ノグチゲラ
ノグチゲラ Sapheopipo noguchii
保全状況評価[1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ノグチゲラ(野口啄木鳥[2]、Sapheopipo noguchii)は、鳥綱キツツキ科ノグチゲラ属に分類される鳥類。本種のみでノグチゲラ属を構成する。 日本(沖縄島北部)[2][3][4][5][6][7]固有種[8]。名護市の山林で2015年5月11日に営巣、巣立ちが確認された[9]。 全長31センチメートル[2][4][6][7]。翼長15-17センチメートル[8]。全身の羽衣は暗赤色や濃赤褐色[4][8]。背や腹部の羽衣、尾羽基部の下面を被う羽毛(下尾筒)は赤みを帯びる[4][7][8]。顔や喉の羽衣は淡褐色[3][7]。翼は暗褐色[6]。初列風切には白い斑点が入る[3][6][7]。 虹彩は褐色や赤褐色[4]。嘴は淡黄色や黄白色で、基部は青灰色みを帯びる[3][7]。後肢は灰黒色[7]。 幼鳥は頭頂の羽衣が暗褐色。また嘴は黒褐色[8]。オスの成鳥は頭頂から後頭にかけての羽衣が赤く[3][6][8]、暗褐色の斑紋が入る[7]。メスの成鳥は頭頂の羽衣が黒褐色[3][4][6][7]。 ミトコンドリアDNA内のシトクロムbの分子系統学的解析では、アカゲラ属
分布
形態
分類
生態、スダジイ、ヒメイタビ
繁殖形態は卵生。繁殖期になるとペアで4-7ヘクタールからなる縄張りを形成する[4]。直径20センチメートル以上の枯れ木に穴を空けた巣に、4-5月に1回に2-4個の卵を産む[8]。同じ木に別の巣をつくることはあるものの、同じ巣は使わない[8]。雌雄交代で抱卵し[4]、抱卵期間は約11日[8]。育雛も雌雄共に行う[4]。雛は孵化してから約27日で巣立つ[6]。 英名 Pryer's は本種の記載にあたり標本を提供したヘンリー・ジェームズ・ストヴィン・プライヤーに由来する。 種小名 noguchii はプライヤーの意向でノグチなる人物に献名されたものである[11]。1886年(明治19年)琉球諸島での採集の帰途、横浜行の広島丸で同室しているノグチがそれと思われるが、函館博物場の事務でプライヤーと交渉を持った函館県職員野口源之助が、1885年(明治18年)函館県が北海道に統合された際に退職し、通訳として同行したものとも考えられる[12]。
人間との関係