ハプログループO-M122_(Y染色体)
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この項目では、ハプログループO-M122について説明しています。かつてハプログループO2と呼ばれ現在はO1bと呼ばれるO-M268については「ハプログループO1b (Y染色体)」をご覧ください。

Y染色体 O2 系統

ハプログループO2-M122の分布
系統祖O-M175
発生地(推定)東アジア
親階層O
分岐指標M122
子階層O2a(M324)、O2b(F742)
高頻度民族・地域東アジア東南アジアオセアニア。特に漢民族ビルマ人チベット人等のシナ・チベット系民族モン・ミエン系民族朝鮮民族で高頻度。

ハプログループO-M122 (Y染色体)(ハプログループO-M122 (Yせんしょくたい)、系統名称ハプログループO2とは、分子人類学で用いられる、人類Y染色体ハプログループの分類のうち、ハプログループOのサブクレード(細分岐)の一つで、「M122」の子孫の系統である。2015年11月にISOGG系統樹が改訂[1]される前はハプログループO3と呼ばれていた。
分布モン・ミエン語族と関連するO-M7の分布シナ・チベット語族と関連するO-M117の分布

ハプログループO2-M122はシナ・チベット語族と関連し、一部下位枝はミャオ・ヤオ語族オーストロネシア語族とも関連する。漢民族(最大65.7%[2])やビルマ系民族(最大86.7%[3])、朝鮮人(最大50.9%[4])に高頻度であり、東南アジア人でも中頻度で見られる。日本でも約20%の男性に観察される[5]モン・ミエン語族に関連するO-M7は大渓文化の遺骨から高頻度に観察されている[6]
中国

上海市出身の漢族男性を対象とした研究では、1219人中576人(47.25%)がハプログループO2-M122に属すという結果が得られた。1219人中689人が浦東出身の漢族男性で、残りの1219人中530人が崇明島出身の漢族男性である[7]。その内訳は下記の通りである:

O2-M122 576/1219 (47.25%)

O2a1-KL1 225/1219 (18.46%)

O2a2-P201 332/1219 (27.24%)

O2a2*(O2a2a xP164) 57/1219 ( 4.68%)

O2a2a1a2-M7 38/1219 ( 3.12%)

O2a2a*(xM7, P164) 19/1219 ( 1.56%)


O2a2b-P164 275/1219 (22.56%)

O2a2b1a1-M117 125/1219 (10.25%)

O2a2b*(xM117) 150/1219 (12.31%)



O2*(xKL1, P201) 19/1219 ( 1.56%)

河北省邯鄲市出身の漢族男性を対象とした研究では、730人中435人(59.59%)がハプログループO2-M122に属すという結果が得られ、特にO-F46 (157/730 = 21.51%)とO-F8 (131/730 = 17.95%)が多く観察された。[8]

ハプログループO2に重大に関係ある中国人の調査方法では、漢民族と55の少数民族・国土が広大であるためより詳細に調査する必要性があり各民族・各地域に細かく集計した上でハプログループO2のサブグループを以下の通りに分けて各民族及び各地域によって詳細に調査される。

O2a1*(L127.1,KL1/L465+,IMS-JST002611-)

O2a1b(IMS-JST002611+)、O2a2a*(M188+,M7-)(漢民族に関係ある)

O2a2a1a2(M7+)(ミャオ・ヤオ語族に関係ある)

O2a2b*(P164+,M134-)(オーストロネシア語族関係ある)

O2a2b1*(M134+,M117-)(シナ語派に関係ある)

O2a2b1a1(M117+)(チベット・ビルマ語派に関係ある)

O2b(F742+)(長江文明に関係ある)

漢民族のO2系統の詳細0.1%以上は以下の通りであった。

O2a1a(F1876) 2.6%

O2a1b(IMS-JST002611) 15.0%

O2a2a(M188) 4.8%

O2a2b1a1(M117) 16.7%

O2a2b1a2(F114) 12.1%

O2a2b2(F3223) 3.1%

O2b(F742) 1.3%

古人骨では、龍山文化の陶寺遺跡(2500BC?1900BC)から100%の頻度で発見されている[9]
日本

日本国内の分布はハプログループC2と同様、地域間の差異が結構大きく、少ない所では15%未満(3/31 = 9.7% 福岡県[10]、11/102 = 10.8% 福岡市成人男性[11]、5/37 = 13.5% 大分県[10]、7/50 = 14.0% 茨城県[4]、20/142 = 14.1% 宮崎県延岡市[10]、20/137 = 14.6% 関東地方[12])、多い所では25%以上(33/129 = 25.6% 佐賀県立致遠館高等学校[13]、15/57 = 26.3% 徳島県[4]、22/79 = 27.8% 青森県立八戸北高等学校及び青森県立三本木高等学校[13]、13/44 = 29.5% 山口県[4])の男性に観察されている。

崎谷満はO2-M122系統の一部は縄文時代に日本にミレット農耕をもたらしたが、その大部分は弥生時代以降の中国大陸及び朝鮮半島からの流入であろうとしている[14]

日本国内でのサブクレード別の割合は以下の通りである[12][15]

O2(M122) (44/263) 16.7%

O2a1b(IMS-JST002611) (10/263) 3.8%

O2a2(P201,IMS-JST021354) (31/263) 11.8%

O2a2*(xM159, M7, M134) (11/263) 4.2%[16]

O2a2b1(M134) (20/263) 7.6%

O2a2b1a1(M117) (11/263) 4.2%

O2a2b1*(xM117) (9/263) 3.4%



O2*(xO2a1b, O2a2, M121, M164) (3/263) 1.1%

O2a2*-P201(xO2a2a1a1a-M159, O2a2a1a2-M7, O2a2b1-M134)はオーストロネシア語族に関連する可能性がある。11人のうち、系統樹上の位置が詳細に解明されている1人の日本人男性(山口県出身のYGU234)のサブクレードは、O2a2b2a1b1-IMS-JST008425p6で、最も近い共通祖先は約10,800年前、主に中国東北部即ち旧満州、華北及び山東地区に分布し、中国全国の男性人口の約0.36%を占める[17]


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