ノーザンファーム天栄(ノーザンファームてんえい)は、福島県岩瀬郡天栄村に所在するノーザンファーム傘下のトレーニングセンター(外厩)である[1]。 滋賀県甲賀市のノーザンファームしがらきと並ぶ本州におけるノーザンファームの拠点である。美浦トレーニングセンター、栗東トレーニングセンターに勝るとも劣らない設備を持ち、「第二のトレセン」[2]「最強の外厩
概要
美浦トレーニングセンターからは自家用車で約2時間半、馬運車で3時間半から4時間ほどの距離にある。北海道からも、輸送熱が出づらい時間内に到着可能であり、利便性が高い立地条件を誇る。敷地全体が盆地のような地形で、坂路の向こう側には那須連峰が望める。厩舎内は馬が寂しがらないように、縦に貫く通路を挟んで馬房が並び、互いに顔が見える構造になっている。スロープを上った場所にある事務所からは、敷地全体を見渡すことができる[3]。
主に美浦所属のノーザンファーム関係馬が利用するが、友道康夫厩舎など栗東所属でありながら外厩先としてノーザンファーム天栄を利用する例もある[4]。
人材育成に力を入れており、2017年現在では総勢100人のスタッフが所属している[2]。 前身は早田牧場を母体としていたシルクホースクラブの育成牧場「天栄ホースパーク」である。2002年に早田牧場が経営破綻すると、次第に同クラブとノーザンファームの結びつきが深まり、2011年に完全提携へと至った。同時に「天栄ホースパーク」も同ファームへ売却され、「ノーザンファーム天栄」へと名称が変更された[5]。 2017年には坂路コースがリニューアルされ、高低差が従来の約28 mから約36 mに高められた[6][注 2]。 2018年にはノーザンファーム天栄の利用馬が次々と大レースを制し[注 3]、ノーザンファームの躍進を支えた。中でも、シンザン記念からの直行で桜花賞を制したアーモンドアイや、ラジオNIKKEI賞からの休み明けで菊花賞を制したフィエールマンなど、異例のローテーションでの活躍馬が目立ち、従来の常識を覆すほどの高度な調整力を証明した[7]。
歴史
場長
木實谷雄太 (2015年〜)
設備
厩舎 15棟(286馬房)[3]
屋外 900坂路コース
屋外 1200 m 周回コース
角馬場2面
屋根付きウォーキングマシーン・トレッドミル[3]
脚注
注釈^ 例えば、2016年のNHKマイルカップを制したメジャーエンブレム、翌年の同レースを制したアエロリットは共に桜花賞後ノーザンファーム天栄で調整され、レースの11日前に帰厩している[2]。
^ 美浦トレーニングセンターは18 m、栗東トレーニングセンターは32 m[6]。
^ アーモンドアイ(牝馬三冠、ジャパンカップ)、ワグネリアン(東京優駿)、レイデオロ(天皇賞(秋))、フィエールマン(菊花賞)、ステルヴィオ(マイルチャンピオンシップ)、アドマイヤマーズ(朝日杯フューチュリティステークス)、ブラストワンピース(有馬記念)が2018年のGIを制した。