ノイズ
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「ノイズ」のその他の用法については「ノイズ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ノイズ (: noise) とは、処理対象となる情報以外の不要な情報のことである。歴史的理由から雑音(ざつおん)に代表されるため、しばしば工学分野の文章などでは(あるいは日常的な慣用表現としても)音以外に関しても「雑音」と訳したり表現したりして、音以外の信号等におけるノイズの意味で扱っていることがある。映像に関連する文脈では雑像とも呼ばれる[1]西洋音楽では噪音(そうおん)と訳し、「騒音」や「雑音」と区別している。
ノイズの例

情報の形態・分野によりノイズの具体的な例は様々である。
音響分野一般
うるさい音、騒音
録音技術分野
音声録音をする上で障害となるサウンド成分以外のうち、上記以外の雑音。代表的なものに、マイクロフォン電気楽器ピックアップの音が巡回して起こるハウリングノイズ、録音機材が電源蛍光灯などからも音として拾ってしまう「バズノイズ」や、スイッチング電源に由来する「スイッチングノイズ」や「リップルノイズ」などがある。その他録音テープ媒体で録音再生に伴って発生する高域の雑音である「ヒスノイズ」、歌手の発声時に、マイクロフォンで拾ってしまう音声以外の音である「リップノイズ」などが挙げられる。また、吹き替えやアフレコの分野において台本をめくる音を「ペーパーノイズ」という。「ポップノイズ」は、パフッ、ボフッという音全般を指し、回路[要曖昧さ回避]の切り替え(スイッチング)によるものと、マイクロホンがヒト吐息を拾う場合の両方に用いる。
映像分野
電波障害や受信感度が悪いとき、または古いビデオテープを再生した際に発生する画面のちらつき。最近ではデジタルカメラの固体撮像素子に生じるノイズや、非可逆圧縮において特に知覚できる元信号との差異によるノイズ(モスキートノイズブロックノイズといった映像の荒れ)もある。
工学分野(特に電子工学制御工学など)
機器の動作を妨げる余計な電気信号。⇒ノイズ (電子工学)
機械学習分野
学習したいものとは別の余計なデータ。
天文学分野
観測をする上で障害となる人工的あるいは観測目的以外の(自然的理由で発生している)周波数の電磁波
生活・人間関係の分野
集中を妨げる、あるいは判断に迷いを生ずるような他人の言動、社会的圧力。
統計学分野
統計上一般的に存在し得ない、特定の数値・見解が、統計対象の一部において過大・過少の発生があり、その結果として当該統計の信頼性に影響を及ぼすもの。
特別支援教育分野
障害のある子どもにとって、障害そのものを含めた学習行動を行う上での阻害要因のこと。広義には、上述の「生活・人間関係の分野」にある、「集中を妨げる」何かしらの要因(障害のある子ども本人の手や服の汚れ(絵具などの付着を気にする)等)も含まれる。あるいは、ルビンの杯で、2つの側面の1方しか見いだせない、いわゆる「図-地知覚障害」についても、「ノイズ」の一種とされる。なお、騒音そのものが「ノイズ」となる子どもが利用するヘッドホン型のノイズカッターとして、イヤーマフなどがある。また、言語障害の観点でみると、以下に記述された「心理学・カウンセリングの分野」の内容も該当する。このため、特別支援教育分野で「ノイズ」という用語を利用する場合は、かなりの広範囲の意味を有する。
心理学分野
コミュニケーションを妨害するあらゆるものを「ノイズ」と定義し、「物理的ノイズ」、「心理的ノイズ」、「意味的ノイズ」の3つに分類される[2]。「物理的ノイズ」とは、騒音などを指し、「心理的ノイズ」は送り手のメッセージの記号化(生成)あるいは受け手側の記号解読(解釈)を妨害する心理的な原因を指し、さらに「意味的ノイズ」はお互いが共通理解していない表現や言葉のもたらす妨害により、送り手の記号化と受け手の記号解読にずれを生じさせる意味的要因を指す。
ノイズの色

ノイズのスペクトルは様々だが、そのうち周波数パワースペクトル密度 (PSD) とが両対数線形関係にあるいくつかの種類のノイズには、カラースペクトルからのアナロジーで、いくつかの分類する名前がある(カラードノイズ)。
ホワイトノイズ
PSDが周波数に関わらず一定。
ブラウンノイズ(レッドノイズ)
PSDが周波数の2乗に反比例。なお、「ブラウン」は茶色ではなく人名ロバート・ブラウンブラウン運動の発見者でもある)から。
ピンクノイズ(1/fノイズ)
PSDが周波数に反比例。ホワイトとレッドの中間であることからピンクと呼ばれる。
ブルーノイズ
PSDが周波数に比例
バイオレットノイズ
PSDが周波数の二乗に比例。
SN比詳細は「SN比」を参照

信号の量を雑音の量で割ったを、SN比と呼ぶ。それぞれの「量」は分散電力)で定義される。

SN比が高ければデータ伝送に対するノイズの影響は小さい。低ければ、ノイズの影響が大きく、通信効率が悪くなる。
測定機器の雑音

物理量を測定する機器の雑音は測定値の小さな変動の原因となる。連続測定ではラインの変動として現れる。信号を増幅しても雑音も増幅されるので信号が雑音に比して十分大きくない場合には信号が分かりにくくなり、測定機器の感度を制約する要因になる(「感度」の項目の「検出限界」「機器の雑音と検出限界との関係」を参照)。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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