ノルドストリーム 1
ノルドストリーム 1の地図
位置
国 ロシア ドイツ
起点ヴィボルグ、ロシア
経由地バルト海
終点グライフスヴァルト、ドイツ
一般情報
輸送天然ガス
出資者Gazprom, E.ON, Wintershall
ノルドストリーム 2
ノルドストリーム 2の地図
位置
国 ロシア ドイツ
座標.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul{line-height:inherit;list-style:none none;margin:0;padding-left:0}.mw-parser-output .plainlist--only-child>ol li,.mw-parser-output .plainlist--only-child>ul li{margin-bottom:0}
.mw-parser-output .geo-default,.mw-parser-output .geo-dms,.mw-parser-output .geo-dec{display:inline}.mw-parser-output .geo-nondefault,.mw-parser-output .geo-multi-punct,.mw-parser-output .geo-inline-hidden{display:none}.mw-parser-output .longitude,.mw-parser-output .latitude{white-space:nowrap}北緯60度33分24秒 東経28度3分59秒 / 北緯60.55667度 東経28.06639度 / 60.55667; 28.06639 (Slavyanskaya Compressor Station)
北緯54度8分24秒 東経13度38分23秒 / 北緯54.14000度 東経13.63972度 / 54.14000; 13.63972 (Landing in Lubmin)
方向east?west?south
起点Ust-Luga, Russia
経由地Gulf of Finland and Baltic Sea
終点Lubmin near Greifswald, Germany
一般情報
輸送天然ガス
出資者
Gazprom
Uniper
Wintershall Dea
OMV
Engie
Royal Dutch Shell
運営者Nord Stream 2 AG
完成予定unknown[1]
技術的情報
全長1,230 km (760 mi)
最大流量55 billion m3/a (1.9 trillion cu ft/a)
口径1,220 mm (48 in)
圧縮ステーション数1
圧縮ステーションSlavyanskaya
ノルドストリーム(独: Nord Stream、露: Северный поток/Severny potok)は、欧州のバルト海の下をロシアからドイツまで走る海底天然ガス・パイプラインのシステムである。名称について、ノルドには「北」、ストリームには「流れ」という意味がある。 ノルドストリーム1はロシアの国営企業ガスプロムを大株主とするノルドストリームAGが所有・運営し、ノルドストリーム2はガスプロムの100%子会社であるノルドストリーム2 AGが所有・運営している。 ノルドストリーム1はロシア北西部のヴィボルグからドイツ北東部のグライフスヴァルト近郊のルブミンまでの2本のパイプラインにより形成される[2]。また、ロシア北西部のウスチ・ルーガからルブミンまでの2本のパイプラインはノルドストリーム2と呼ばれる。ルブミンでは、ノルドストリーム1は、ドイツ東部のチェコ国境にあるオルバーンハウへのOPALパイプライン
概要
ノルドストリーム1の第1ラインは2011年5月までに敷設され、2011年11月8日に開通した[3]。ノルドストリーム1の第2ラインは2011年から2012年にかけて敷設され、2012年10月8日に開通した。全長1,222km(759mi)のノルドストリーム1は、ランゲルド・パイプラインを上回る世界最長の海底パイプラインとなった[4]。
2018年から2021年にかけてノルドストリーム2の敷設が行われ[5]、2021年6月にノルドストリーム2の第1ラインが、2021年9月に第2ラインが完成した。
ノルドストリーム1の年間総ガス容量は550億m3(1兆9000億cu ft)であり、ノルドストリーム2の建設により、この容量は合計1100億m3(3兆9000億cu ft)と倍増する見込みであった[6]。しかしロシアのプーチン大統領がドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を承認すると表明したことを受けて、この決定が領土保全と国家主権の尊重という国際法の原則に反する行為であるとして、ドイツのオラフ・ショルツ首相は2022年2月22日にノルドストリーム2の認証作業を停止し、稼働していない[7]。
2022年9月26日、ノルドストリーム1のパイプライン2本とノルドストリーム2の1本が破損した[8]。調査したスウェーデンの検察当局は11月18日、爆破による破壊工作の痕跡を確認したと明らかにしたが、それ以上の情報は公表していない[9]。
ノルドストリームという名称は、ロシア国内の陸上パイプラインへの給電や、西ヨーロッパでのさらなる接続を含む、より広いパイプラインネットワークを指すこともある[10]。 2005年の時点で年間3300億m3の天然ガスを輸入していたヨーロッパは、2015年までにさらに2000億m3の上積みが必要となると予想されていた[11]。 豊富な天然ガスを産出するロシアは、ヨーロッパへの天然ガス供給の経由国でありながらたびたびロシアと衝突していたウクライナ(「ロシア・ウクライナガス紛争」を参照)とベラルーシを迂回するルートを求めていた[12]。それは安定した天然ガスの供給を求めるヨーロッパにとっても同じだった。一方でポーランドのラダスラフ・シコルスキー外相のように、公然と環境問題やエネルギーの対露依存を危惧する声もあった[13]。 しかし脱原発をはかっていたドイツにとってロシアの天然ガスは重要なものであった。2005年の協定では、独大手のBASFと露ガスプロムとの提携強化や、ユジノルスコエの天然ガス田開発への参加が盛り込まれるなど、エネルギー問題において密接な独露関係が目指されている。 エネルギーの対露依存度を下げたいEUが主導しているラインである「ナブッコ・パイプライン」のガスの供給元探しが難航しているのに対して、ロシアの国営企業であるガスプロムが推進した「ノルドストリーム」は2011年11月8日に稼働を開始し、EUへの天然ガスの供給が始まった。 沿岸5カ国のうち最後まで着工許可を出していなかったフィンランドが2010年2月12日に計画へ合意。2010年4月にノルドストリーム1の建設がスタートし、2011年11月8日に天然ガスの供給を開始し稼働した[14]。ノルドストリーム1の第2ラインに使用する鋼管の一部、110km分を日本の住友金属が受注・供給した[15]。 2021年9月10日、ガスプロムはノルドストリーム2の工事が終わり、パイプラインが完成したと発表[16]。 2022年1月31日、欧州委員会はノルドストリーム2を保留とした[17]。 2022年2月22日、ドイツのオラフ・ショルツ首相は、ロシアが「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を承認したことを受け、ノルドストリーム2計画を停止すると表明した[18]。同年3月、ノルドストリーム2AGが破産を検討しているとの報道に対し、同社は「破産申請の事実はない」と説明した[19]。 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻に対する欧米諸国のロシア制裁に反発し、ロシアはノルドストリーム1によるガス供給を大幅に削減し、保守点検を理由として8月に停止[20]。ノルドストリーム2はドイツ側の計画停止により稼働していないため、これによりノルドストリームによるヨーロッパへのガス供給は停止した。EUはこれを、ガス供給を経済的な兵器として利用したもの[21]としてロシアを非難した。
背景
進捗状況稼働開始式典の様子(2011年)