この項目では、小説について説明しています。映画については「ノルウェイの森 (映画)」を、楽曲については「ノルウェーの森」をご覧ください。
ノルウェイの森
著者村上春樹
イラスト装幀:村上春樹
発行日1987年9月4日
発行元講談社
ジャンル長編小説
国 日本
言語日本語
形態上製本
ページ数268(上巻)
260(下巻)
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ISBN 4-06-203516-2(下巻)
ウィキポータル 文学
『ノルウェイの森』(ノルウェイのもり)は、村上春樹の5作目の長編小説。
1987年9月4日、講談社から書き下ろし作品として上下二分冊で刊行された[1]。上巻は、片山恭一の『世界の中心で、愛をさけぶ』に抜かれるまで、日本における小説単行本の発行部数歴代1位であった。
2010年にトラン・アン・ユン監督により映画化された。 1987年9月4日に単行本が講談社から刊行、1991年4月15日に講談社文庫として文庫化され、2004年9月9日に文庫改訂版が出された[2]。単行本にはあとがきが付されているが、文庫版には掲載されていない。 第二章と第三章は、短編小説「螢」(『中央公論』1983年1月号掲載)を下敷きにしている。また、短編小説「めくらやなぎと眠る女」(『文學界』1983年12月号掲載)も本作にまとまっていく系統の作品だが、「螢」とは違って本作との間にストーリー上の直接の関連はないという[3]。「多くの祭り(フェト)のために」というエピグラフがある。 村上は本書についてこう述べている。「この話は基本的にカジュアルティーズ(犠牲者たち)についての話なのだ。それは僕のまわりで死んでいった、あるいは失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話であり、あるいは僕自身の中で死んで失われていったすくなからざるカジュアルティーズについての話である」[4]。 主人公が神戸市出身であること、大学に入学した年が村上と同じ1968年であること、東京の私立大学で演劇を専攻していること、主人公が入っていた寮が村上も入寮した和敬塾をモデルにしていることなどから、「自伝的小説」と見られることもあるが、本人はこれを否定している[5]。 日本がバブル景気に沸く頃、1986年10月3日に村上は妻の陽子とともに日本を発った[6]。10月半ば、ギリシャのスペッツェス島に住み[7]、C・D・B・ブライアン 1987年1月から1か月間、シチリア島のパレルモで書き続け、それからローマに移動。3月7日、早朝から17時間休みなしで第一稿を深夜に書き上げた。直後の日記に「すごく良い」とだけ書き記した。3月26日、第二稿完成。4月初め、イタリアのボローニャ国際児童図書展に来た講談社の社員に原稿を手渡した。「ノルウェイの森」というタイトルがついたのはボローニャに行く2日前のことだった[11]。 本書は「雨の中の庭」というタイトルで書き始められた。このタイトルはドビュッシーのピアノ曲集『版画』[注 1]の中の一曲「雨の庭」(Jardins sous la pluie)に由来する。タイトルは原稿を版元に渡す2日前に変更された。題名に迷った村上が妻に作品を読ませて意見を求めると、「ノルウェイの森でいいんじゃない?」という返答があったという。ビートルズの曲の題をそのまま本の題にするということで、本人は当初気が進まなかったというが、周りの「題はもう『ノルウェイの森』しかない」という意見が大勢だったため今のタイトルとなった[13]。 また、村上自身は著書の中で、「ところでビートルズの“ノルウェイの森”というタイトルが誤訳かどうかという論争が以前からあって、これについて書き出すとかなり長くなります」とだけ述べている[14]。 単行本の発行部数は、2008年時点で上巻が238万部、下巻が211万部の計449万部、2009年8月5日時点で上下巻あわせて454万4400部。単行本・文庫本などを含めた日本における発行部数は2008年時点で計878万部[15]、2009年8月5日時点の増刷で1000万3400部[16]となり、国内累計発行部数は1000万部を突破した。村上人気が高い中国でも100万部以上が出版されている[17]。 本書がベストセラーになったことについて、村上はこう述べている。「小説が十万部売れているときには、僕はとても多くの人に愛され、好まれ、支持されているように感じていた。でも『ノルウェイの森』を百何万部も売ったことで、僕は自分がひどく孤独になったように感じた。そして自分がみんなに憎まれ嫌われているように感じた。」[18]。 村上自身が装幀を手がけた。赤と緑のクリスマスカラーでまとめた鮮やかなデザインが、日頃小説を読まない若い女性層の支持を呼び込み、売上に貢献したとされる[19]。最も売れた版には金色の帯が付けられたが、この金色の帯は村上の意図したものではなく、発売後しばらく経ってから出版社の意向で変えられたものである。もともと初版の帯は上下巻ともそれぞれのカバーとまったく同じ色(赤と緑)であり、金色の帯に変わったとき村上は日本にはおらず、もし相談されていたら断っていただろうと書いている。
概要
執筆の時期・背景
タイトルの由来
発行部数
装幀初版本とその帯重版本とその帯
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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