「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」
ビートルズの楽曲
収録アルバム『ザ・ビートルズ』
英語名Happiness Is a Warm Gun
リリース1968年11月22日
録音
1968年9月23日 ? 25日 (1968-09-23 ? 1968-09-25)
EMIレコーディング・スタジオ
ジャンルロック
時間2分43秒
レーベルアップル・レコード
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
『ザ・ビートルズ』 収録曲
ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス
(DISC 1 A-7)ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン
(DISC 1 A-8)マーサ・マイ・ディア
(DISC 1 B-1)
「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」(Happiness Is a Warm Gun)は、ビートルズの楽曲である。1968年に発売された9作目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ザ・ビートルズ』に収録された。レノン=マッカートニー名義となっているが、実質的にはジョン・レノンによって書かれた楽曲[1]。4つの断片を繋ぎ合わせて作られた楽曲で、曲名は全米ライフル協会の雑誌に掲載された記事のタイトルから採られた。曲は4分の3拍子と4分の4拍子が入り組んだ複雑な構成となっており、リズム・トラックの録音には70テイクを費やした。
1968年5月にイーシャーにあるジョージ・ハリスンの自宅でデモ音源が録音された際は、「I Need a Fix」というタイトルで、3つのセクションで構成されていた。当時のデモ音源は、1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』や、2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉』に収録された。
音楽評論家からは肯定的な評価を受けており、メンバー4人もお気に入りの楽曲として本作を挙げている。なお、歌詞が性的であるという理由から、BBCなどの放送局より放送禁止の措置を受けた。楽曲の発表後、トーリ・エイモス、U2、ブリーダーズらによってカバーされた。 レノンは、全米ライフル協会が発行している雑誌『アメリカン・ライフルマン
背景
一部の評論家の間では、本作の歌詞について「warm gun(温かい銃)」というフレーズからレノンのオノ・ヨーコに対する性的欲求とする解釈や、「I need a fix(一発キメたい)」というフレーズから麻薬注射に関する言及であるという解釈がなされた。なお、レノンはヘロインとの関連性を否定している[4]。1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューにおいても、銃と性的欲求のダブル・ミーニングであることは認める一方で、麻薬との関連性は否定している[5]。 レノンは本作について、「3つの曲を繋ぎ合わせ作った[6]」「ロックンロールの歴史みたいなもの[7]」と説明している。曲は3つのセクション構成されており、LSDでのトリップ体験を思わせるセクションから始まる[8]。曲が進むごとに不吉な印象を強めていき、同じ詩節が繰り返される。最後の部分はドゥーワップのパロディで、「bang, bang, bang, shoot, shoot(バン、バン、撃て、撃て)」というバッキング・ボーカルが入る。レノンは、3つのセクションについて「the Dirty Old Man」、「the Junkie」、「the Gunman(1950年代のロックンロールの風刺)」と表現している[4]。 1968年にイーシャーにあるハリスンの自宅でレコーディングされたデモ音源は、「I need a fix 'cause I'm going down(一発キメたい、落ち込みそうだ)」というフレーズから始まり、「Mother Sperior jump a gun(女修道院長さん、早まってくれ)」というフレーズに移ったのち、「Yoko Oh, No(=Ono), Oh, Yes」とオノのことを駄洒落にして歌うセクションで終わる[3]。1950年代のロックンロールのレコードで聴ける語りのパロディは、同じくレノン作の「アイム・ソー・タイアード」のデモ音源でも聴くことができる[9][10][3]。1996年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』には曲の途中から30秒以上が省略された音源が収録され[11]、2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) 〈スーパー・デラックス・エディション〉』のCD3にはフルサイズで収録された。 「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」のレコーディングは、1968年9月23日にEMIレコーディング・スタジオのスタジオ2で開始された。セッションも大詰めとなった本作のレコーディングが開始された時期について、リンゴ・スターは協力的な雰囲気になったとし、「『ホワイト・アルバム』のセッションでは最終的に僕らはまたバンドに戻れたし、そこが僕は大好きなんだ。バンドにいるのが好きなんだ」と振り返っている[3]。
曲の構成
レコーディング