ハツタケ
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ハツタケ
アカマツ林内の地上に発生したハツタケ(茨城県那珂市産)
分類

:菌界 Fungi
亜界:ディカリア亜界 Dikarya
:担子菌門 Basidiomycota
亜門:ハラタケ亜門 Agaricomycotina
:ハラタケ綱 Agaricomycetes
:ベニタケ目 Russulales
:ベニタケ科 Russulaceae
:チチタケ属 Lactarius
:ハツタケ Lactarius hatsudake

学名
Lactarius hatsudake Nobuj. Tanaka
和名
ハツタケ

ハツタケ(Lactarius hatsudake Nobuj. Tanaka)は、担子菌門に属し、ベニタケ目 ベニタケ科チチタケ属に分類されるキノコの一種である。
目次

1 形態

2 生態・生理

3 分布

4 類似種

5 成分

5.1 香気成分

5.2 呈味成分

5.3 色素

5.4 脂質

5.5 糖質

5.6 有機酸

5.7 無機成分

5.8 ビタミン

5.9 その他


6 食材として

6.1 調理

6.2 栽培・培養

6.3 歴史


7 和名・方言名・学名

7.1 和名

7.2 方言名

7.3 学名


8 ハツタケと文学

9 脚注

10 参考文献

11 外部リンク

形態

かさは直径3-10cm程度、幼時は半球形であるが次第に開いて、ほぼ平らあるいは浅い皿状となる。表面は湿った時には弱い粘性があるが乾きやすく、淡い赤褐色ないし淡黄褐色を呈し、やや明瞭な同心円状の環紋をあらわし、表皮は剥ぎとりにくい。かさ・柄の肉は堅く締まっているがもろい肉質で、ほぼ白色(かさの表皮の直下は淡赤褐色)を呈し、ほとんど無味、僅かに樹脂のような香気があり、傷つけると暗赤色ないし暗赤ワイン色の乳液を少量分泌し、後にゆっくりと青緑色となる。ひだは柄に直生ないし上生(あるいは垂生状に直生)し、密で帯赤褐色ないしブドウ酒色を帯びた褐色を呈し、分岐や連絡脈を生じない。柄はほぼ上下同大で比較的太くて短く、かさより色が淡く、中空である。ひだや柄も、傷つけると赤ワイン色の乳液を分泌し、後に次第に青緑色となるため、古い子実体では、多くの場合は全体に不規則な青緑色のしみを生じている。

胞子紋はごく淡いクリーム色を呈する。胞子は広卵形、ところどころで不規則に途切れた網目状の隆起と、先端に丸みを帯びたいぼ(ともに、ヨウ素溶液で青黒色に染まる)とをこうむる。側シスチジアには二種のタイプがあり、その一型は細長い槍状ないし狭紡錘状をなし、淡い黄色(ヨウ素溶液中では橙褐色)で粒状の内容物を含み、いま一型はひだの組織に深く埋もれて僅かに突出するに過ぎず、ミミズ状に屈曲し,先端は尖らず、淡褐色の内容物を含んでいる。側シスチジアにも二つの型があり、うち一型は尖った紡錘状で、先端部はしばしば鉛筆の芯状に細まり、もう一型は短いこん棒状で、しばしば多数の隔壁を備える。かさの表皮層は、ゼラチン層に埋もれつつかさの表面に平行に匍匐した菌糸で構成される。菌糸にはかすがい連結を持たない。


ハツタケ生品(埼玉県所沢市産)のかさ表面・かさ裏面(ひだ)・子実体の側面観、および縦断面(傷つくと暗赤色の乳汁がにじみ、ゆっくり緑変する).



生態・生理

日本では、夏から秋(時に梅雨期)、アカマツクロマツ[1][2]リュウキュウマツ[3]などの二針葉マツ類の樹下に発生し、これらの樹木の生きた細根に典型的な外生菌根(フォーク状に二叉分岐し、白色[4]または赤紫色を呈する[5])を形成して生活する。北海道では、植林されたヨーロッパアカマツの樹下に発生し、トウヒ類の林内でも見出されるという[6]

タイでは、三針葉マツ類の一種であるケシアマツ(Pinus kesiya Royle ex Gordon)の樹下に発生する[7]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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