「ハタ (魚類)」とは異なります。
ハタハタ
ハタハタ A. japonicus
上越市立水族博物館飼育個体
分類
ハタハタ(学名:Arctoscopus japonicus、鰰、?、雷魚、燭魚、英語: Sailfin sandfish)は、スズキ目に属する魚の一種。別名カミナリウオ、シロハタなど。
日本では主に日本海側で食用にされ、秋田県の県魚である[1]。煮魚や焼き魚に調理されるほか、干物、塩蔵、味噌漬けなどにもされ、しょっつると呼ぶ魚醤にも加工される。魚卵はブリコと呼ばれる。 寿命は5年で体長20センチメートル程になり[2]、水深0 - 約550メートル[3] までの泥や砂の海底に生息する深海魚である。産卵は海域によって異なり11月から12月で、浅い岩場の藻場を中心に行われる。オスは1歳から、メスは2歳から繁殖活動に参加し、産卵では死亡せず数年間にわたり繁殖をする[4][5]。 餌は、端脚類、橈脚類、オキアミ類、アミ類、イカ類、魚類を捕食している[5][6]。 生息域は北西太平洋で、特に日本海、オホーツク海、千島列島、カムチャッカ半島など[7]。沖山宗雄(1970年)により日本周辺に棲息するハタハタの個体群は、3つの地域的な集団に大きく分類できるとされ[8]、そののちのミトコンドリアDNA(mtDNA)の解析により、この3つが遺伝子的にも区別されることが明らかとなっている[9]。また、これら個体群を更に地域群に細分化する研究者もいる[10]。 東北地方の太平洋側(三陸沖)での漁獲は少なく、定常的な産卵場所は確認されていない[9]。回遊経路は解明されていないが北海道太平洋群や日本西岸群が三陸沖で捕獲されることから回遊範囲は広いと考えられる[9]。 体は体高が高く、左右に扁平でうろこがない。小さな歯が並ぶ大きな口が上向きに斜めに付く。鰓蓋に5本の鋭い突起がある。背ビレは前部と後部が完全に分かれ、かなり離れている。尾ビレ、胸ビレが大きく、特に胸ビレは非常に大きい。浮き袋は持たず、昼間は泥や砂に埋まって目や背ビレだけを出して隠れ、夜に行動する。 卵塊(卵)の色は、赤、茶、緑、黄など様々である。卵の色素は胆汁色素、カロチノイド類のイドザンチン、クラスタザンチン、ビタミンA2などで構成される。色を決定する要因は十分に解明されていないが、餌の生物に含有されているアスタキサンチンを元に自身が生合成したイドザンチン、クラスタザンチンの量が影響していると考えられる[14]。 ハタハタは現在の分類学においてスズキ目ワニギス亜目ハタハタ科に属しているが、ミトコンドリアDNAの解析結果によれば、ハタハタはカサゴ目のカジカの仲間に近いことがわかっている[15]。
生態
分布
北海道太平洋群(石狩湾系群/噴火湾系群/日高系群/釧路系群/根室系群[10]) - 北海道周辺を繁殖海域とする個体群。
日本西岸群 (日本海北部系群/日本海西部系群[11][12]) - 鳥取県から秋田県沖の主に日本海を回遊する個体群。繁殖海域はこれら各県の沿岸とされるが、じっさいは能登半島以西にはまとまった産卵場がなく[12]、日本海西部系群の繁殖海域は朝鮮半島東岸であると報告されている[13][11] 。
朝鮮半島東岸群 - 朝鮮半島東岸を繁殖海域とする個体群。
形態
分類
近縁種
エゾハタハタ Trichodon trichodon
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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