ノヴェンバー型原子力潜水艦
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ノヴェンバー型原子力潜水艦

基本情報
種別攻撃型原子力潜水艦
建造所第402造船所 (セヴェロドヴィンスク)
運用者 ソビエト連邦海軍
建造期間1955年 - 1963年
就役期間1959年 - 1990年
建造数627型: 1隻
627A型: 12隻
645型: 1隻
前級ズールー型 (611型)
次級ヴィクター型 (671型)
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ノヴェンバー型原子力潜水艦(ノヴェンバーがたげんしりょくせんすいかん、英語: November-class submarine)は、ソ連海軍原子力潜水艦の艦級に対して付与されたNATOコードネーム。ソ連海軍での正式名は627型潜水艦(ロシア語: Подводные лодки проекта 627)、計画名は「キト」(: ≪Кит≫、クジラの意)であった[1][2]
来歴

第二次世界大戦中、ソビエト連邦潜水艦を担っていた設計局・造船所のほとんどがナチス・ドイツの攻撃・占領による損害を被ったこともあり、建造ペースはかなりの遅延を余儀なくされた[3]。そして戦後、ドイツ海軍の潜水艦隊の活躍を重視したヨシフ・スターリンは、大洋艦隊を目指すソ連海軍にとって、潜水艦こそ必要な兵器であるとしたことから、ソビエト連邦の軍需産業や海軍は、世界最大の潜水艦隊建設へ向けて邁進することとなった[2]。まず第二次世界大戦を通じて獲得されたドイツ海軍のUボートを参考とした通常動力型潜水艦の整備が開始され、613型(ウィスキー型)が1951年12月、またより大型の611型(ズールー型)は1953年12月に就役を開始した[3]

一方、1945年の実験用原子炉の建造成功を受けて、ソ連海軍でも潜水艦用原子炉の開発に着手、また1949年にはソ連科学アカデミーが「潜水艦の主機として原子炉は利用可能」と報告、1950年からは原潜用原子炉の詳細設計が開始された。1952年9月、スターリンは極秘指令「(原子力潜水艦)627型の設計と建造」を承認した。これに基づき、科学アカデミーのアレクサンドロフ核エネルギー研究所長をプロジェクトの総指揮官として、造船技術者と科学者の2つのチームが編成された。造船技術者チームはペレグドフ少将の指揮下で船体設計を、また科学者チームはニコライ・ドレジャーリの指揮下で原子炉設計にあたった。また11月には政府が正式にこのプロジェクトを承認し、原潜造船所の建設指揮のため、海軍総司令部のセルゲエフ大将がセヴェロドヴィンスクに派遣された[2]

1953年3月に設計草案が作成されたのち、作業はヴォルナ第143設計局(後のマラヒート設計局)に引き継がれ、1954年3月に最終設計案としてまとめられて、6月には政府により承認された。これを受けて、20の設計局、38の研究所、80以上の工場で、工作機械の製造や原図製作といった事前準備が開始された。船体建造は1955年9月24日より開始された。またオブニンスクには実験用のVM-A型原子炉が建造され、要員研修に供された。1956年3月8日に初めて起動されたが、その後140件に及ぶトラブルを生じ、多くの改設計が必要になった。これによって建造された1番艦K-3は1957年8月9日に進水した[2]

同艦の起工後まもない1955年10月22日、ソ連政府は、627型に改正を施した627A型の建造に関する極秘指令を発出した。これは航海装置の改良や行動時間の延長、安全性の改善などを図ったもので、1956年5月に第143設計局が設計案を作成、1番艦K-5は8月に起工され、1959年12月に竣工した。その後、1962年12月までに、更に同型艦11隻が建造された[2]

また1955年には、627型をもとに液体金属冷却炉を搭載した原子力潜水艦を建造することにした。これは、当時アメリカ海軍が建造していた「シーウルフ」についての情報をKGBが入手したことに伴うもので、これによって建造された645型K-27は、1963年に竣工した[2]
設計
船体

627型の船体設計は611型(ズールー型)を母体としており、船型・電気装置・機械構成などを大幅に流用している[2]。また部分的には、アメリカ海軍の「アルバコア」の要素も取り入れられた。これは涙滴型船体の先駆けとなった実験潜水艦で、公刊写真を参考にしたものであった[1]

最大潜航深度は、従来の通常動力型潜水艦と比して格段に大きく設定されたことから、船体構造材として新素材が必要となり、船舶建造省の第48中央研究所によってAK-25高張力鋼降伏耐力60 kgf/mm2)が開発された[2][注 1]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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