。

????(木の枝)< ??(木)+ ??(枝)

??(耳の病)< ?(耳)+ ?(病気)

ただし、2音節からなる漢字語の場合には????の使用を認めている。

??(数字),??(回数)

歴史的な要因で音挿入や音変化が見られるものは、その音を発音通りに表記することになっている(第31項)。例えば、??(種もみ)という語は?(稲)と?(種)の合成語であるが、?が挿入されているのは,?が中期朝鮮語で??という音であった名残で、それが化石化して現代朝鮮語に残っているものである。また、??(内外)は?(内)と?(外)の合成語であるが、?と激音になっているのは,?が中期朝鮮語で?という音であった名残で、その結果激音化したものが化石化して残っているものである。


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