ネットワークビジネス
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「MLM」はこの項目へ転送されています。ロシアの宇宙モジュールについては「多目的実験モジュール」を、男性を愛する男性(man-loving-man)については「ゲイ」をご覧ください。

連鎖販売取引(れんさはんばいとりひき)とは、特定商取引法第33条で定義される販売形態のこと。日本では俗称としてマルチ商法などと呼ばれ、別途法律で禁止されている無限連鎖講(いわゆる、ねずみ講)と近接する事例も多い。英語では"Multi-level marketing"(マルチ、マルチレベルマーケティング、MLM)あるいは"network marketing"(ネットワークマーケティング)と呼ばれる。Multi-level marketingは(マーケティングのシステムではなく)多段階報酬システム、network marketingは販売システムと使い分けていることがある[1]

連鎖販売取引と無限連鎖講(ねずみ講)は双方とも適用する法律が異なっており、「連鎖販売取引」の商材の価値が販売価格と大きくかけ離れているような場合、形式的に「連鎖販売取引」の形をとっていたとしても、無限連鎖講と判断されることがある(無限連鎖講については「無限連鎖講の防止に関する法律」参照)。連鎖販売取引の構図

特定商取引法の規制対象であり、連鎖販売取引の際には、事前に勧誘者の氏名・一般連鎖販売業者の氏名を名乗り、その勧誘に関わる商品・役務の種類などを告げなる義務がある。違反すると特定商取引法違反(連鎖販売取引の禁止行為:6ヶ月以下の懲役又は100万円以下の罰金又はこれらの併科)に当たる。更に、勧誘の際・契約の締結後、その解除妨害のために、商品の品質・性能など、特定利益・特定負担・契約解除の条件、その他の重要事項について事実を告げないこと、あるいは事実と違うことを告げることなどが禁止事項に定められている[2]。日本ではマルチ商法に関する相談は、消費者ホットライン188番でできるようになっている[2]
概説

訪問販売等に関する法律(1976年施行、現在は「特定商取引に関する法律」と改称)で、いわゆるマルチ商法とよばれるものが、一定の範囲で「連鎖販売取引」として法的に定義づけられ規制されることになった。その後、定義要件が拡大し、規制強化の流れで法改正が行われた。

現在、特定商取引に関する法律(特定商取引法)で、連鎖販売取引は実質禁止といってもいいほど厳格に規制されている。

特定商取引法で、以下のような条件を全て満たす販売取引が連鎖販売取引とされる。
物品の販売(または役務の提供等)の事業であって

再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を

特定利益(紹介料や販売マージン、ボーナス等)が得られると誘引し

特定負担(入会金、商品購入費、研修費等の名目で、何らかの金銭的な負担)を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの

一般的な商品流通とは異なり、購入者が新たな購入者を勧誘し、その相手に販売することで手数料を得るという形が、多段階式に連鎖していくことから名づけられる。

システムは多様である。組織の本部が個別の加入者との連鎖販売取引を行う「集中型」、直近の上位ランクとの間で連鎖販売を行う「順次取り次ぎ型」の他、商品販売とあっせんに係る取引が混在しているものなど取引の形態は多岐にわたる。上位者がその下部が行った商品流通又は役務提供の成果の一部を受け取る仕組みを持つのが一般的だが、勧誘や販売の実績等で、報奨金の増減や加入者のランクが変動する仕組みを取り入れているところも多い。

連鎖販売業は組織の加入者に着目したものであり、組織全体を一つの連鎖販売業として捉えるものではないことには注意が必要である。

悪徳業者(企業)の中には、個々人に対して、実質的に無限連鎖講に類する行為を行ったり、商品の性能や品質の誇張、また「簡単に儲かる」といった、安易に収入になることを強調したセールストークを用いたり、(長時間にわたって)勧誘し市場価格より高額な値段の商品を販売したりする者も依然存在し、契約に際して各地の消費生活センター国民生活センターへの問い合わせ・相談が相次いだ。ちなみに2003年(平成15年)の国民生活センターへの苦情により、法整備の重要性が見直され、2004年(平成16年)に改正された特定商取引法では次のような規制がなされている。

契約締結前や契約締結時の書面交付の義務付け

広告への一定事項の表示の義務付けや誇大広告の禁止

不適切な勧誘行為(不実告知、威迫困惑行為等)の禁止

クーリングオフは20日間(一般の訪問販売は8日間)

中途解約権の付与

ビジネスを提供する連鎖販売企業側のディストリビュータ(分配者の意。販売員、販売代理店、販社などとも呼称される)に対する教育の欠如、違法・問題行動の黙認等があった場合のことを加味すると、連鎖販売網全体の円滑な流通を監督する経済産業省の現行の不十分な監視体制下では、今後も問題視される企業が現れる可能性を拭えない。

下位者の支払った金品を上位者が分配するねずみ講無限連鎖講)と同様に、連鎖販売取引においても勧誘販売の成果及びポジションに応じて報酬を受けるという共通点がある。

組織的には以下の2形態がよく知られている。

ピラミッド型の組織となりピラミッドの頂点に連鎖販売企業、その下に上位から裾野が広がるディストリビュータ組織が形成されていくシステム(先の例では問屋のみが連鎖販売企業から購入ができるシステム)。

構造はピラミッド型をしていながら、全ての人が連鎖販売企業とつながっており、情報の取得や商品の購入ができるシステム。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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