Y染色体 D 系統
系統祖D-CTS3946
発生時期64,700-83,000年前[1]
発生地(推定)アフリカ[1] ? アジア[2]
親階層DE-M203
分岐指標CTS3946, CTS7583, CTS9692, CTS11804, CTS3893/PF1662, CTS4031/V2898, CTS8111, F974, PF1122, Y472082, Y464195, Y464386, Y461544, CTS10598/PF1440, Y464336, Y464200, Z1605/CTS4030/V2897[3]
子階層M174, Y330435
高頻度民族・地域チベット(チベット民族)、日本列島(大和民族、琉球民族、アイヌ)、フィリピン(マクタン島)、イェメン、アンダマン諸島(オンゲ族、ジャラワ族)、インド北東部(アルナーチャル人)
ハプログループDの移動想定経路 (Haber et al. 2019)
ハプログループD (Y染色体)(ハプログループD (Yせんしょくたい)、英: Haplogroup D (Y-DNA))とは、分子人類学で用いられる、人類のY染色体ハプログループの分類で、YAPと呼ばれる変異の型を持つもののうちのCTS3946に代表される分岐指標を持つ集団の系統。 現在このハプログループDは、日本列島・南西諸島やアンダマン諸島、チベット高原で高頻度に観察されるほかはアジア、アフリカの極めて限られた地域で散発的にしか見つかっていない。 チベットではD1a1-Z27276、日本ではD1a2a?M55、アンダマン諸島ではD1a2b-Y34537[4] が高頻度である。 これらのハプログループは、同じハプログループDに属していてもサブグループが異なるため、分岐してから5万3000年以上の年月を経ている[5]。 ハプログループDは、現在の中国、朝鮮、東南アジアにおいて多数派的なハプログループO系統や、その他E系統以外のユーラシア系統(C,I,J,N,Rなど)とは分岐から7万年以上の隔たりがあり、非常に孤立的な系統となっている。 D系統は東アジアにおける最古層のタイプと想定できるが[6]、一つの説として東アジア及び東南アジアにO系統が広く流入した為、島国日本や山岳チベットにのみD系統が残ったと考えられている。 なお、同じくハプログループDEから分かれたハプログループEは、アフリカ大陸で高頻度、中東や地中海地域で中?低頻度に見られる。 またDEの子型でD系統にもE系統にも属さないDE*がチベット人でごくわずかに発見されている[7]。 最近の研究 (Haber et al. 2019)[1] で、従来DEの子型でD系統にもE系統にも属さないパラグループDE*(どちらの系統に近いか未詳)とされていたナイジェリア人の3サンプル[8] が、ハプログループEよりもハプログループDに近縁であることが判明した。
分布
起源