2022年ノルドストリームガスパイプ破壊工作ボーンホルム島付近のノルドストリーム1とノルドストリーム2
のパイプライン爆発の位置を示す地図2022年9月26日、ヨーロッパとロシアを結ぶ23のガスパイプラインのうちの2つ、ノルドストリーム1(NS1)とノルドストリーム2(NS2)天然ガスパイプラインで一連の水中爆発とそれに伴うガス漏れが発生した[7]。両方のパイプラインは、バルト海を経由してロシアからドイツに天然ガスを輸送するために建設され、ロシアの半国営ガス会社ガスプロムが(パイプラインの)大部分を所有している。
漏洩前、パイプラインは天然ガスで満たされていたが、ロシアのウクライナ侵攻の影響で輸送されていなかった。現地時間9月26日02時03分(CEST)、ノルドストリーム2から発生した爆発が検知された。パイプの1つで圧力低下が報告され、天然ガスがデンマークのボーンホルム島南東の水面に流出し始めた。17時間後、ノルドストリーム1の両方のパイプでも同様の爆発が起き、ボーンホルム島の北東で3つの別々のガス漏れが起きた[8][9]。影響を受けた3本のパイプはすべて動作不能となった。ロシアは、ノルドストリーム2の2本のパイプのうち1本が稼働可能であることを確認し、ノルドストリーム2を通じてガスを供給する準備が整っていると発表した[10]。漏洩は、ポーランドとノルウェーが(ノルドストリームのようにロシアからではなく)デンマークを経由して北海からのガスを運ぶ「バルチック・パイプ」を開通する前日に発生した[11][7]。漏洩場所は公海[注釈 1]であったものの、デンマークとスウェーデンの排他的経済水域内である[12]。
デンマーク、ドイツ、スウェーデンはそれぞれ別々の調査を開始した[13]。 爆発は破壊工作であると発表されたが[4][5][6]、スウェーデンとデンマークの捜査は犯人を特定することなく2024年2月に終了した[14][15]。
背景ノルドストリームのガスの流れ[16]
* ロシアは、制裁によりカナダ政府から押収された修理部品が入手できなかったとして、2022年6月に天然ガスの供給量を半分以上削減した。この部品の製作者であるシーメンスは、この部品が運用にとって重要であることを否定した[17]。
* ロシアは2022年7月11日に年次メンテナンスのため10日間ガス供給を停止し、7月21日に部分的な操業を再開した[18]。
* ロシアは2022年8月31日に3日間のメンテナンスを理由に天然ガスの供給を停止したが、後にガス供給再開の時期は提示できないと述べた。 EUはロシアが削減を正当化するために虚偽の話をでっち上げたと非難した[19]。
X 2022年9月26日にパイプラインに破壊工作が行われた[5][20]。2021年にロシアのガスを欧州に供給する既存および計画されている主要な天然ガスパイプラインには、「ヤマル・ヨーロッパ」、「ブラザーフッド」、「トルコストリーム」、「ブルーストリーム」、「ノルドストリーム」が含まれる。
2021年、ロシアは欧州連合諸国が輸入する天然ガスの約45%を供給した[21]。