ノックス級フリゲート
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ノックス級フリゲート
UH-46によるVERTRAP(ヘリコプター機外懸吊もしくはホイスト降下による補給)中の「カーク(FF-1087)」
基本情報
種別護衛駆逐艦 (DE)
フリゲート (FF)
命名基準海軍功労者。
一番艦はダドリー・ライト・ノックス(英語版)に因む
運用者 アメリカ海軍
 ギリシャ海軍
 トルコ海軍
 エジプト海軍
 タイ海軍
 中華民国海軍
 メキシコ海軍
建造期間1965年 - 1974年
就役期間1969年 - 1994年
計画数55隻
建造数46隻
前級ガーシア級(DE/FF)
ブルック級(DEG/FFG)
準同型艦 バレアレス級
次級オリバー・ハザード・ペリー級(FFG)
要目
軽荷排水量3,020トン
満載排水量3,877→4,260トン
全長133.5→134.0 m
水線長126.5 m
最大幅14.33 m
吃水7.55 m (ソナードーム部)
ボイラーD形2胴型水管ボイラー×2缶
(84.4kgf/cm2, 538℃)
主機ウェスティングハウス蒸気タービン×1基
推進器スクリュープロペラ×1軸
出力35,000 hp (26 MW)
最大速力27ノット以上
航続距離4,300海里 (20kt巡航時)
燃料バンカー油[1]750トン
乗員士官17?20名
+下士官兵255?265名
兵装#兵装・電装要目
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ノックス級フリゲート(ノックスきゅうフリゲート、英語: Knox-class frigate)は、アメリカ海軍フリゲートの艦級。先行するブルック級(SCB-199B型)を発展させた対潜艦として、1964年度から1967年度にかけて46隻が建造された。基本計画番号はSCB-199CまたはSCB-200[2]。当初は航洋護衛艦 (DE) として類別されていたが、1975年の類別変更に伴ってフリゲート(FF)に再類別された[3]

アメリカ海軍での運用は1995年までに終了したが、多くの退役艦が中華民国海軍トルコ海軍などに売却・貸与された。また本艦をベースとして、スペイン海軍バレアレス級フリゲートが建造された。
来歴

1960年度ではブロンシュタイン級(SCB-199)が建造され、戦後第2世代の航洋護衛艦の嚆矢となった。続く1961年度からは、蒸気を高圧化して高速化を図った発展型としてガーシア級(SCB-199A)、また1962年度からはミサイル艦として設計変更したブルック級(SCB-199B)の建造が開始された[4]

しかし海軍作戦部長(CNO)は、より大型で高性能な艦を要望した。1963年12月9日、ギブス・アンド・コックス社に詳細設計が発注された。当初はガーシア級・ブルック級と同様の過給水管ボイラーを搭載する予定であったが、1964年1月、在来型の水管ボイラーを搭載するように変更されることになり、これに伴う設計変更は1965年1月までに完了した。これによって建造されたのが本級である[1]
設計マック構造とAN/SPS-40対空、AN/SPS-67 対水上レーダー

基本設計はブルック級の発展型とされており、マック構造を備えた遮浪甲板型という船型も踏襲された。ただし在来型の水管ボイラーを搭載するための設計変更に伴って船体が大型化し、大戦世代DDを超えて、米DEとしては最大の艦となった。これを補うため、中央横断面係数(Cx)は0.837から0.81に減少した。また従来の米DEは、いずれも上甲板が艦首から艦尾まで全通していたのに対し、本級では上部構造物が舷側にまで拡幅された[5]。電子機器の強化に対応して、マックも大型化された。フィンスタビライザーの搭載は踏襲されている。なお就役後、フレアの弱さと乾舷の低さのため、艦首部への青波の打ち上げが頻繁で51番砲やアスロック発射機が破損するなどの問題が生じ、1979年より、高さ1,067ミリのブルワークとスプレー・ストリップを付する改修が順次に行われた[1]。これにより排水量は9トン増加した[2]。なお主錨は、1個を艦首に装備するが、もう1個はソナー・ドーム後方の船底に設置するという特異な方式となった[5]

主ボイラーとしては、ジョン・C・バトラー級護衛駆逐艦以来使用されてきたD形2胴型水管缶を使用している。蒸気性状はガーシア級と同様、主力戦闘艦並みの圧力1,200 lbf/in2 (84 kgf/cm2)・温度510 °C (950 °F)となった。ただし上記の経緯より、同級で導入された過給水管ボイラー方式は、高いコストと複雑な構造から棄却された[6]。これにより、燃料は、ディーゼル燃料や蒸留油からバンカー油に戻された[1]。また対潜戦のパッシブ化に対応して、水中放射雑音の低減のため、プレーリー-マスカーが装備されている[2]

主機はウェスティングハウス式ギヤード・タービン、1軸推進方式は踏襲された。なお航続距離延伸の要請から、重油搭載量は750トンに増加している[2]。また電源も強化され、タービン主発電機(出力750キロワット)3基とディーゼル非常発電機(出力750キロワット)1基が搭載された[7]。機関部は、補機室(長さ9.1メートル)、缶室(長さ12.2メートル)、機械室(長さ9.1メートル)に分割されている[1]
装備
C4I

本級を含むSCB-199シリーズは、いずれも海軍戦術情報システム(NTDS)を導入しない手動式の戦闘指揮所(CIC)を基本としていた[8]。その後、1983年度より、全艦が対潜戦戦術情報システム(ASW tactical data system)を搭載した[2]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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