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ハシボソガラス
ハシボソガラス Corvus corone
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ハシボソガラス(嘴細烏、学名:Corvus corone)は、鳥綱スズメ目カラス科カラス属に分類される鳥[1]。
英名の carrion crow は「死肉を食うカラス」を意味するが、実際は後述のとおり植物質を好む。 ユーラシア大陸(東部、西部)。 日本では、ほぼ全域の平地から低山に分布する留鳥[2]。 全長50cmほどで、全身が光沢のある黒色をしており、雌雄同色[3]。外から見える羽は黒いが、皮膚に近いところの短い羽毛はダウンジャケットのように白く柔らかな羽毛で、寒さに非常に強く冬も平気で水浴びをする。 地肌の色は黒っぽい灰色。脚とクチバシも黒色である。突然変異で白い個体が出現することもあり、これはアルビノまたは白変種と考えられる。 ハシブトガラスに似るがやや小さく、嘴が細く上嘴があまり曲がっていないところと、額(嘴の上)が出っ張っていないところ、鳴き声が「ガーガー」と少し濁っていることや、鳴く際にはハシブトガラスは体を振るわせず、頭を前に突き出し、のどを膨らませるのに対し、こちらは下腹や背の羽毛を逆立て、頭部を突き出して鳴き声に合わせてお辞儀のように頭を上下に動かすことなどで判別できる[4]。 ハシボソガラスと最も近縁な種はクビワガラス 河川敷や農耕地など開けた環境に生息する。極度に都市化が進んだ地域や高山帯ではあまり見られない。ペアは年間を通して縄張りを持つが、非繁殖期には夜間決まった林に集団でねぐらをとる。 鳴き声は「ガーガー」と濁って聞こえるが、ハシブトガラスのそれに似る場合もある。 営巣は開けた場所に位置する樹木に木の枝を組み合わせたお椀状の巣を作り、巣材に針金やハンガーなどを利用することもある。 知能は高く、信号停車中の車のタイヤの前にクルミや貝などを置いて割るのも本種である[5]。 食性は雑食で、昆虫類、鳥類の卵や雛、小動物、動物の死骸、果実、種子などを食べる。ハシブトガラスよりも比較的植物質を好む傾向にある[6]。ハシブトガラスと違って地面をウォーキング(交互に脚を出して歩く)する時間が長いため、地面採食(土食い)もする。 産卵期は4月頃で、1回に3-5個の卵を産む。主にメスが抱卵し、その間オスはメスに餌を運ぶ。抱卵日数は約20日。雛に対する給餌は雌雄共同で行い、雛は孵化後約1か月で巣立つ。子育てに失敗した場合は再度抱卵して子育てを行うこともあるが、前述のとおり時間を要するため、北では1回が限度と見られる。 ハシブトガラスが森林に生息していたのに対し、本種は人里近くに生息し住み分けてきた。かつて日本で「カラス」といえば本種を指したが、都市部へハシブトガラスが進出したため、「日本のカラス」の座をハシブトガラスに譲ることになった。
分布
形態
生態ヤナギの木の股に小枝などを集めて営巣するハシボソガラス
人間との関係