ヒドロキノン
IUPAC名
1,4-ベンゼンジオール
1,4-ジヒドロキシベンゼン(系統名)
別称.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}
ヒドロキノン(許容慣用名)
p-ベンゼンジオール
p-ジヒドロキシベンゼン
識別情報
CAS登録番号123-31-9
172℃
沸点
287℃ (昇華性あり)
危険性
安全データシート(外部リンク)ICSC 0166
関連する物質
関連する構造異性体カテコール
レゾルシノール
関連物質1,4-ベンゾキノン
出典
国際化学物質安全性カード
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。
ヒドロキノン(英: hydroquinone)は、二価フェノールである。特に美容ではハイドロキノンと表記されることが多い。ヒドロキノンの名称はこの化合物がp-ベンゾキノンの還元によって得られたことから来ている。写真の現像に用いられる[1]。美容では皮膚の美白に利用されるが、頻繁な副作用について医学的な監督が必要で法的な規制や安全性の議論がある[2]。ヒドロキシ基の位置が異なる異性体として、カテコール (1,2-体)、レゾルシノール (1,3-体)がある。 ヒドロキノンの常圧での融点は172 ℃、沸点は287 ℃であり、常温常圧では無色の固体として存在する[注釈 1]。水にもエーテルにも可溶。動物実験などにおいてはフェノールと同様に変異原性が認められている。 還元力が強く、ヒドロキノンは容易に酸化されてp-ベンゾキノンとなる。 合成や写真の現像において還元剤として用いられる。また重合防止剤及びその原料、染料の原料、ゴムの酸化防止剤原料、エンジニアリングプラスチック原料、農薬原料等としても利用されている。ヒドリドを放出してベンゾキノンとなることができるため、ヒドリド源としても用いられる。 医薬部外品として美白剤として処方されている(後述)。 主に、フェノールの酸化により製造される。 酸化剤として過酸化水素、触媒にベータゼオライト (H-BEA)、助触媒にジエチルケトンを用い、フェノールを酸化する。この際ヒドロキノンと共にカテコールが併産される。H-BEA をアルカリ土類金属でイオン交換することにより選択性が改善する。環境負荷の少ない過酸化水素を酸化剤に用いたヒドロキノン合成プロセスという点ではUBEによりすでに実用化されていたが、ここで紹介した反応法は、それをさらに改善するための研究で発見されたものである。 過硫酸カリウムを用いるエルブス過硫酸酸化も、フェノールからヒドロキノンを得る一手法である。 p-ベンゾキノンを亜硫酸などの適当な還元剤により還元することによっても得られる。 生産能力の大きい順にローディア(仏)、三井化学、イーストマンケミカル(米)、ボレガード、射陽化工(中)が主な製造者である。 外用薬ではハイドロキノンと呼ばれることのほうが多い。ヒドロキノンは、その強力な漂白作用を利用したもので、シミ取り剤 トレチノイン(レチノイドの一種)とステロイド外用薬が配合されたハイドロキノン含有クリームも米国で承認されている[3]。肝斑に対する比較研究では、ハイドロキノンとコウジ酸含有クリームにステロイド含まない方が効果が高い(この試験ではコウジ酸単体の方がこれにステロイドを足すより効果が高い)[4]。ハイドロキノンは肝斑など色素沈着を減少させるために伝統的に使われてきたが、広い使用を制限されているため、ハイドロキノンよりも優れている代わりになる薬剤が必要とされている[5]。
性質
用途
合成法
製造者
美容分野でのヒドロキノン(ハイドロキノン)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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