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ノウンスペース(英: Known Space)は、ラリー・ニーヴンの多くのSF作品に共通する舞台設定である。
各作品中では、人類がノウンスペース(既知空域)とよぶ用語は、一般的に地球近辺のおよそ60光年の範囲の探査済みの恒星、植民済みの惑星その他の集団を指す。また各作品が扱う時代は、人類の初期の太陽系探査から近傍の恒星系群への植民までの数千年にわたる(数十億年前の出来事に言及しているものもある)。 人類は宇宙探査の過程で、いくつかの高等な地球外生命に遭遇することになる。下記はその一覧である。なお、これらの種族名は大半が「人類側の呼び名」であり、彼ら自身が自らをそう呼ぶ「本当の名」ではないことに注意。本当の名と確認されているのはクジン人・パク人・スリント人である。
概要
種族
クジン人
好戦的で巨大な猫に似たエイリアン。人類と何度か過酷な戦争をすることになる。第一次の戦争時には人類より100年以上進んだ科学を持っており、(人類が光子を用いた反動推進を使用しているころ、クジン人は重力偏向推進を用いていた)人類側は苦戦を強いられた。しかし結局は、超光速航法を入手した人類側の勝利に終わる。なお、これらの戦争については短編集『Man-Kzin Wars 』(ほとんどの作品がニーヴン以外の著者によるもの)の発刊まではほとんど語られることが無かった。
ピアスンのパペッティア人
人類より数百年は技術的に進歩した種族である。三本足、双頭の生物で、群居性草食動物の子孫。極端に臆病なことで知られる一方で、非常に知能が高く、予想される危機に対して長期的な陰謀をめぐらし対処することもしばしば。その強大な商業帝国は多くの株式市場や政府を裏で操っており、特にゼネラル・プロダクツ製の、反物質との衝突以外では絶対に壊れない船殻は作中頻繁に登場する。パペッティアの策略はノウンスペースの多くの大事件に関与している。
アウトサイダー人
液体ヘリウムの体液を持ち、極低温の環境に生きる脆弱なエイリアン。海王星の衛星ネレイドに植民地を持っている(それより内側の天体は彼らには暑すぎて生存に適さず、それより大きな天体は、彼らには重力が強すぎる)。深宇宙にまで旅をし、交易品としてさまざまな情報を売っている。科学技術はパペッティア人さえも凌ぐほど発達しており、人類は超光速航法を彼らから購入し、パペッティア人は無反動推進技術を購入した。彼らは星間種子(スターシード)と秘密のつながりがある。
パク人(プロテクター)
人類と類縁関係にある異星人。人間の老化に伴う様々な現象は、パク人の生涯において重要な役割を果たしていたプロテクターへの変化のなごりである。リングワールドを建設するほど技術的に進んでおり、プロテクターに限れば、知能も極めて高い。但しパク人の数学体系では超光速航法を独自に開発することは不可能だった。
クダトリノ人
クジン人の奴隷種族だったが、人類によって解放された。視覚を持たない生物で、イルカやコウモリと同じく超音波を用いたレーダー感覚でものを「見」る。また、他のクダトリノ人にはレーダー感覚で「見せ」、人類には触れて感じさせ、パペッティア人には舌の触感で感じさせる彫刻を作る。
スリント人(スレイヴァー族)
太古(十五億年前)に絶滅した種族。かつてテレパシーによるマインドコントロールで他の知的種族を奴隷化し、それによって銀河系を支配していた。それゆえノウンスペースではスレイヴァー(奴隷使い)族という通称で呼ばれる。ところが、すべてを(考えることすら)奴隷任せにした結果、自らの知能を退化させてしまった。最終的には奴隷種族の反乱に合い、反撃して奴隷を全滅させたが、退化した知能では奴隷無しに文明を維持できず、自滅する形で滅びた。
トゥヌクティプ人
スリント人と同時期の小柄な肉食の種族。優れた科学技術、特に生物工学で知られる。スリント人にテレパシーで奴隷にされていたが、後に反旗を翻し、銀河全域に及ぶ闘争の果てに、刺し違えの形で滅んだと思われる。
バンダースナッチ
体重80tに達する、巨大な白いナメクジのような人工生物。元々はトゥヌクティプ人がスリント人の食料源として作り出したもの。