ネビュラ賞_長編小説部門
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ネビュラ賞 長編小説部門
受賞対象前年に出版された40,000語以上の長さのSFまたはファンタジーの小説で、最も優秀な作品を投票により選出する。
主催
アメリカSFファンタジー作家協会
初回1966年
最新受賞者R・F・クァン (Babel)
公式サイト ⇒http://www.sfwa.org/nebula-awards/

ネビュラ賞 長編小説部門(Nebula Award for Best Novel)は、アメリカSFファンタジー作家協会 (SFWA) がサイエンス・フィクションおよびファンタジーの小説から、最優秀作品を選出するネビュラ賞の長編小説部門(規定は後述)。1966年から毎年授与されている。

「アメリカのSFの賞の中でも最も重要な賞」とされており、「SFとファンタジーにとってのエミー賞」とも呼ばれている[1][2]

ノベル部門/ノヴェル部門や、長篇小説部門と表記されることもある。
概要

対象となるのは、英語で書かれたか英語に翻訳され、前年にアメリカ合衆国内で紙書籍として出版されたかインターネット上で公開された、SFまたはファンタジー小説である。40,000語以上の長さの作品が対象で、それより短い作品は短編小説部門中編小説部門中長編小説部門で扱う。以前にもっと短い形で発表され、対象期間内に長編化された作品も対象となる。また、中長編に該当する長さの作品でも、著者が長編部門での選考を希望すれば長編部門で扱う[3]

候補作と受賞作はSFWA会員によって選ばれるが、著者がSFWA会員である必要はない。毎年11月15日から翌2月15日までにSFWA会員が推薦を行い、最も多く推薦を受けた6作品を最終候補作とする(推薦者数が同数の場合は6作品より多くなることもある)。自作を推薦することは禁止されている。そして3月中に会員が投票を行い、5月に授賞式が開催される。最終候補作品への投票でトップが同数の票を獲得した場合は、推薦者数で受賞作を決定する[3]

このようなルールになったのは2009年の賞からである。それ以前は、作品の出版日から1年間は推薦可能とされていたため、出版された年にノミネートされ、翌年にもノミネートされて受賞するということも可能だった。かつては10人以上から推薦されると最終候補作品リストに掲載され、そこから投票で受賞作を選んでいた。また、SFWAの組織委員会が候補作品を追加することも許されていた[4]

2012年時点で47回の選考で、159人の作家(共著者を含む)の作品がノミネートされ、35人が受賞している(同時受賞も含む)。長編部門を最も多く受賞しているのはアーシュラ・K・ル=グウィンで、2012年時点までに6回ノミネートされ、4回受賞している。ジョー・ホールドマンは4回ノミネートされ、3回受賞している。2回受賞した作家は8名いる。ノミネート回数はジャック・マクデヴィットジーン・ウルフがそれぞれ10回と最多で、2人とも1回受賞している。フィリップ・K・ディックポール・アンダースンはともに5回ノミネートされているが、受賞は逃している。
受賞作とノミネート作一覧

下記の表において、書かれている年は授賞式が行われた年であり、作品が出版された年(前年、もしくは前々年のこともある)ではない。背景が青で作者名の後ろにアスタリスク (*) がある行が受賞者/受賞作品で、作者名の後ろにプラス記号 (+) があるのは同点による同時受賞を示している。背景が白い行は、最終候補作品を示している。

  *   受賞者および(共著による)共同受賞者  +   (同点による)同時受賞者

年作者作品名
1966年
[5]フランク・ハーバート*『デューン/砂の惑星』Dune
クリフォード・D・シマックAll Flesh is Grass
シオドア・L・トーマスThe Clone
ケイト・ウィルヘルム
フィリップ・K・ディック『ドクター・ブラッドマネー―博士の血の贖い―』(別題『ブラッドマネー博士』)Dr. Bloodmoney
ジェイムズ・ホワイトThe Escape Orbit
トマス・M・ディッシュ『人類皆殺し』The Genocides
ウィリアム・S・バロウズ『ノヴァ急報』Nova Express
キース・ローマーA Plague of Demons
アヴラム・デイヴィッドスンRogue Dragon
G. C. EdmondsonThe Ship That Sailed the Time Stream
ポール・アンダースンThe Star Fox
フィリップ・K・ディック『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』The Three Stigmata of Palmer Eldritch
1967年[6]サミュエル・R・ディレイニー+『バベル-17』Babel-17
ダニエル・キイス+『アルジャーノンに花束を』Flowers for Algernon
ロバート・A・ハインライン月は無慈悲な夜の女王』The Moon Is a Harsh Mistress
1968年[7]サミュエル・R・ディレイニー*『アインシュタイン交点』The Einstein Intersection
ピアズ・アンソニイChthon


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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