ハプログループB_(mtDNA)
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ハプログループB (mtDNA)(ハプログループB (ミトコンドリアDNA)、: Haplogroup B (mtDNA))とは、分子人類学で用いられる、人類ミトコンドリアDNAハプログループ(型集団)の分類のうち、ハプログループNの子系統「R11'B」を祖先に持ち「8281-8289d[1]」などの特徴的変異をもつもので、サブクレードは、B4、B5、B7などである。
概略
起源

この型の祖系の「R11'B」は、ヨーロッパ白人の母系などと祖を同じくする「N」型から分岐した系統にあたる[2]。ハプログループBは、約4?5万年前にアジアで分岐し、東南アジアポリネシアなどといった南方に広まった代表的なグループである[3]
分布

ハプログループBの分布は、イラン[4]イラク[5]ベトナムマレーシアインドネシアタイチベット中国台湾モンゴル韓国日本フィリピンポリネシアマダガスカルメラネシアミクロネシアハワイなどであり、アメリカ大陸の先住民からも検出される[6][7]

また、田園洞人はハプログループBに属していることが判明している[8]
日本での分布

縄文時代には既にこのB系統が日本列島にいたことが縄文人骨の解析などから明らかとなっており、現在では、特に東京宮崎で多く検出される[9]日本人に占める割合はB4(9.1%)、B5(4.3%)である[10]
B系統の移動と拡散

B5系統は華南を中心に分布している。B4系統は台湾フィリピン、太平洋島嶼を中心に分布している。ハワイの先住民の9割以上はこの系統であり、アメリカ大陸先住民族から検出されたB2系統は、このB4系統から分岐した系統であることが明らかとなっている。このB2系統は南アメリカ先住民族からも見つかっている[10]。B4a1a系統は、オーストロネシア語族の拡散と関連している。
系統樹

ハプログループBのサブクレードの系統樹は、マニス・バン・オーブンとマンフレッド・カイザーの論文に基づく[1]

B

B4

B4a

B4a1

B4a1a

B4a1a1

B4a1a1a

B4a1a1a1

B4a1a1a2


B4a1a1b


B4a1a2

B4a1b

B4a1b1

B4a1b1a




B4a1c

B4a1c1

B4a1c2

B4a1c4


B4a1c3

B4a1c3a




B4a2

B4a2a


B4g

B4b'd'e

B4b

B2

B2a

B2a1

B2a1a



B2b

B2c

B2c1


B2d

B2e


B4b1

B4b1a



B4b1a1

B4b1a1a


B4b1a2

B4b1a2a




B4b1b'c

B4b1b

B4b1c




B4d

B4d1'2'3

B4d1

B4d2

B4d3



B4e


B4c

B4c1

B4c1a'b

B4c1a

B4c1a1

B4c1a1a


B4c1a2


B4c1b

B4c1b1

B4c1b1a


B4c1b2



B4c1c

B4c1c1



B4c2

B4c2a



B4f

B4f1



B5

B5a


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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