ノーサイド・ゲーム
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ノーサイド・ゲーム
No Side Game
著者
池井戸潤
発行日2019年6月11日(単行本)
2022年11月15日(文庫本)
発行元ダイヤモンド社(単行本)
講談社文庫(文庫本)
ジャンル小説
日本
言語日本語
形態四六並製
ページ数406(単行本)
512(文庫本)
公式サイトwww.diamond.co.jp
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ISBN 978-4-06-529910-4A6判

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『ノーサイド・ゲーム』は、池井戸潤小説。2019年6月11日にダイヤモンド社から単行本が書き下ろしで刊行された。2022年11月15日に講談社文庫にて文庫化された。

2019年7月期にTBS系で大泉洋主演でテレビドラマ化された[1]
あらすじ

トキワ自動車経営戦略室次長の君嶋隼人は、滝川桂一郎が出したカザマ商事買収案件に反対する意見書で、滝川と対峙していた。この案件は、結局取締役会で見送られたが、それからおよそ3か月後、君嶋は府中工場総務部長に左遷させられる。

横浜工場総務部長は、成績が低迷する、トキワ自動車のラグビー部・アストロズのゼネラルマネージャー兼務と決まっていて、君嶋はラグビーについてまったくの素人ながら、着任早々監督選びに悪戦苦闘することになる。アナリストの佐倉多英や、キャプテンの岸和田徹の助言を受けながら、新監督は柴門琢磨に決まる。新生アストロズが始動し快進撃を続け、柴門が監督に就任して1年目のアストロズは3位の成績に終わる。

そして、君嶋は元上司・脇坂賢治から、見送られたはずのカザマ商事買収案件が復活したことを聞く。その後、脇坂は君嶋に経営戦略室に戻るように伝えたが、君嶋は横浜工場の総務部長として、またアストロズのゼネラルマネージャーとしてやり残したことがあると伝える。

滝川は取締役会でカザマ商事買収を提案しまとまりかけようとしたところ、脇坂にカザマ商事に関する経営情報報告で不備な点を指摘されたことで白紙となる。これをきっかけに滝川は社内での信用を失い関連会社の社長に転出し、脇坂は立場が入れ替わる形で常務取締役に昇進する。

脇坂が常務取締役に就任してからは、アストロズの強化費削減をしアストロズを廃部に持ち込もうとして、アストロズは苦境に立たされる。そして、脇坂はアストロズの強化費削減案を取締役会に提案したが、君嶋がアストロズの存在証明と日本蹴球協会に戦いを挑んでいることの説明に、社長の島本博が同意したことで提案は退けられる。そのあとに君嶋からの「コンプライアンス問題に関する報告」をしたことで脇坂は常務取締役の役職を解かれることになる。同時に日本蹴球協会の定例会議で専務理事の木戸祥助は、「プラチナリーグ改革案」と、自身の意向に反する提案をことごとく排除してきた会長の富永重信の解任を提案し、理事たちの賛同を得たことでプラチナリーグは変化しようとし始める。

