ハレー彗星
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ハレー彗星
1P/Halley

1986年3月8日に撮影されたハレー彗星
分類周期彗星
発見
発見日紀元前240年6月(古代)
1758年12月25日 (265年前) (1758-12-25)(同定後初)
発見者不明
(同定・軌道計算はエドモンド・ハレー
軌道要素と性質
元期:1994年2月17日
軌道長半径 (a)17.83414429 au[1]
近日点距離 (q)0.58597811 au[1]
遠日点距離 (Q)35.08231047 au[1]
離心率 (e)0.96714291[1]
公転周期 (P)75.3年[1]
軌道傾斜角 (i)162.26269 °[1]
近日点引数 (ω)111.33249 °[1]
昇交点黄経 (Ω)58.42008 °[1]
平均近点角 (M)38.38426 °[1]
前回近日点通過1986年2月9日 (38年前) (1986-02-09)[2]
次回近日点通過2061年7月29日[2]
MOID(地球)0.637815 au
物理的性質
三軸径15.3km×7.22km×7.22km[3]
質量2.2×1014 kg[4]
平均密度0.6g/cm3[5]
アルベド(反射能)0.04 ± 0.01[3]
他のカタログでの名称
1 = 1P/-239 K1 -239 = 1P/-163 U1 = -163 = 1P/-86 Q1 = -86 = 1P/-11 Q1 = -11 = 1P/66 B1 = 66 = 1P/141 F1 = 141 = 1P/218 H1 = 218 = 1P/295 J1 = 295 = 1P/374 E1 = 374 = 1P/451 L1 = 451 =1P/530 Q1 = 530 = 1P/607 H1 = 607 = 1P/684 R1 = 684 = 1P/760 K1 = 760 = 1P/837 F1 = 837 = 1P/912 J1 = 912 = 1P/989 N1 = 989 = 1P/1066 G1 = 1066 = 1P/1145 G1 = 1145 = 1P/1222 R1 = 1222 = 1P/1301 R1 = 1301 = 1P/1378 S1 = 1378 = 1P/1456 K1 = 1456 = 1P/1531 P1 = 1531 = 1P/1607 S1 = 1P/1682 Q1 = 1682 = 1P/1758 Y1 = 1759 I = 1P/1835 P1 = 1835 III = 1P/1909 R1 = 1910 II = 1909c = 1P/1982 U1 = 1986 III = 1982i[1]
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ハレー彗星(ハレーすいせい、英語: 1P/Halley, 英語での発音/?hali/)は、75.32年周期[1]地球に接近する短周期彗星である[6]。地球から肉眼で簡単に観測可能な周期彗星である。人によっては生涯で2度見ることも可能な彗星である[7]。多くの周期彗星の中で最初に知られた彗星であり、古来多くの文献に記録されているため、人類に最も馴染み深い彗星と言える。前回は1986年2月に回帰し、次回は2061年7月に出現すると計算されている。ハリー彗星とも呼ばれる[8][9]
組成

ジオットベガによる探査によりハレー彗星の表面や構造が明らかとなった。ハレー彗星は他の彗星と同様に太陽に近づくと一酸化炭素二酸化炭素などの沸点の低い揮発性物質がから昇華する[10]。これにより彗星のコマは10万kmにまで発達する[11]。このような蒸発から微粒子(ダスト)が放出され、コマ中のガス分子は太陽光を吸収したのち再放射(蛍光と同じ原理)し、ダストは太陽光を散乱させる。この過程によりコマは見えるようになる[7]。コマ中のガス分子の一部は太陽風による紫外線放射によりイオン化しており[7]、そのイオンが長い尾を形成し、1億kmに及ぶこともある[10][12][要ページ番号]。太陽風が変化すると尾の一部が核から完全に離れて分離するdisconnect eventが起こることもある[13]

ハレー彗星のコマが大きいのに対し核は小さく、15.3 km×7.22 km×7.22 kmほどしかない[3]。その形はピーナッツの殻に似ている[11]。質量も2.2×1014kgと小さく[4]、密度が0.6 g/cm3であるためラブルパイル天体のように小さな粒が集積してできたということが示されている[5]地上望遠鏡からのコマの観測ではハレー彗星の自転周期が7.4日と示唆されたが、探査機による観測では52時間と求められており[14]、ハレー彗星の自転は複雑になっている可能性がある[10]。ハレー彗星のフライバイのミッションでは表面の25%しか撮影されていないが、丘陵尾根・凹地が発見され、更にクレーターも1つ発見されている[14]

ハレー彗星はエンケ彗星ホームズ彗星のような他の周期彗星の中では最も活動的で対数スケールにより数量を比較すると1 - 2ほどの違いがある[14]。また、夜側(太陽を向いていない方)より昼側(太陽を向いている方)の方が活動的である。探査機の観測からは核から放出されるガスの組成は水蒸気80%、一酸化炭素17%、二酸化炭素3 - 4%[15]、炭化水素微量[16]と示されたが、ESOの見解では一酸化炭素10%、二酸化炭素2.5%でメタンアンモニアも微量含まれているとしている[17]。微粒子(ダスト)はこのように主に太陽系外でも多い炭素水素酸素窒素(CHON)と地球の岩石などで見られるケイ素で構成されている[10]。だが、この微粒子(ダスト)には検出できる限界があり、1nm(=0.001μm)までしか検出できない[13]

ハレー彗星に含まれる水H2O中の水素の重水素の割合は初めはハレー型彗星が地球に水を運んでいたと提唱されていたため、地球のと同じ程度と考えられていた。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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