柴門が監督に就任して2年目のアストロズは念願かなって優勝し、その4か月後に君嶋は経営戦略室長のポストに異動し、アストロズ部長職を兼務することになる。
登場人物
トキワ自動車
君嶋隼人(きみしま はやと)
経営戦略室次長→横浜工場総務部長、アストロズ
GM兼務→経営戦略室長、アストロズ部長兼務。城南大学卒。富山出身で役場員の父と近くの工場で働く母との間に生まれた長男。弟と妹がひとりずついる。家族は妻と息子ふたりの4人。東急東横線沿線のマンションに住む。トキワ自動車に入社後、3年間は営業部に配属。その後、本社に異動し、企画部(7年)→営業推進部(8年)を経て、経営戦略室(7年)へ。しかし、カザマ商事買収案件に反対したため、上司の脇坂によって、本社の経営戦略室から横浜工場総務部長に左遷されられる。また、同時にラグビー部・アストロズのゼネラルマネージャーに就任する。ラグビーの経験はないが、経営戦略のプロとして、16億円の赤字となっていたアストロズの収益性の向上とラグビーを活性化させるために地域密着型のチーム作りを志向。年俸の高さに見合うだけのチームプレーができていなかった外国人選手との契約解除を皮切りに、チーム運営費の削減と、日本人選手同士によるチーム内競争の活性化を図った。また、アストロズのファンクラブや下部組織(ジュニア・アストロズ)を創設するとともに、選手たちのボランティア活動を奨励。アストロズの認知度・集客力の向上と、入場料収入の大幅な増加につなげた。大学の同級生で城南大学ラグビー部を3連覇に導いた柴門を監督に招聘するが、練習環境の改善が選手から強く求められていたことに加えて、柴門からの厳しい要求に直面したことで運営費増額の必要性を痛感。アストロズの元・副部長で、経費の抑制を目論む滝川常務との間で板挟みになる。そこで、「アストロズだけの努力では限界がある」として、アストロズが加盟する日本蹴球協会にも運営面での改革を提案。当初は協会の幹部から一蹴されたものの、近年下位に甘んじていたアストロズを立て直したことで、サイクロンズを除く他チームのGMから徐々に一目置かれるようになる。アストロズGMへの就任2年後に、アストロズがプラチナリーグを優勝。その4か月後に経営戦略室長へ異動したが、部長としてアストロズの運営に引き続き携わるとともに、日本蹴球協会理事就任のオファーを受ける。
島本博(しまもと ひろし)
社長。トキワ自動車の創業家出身。 70歳代と高齢のため、滝川から社長職の勇退を迫られていた。ラグビーが好きで、社会人ラグビーの最上位リーグであるプラチナリーグ創設にも賛同。GMに就く君嶋を激励しながら、アストロズの練習や試合へたびたび足を運んでいる。
滝川桂一郎(たきがわ けいいちろう)
常務取締役営業本部長→関連会社社長。明成学園大学卒。脇坂と同期入社で、オイル専門商社・カザマ商事の風間社長とは大学の同級生に当たる。人前では感情をほとんど表に出さず、トキワ自動車の企業価値の向上に直結しない経費や活動を徹底的に排除する姿勢を打ち出している。実父はラグビー経験者で、自身も少年時代に父と一緒に高校ラグビーを観戦した影響で、一時ラグビー選手を目指していた。もっとも、高校時代は勉学に忙しく、大学時代には実父が経営していた家業が傾いたため、ラグビー部に入らなかった。大学時代に風間から境遇の差を思い知らされたことを根に持っていて、常務へ就任してからは、カザマ商事を買収する計画を進めていた。買収後は風間に代わって社長に就くことを目論んでいたが、取締役会での経営情報報告で脇坂に不備な点を指摘されたため、島本の判断で計画は白紙に戻った。カザマ商事が自社製の
バンカーオイルを使用した白水汽船のタンカー座礁事故の原因の隠蔽を企てていたことも君嶋からの資料で判明したため、社内での信用を失い、常務取締役から、関連会社である、金融会社の社長へ転出させられる。常務へ就任する前の広報部長時代にアストロズの副部長を兼務していたため、常務時代には、アストロズや、日本のラグビーの問題点を経営面や財政面から理路整然と指摘。君嶋と経営面や財政面でことごとく対立していた一方、地域密着のチーム作りには賛成した。カザマ商事の買収計画でも、君嶋から再三にわたって異を唱えられていたが、君嶋の力量については「経営戦略室に必要」として高く評価。常務職からの転出が脇坂の策略によることを転出後に察知してからは、君嶋に対して、アストロズの廃部を画策する脇坂と戦うことを勧める。
脇坂賢治(わきさか けんじ)
経営戦略室長→常務取締役兼広報・経理・総務総責任者。明成学園大学附属高校から神奈川国立大学卒。風間とは、高校での同級生に当たる。君嶋が経営戦略室に所属していた時期の上司。同期入社の滝川が「次期社長候補」と目されるほど社内で実権を強めていることへの危機感が強く、君嶋と滝川の対立をなだめつつも、滝川の追い落としを画策していた。高校の同窓会では風間に対し、カザマ商事の買収を滝川に持ち掛けるよう言い、カザマ商事買収を風間を助けるのではなく、滝川を陥れる罠として利用しようとしていた。そのため、買収に反対する、部下の君嶋を左遷し、風間には、森下の買収や、売値の引き下げを裏でアドバイスしていた。カザマ商事の買収によってトキワ自動車が大きな損失を被る危機を取締役会で防いだことを機に、滝川と立場が入れ替わる格好で常務取締役に昇進する。経営戦略室長時代には、君嶋の前でアストロズを支援することを装っていた。しかし、内心では滝川以上にアストロズの存在価値を低く見積もっていたため、常務取締役への就任を機に態度を豹変。アストロズを廃部に追い込むべく、強化費の削減を取締役会で提案した。提案では日本蹴球協会の体質も槍玉に挙げていたが、GMとして同席していた君嶋がアストロズの存在と日本蹴球協会への戦いの成果を証明したため、島本から提案を退けられる。さらに、取締役会での君嶋からの「コンプライアンス問題に関する報告」によって、バンカーオイルの隠蔽工作と価格引き下げによる再売却の提案を風間に持ちかけたことが判明。風間から提出された資料も決め手になって、常務取締役の役職を解かれる。
藤島レナ(ふじしま れな)
海外事業部員。七尾の教育担当。アストロズの熱狂的ファンであり、選手では浜畑ファン。
中本理彩(なかもと りさ)
経理部員。レナと同じラグビー好き。選手では友部をひいきにしている。
星野信輝(ほしの のぶてる)
研究所研究員。横浜工科大学卒。アストロズ選手の岸和田と同期入社。白水商船のタンカー座礁事故を起こした原因が、船舶エンジンに使われるバンカーオイルによるもので、そのバンカーオイルが買収を予定しているカザマ商事の製品であることを君嶋と岸和田に伝える。
新堂智也(しんどう ともや)
横浜工場長、アストロズ部長兼務。ずんぐりした体型の50代半ばの男性。カザマ商事の子会社・横浜マリンカントリーが計画しているゴルフ場建設への反対運動が、トキワ自動車によるカザマ商事への買収計画の浮上を機に、横浜工場の正門前でも展開されていることに手を焼いていた。そこで、本社から工場へ異動してきたばかりの君嶋に対応を一任する。アストロズが優勝した年の3月末をもって退職。
吉原欣二(よしはら きんじ)
横浜工場総務部長、アストロズGM兼務→トキワ物流総務部長。横浜工場総務部長とアストロズGMを君嶋に引き継いだ後、子会社「トキワ物流」に出向。
柴門琢磨(さいもん たくま)


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