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ネットワークオーディオとは、音楽を聴く手段としてネットワークで接続されたオーディオ機器を用いる形態・概念。ネットオーディオと略されることもある。 デジタル音声データを再生するために機器を接続する方法の一つであり、サーバー(音源)・プレーヤー(再生)・コントローラー(操作)等を家庭内などのLANやインターネットを介して接続して構築される。 パソコン・タブレット・スマートフォンなどのネットワーク機器の普及に伴い、CD・SACDなどの既定メディアを使用せずリモートのデジタル音声データを再生する方式として2000年代後半以降に広まった[1]。 PCやNASといったPC関連機器やDLNA対応のオーディオ機器を使用するのが一般的であるが、Wi-Fiや移動体通信を介してスマートフォンやポータブルオーディオでも接続できる。PCオーディオと使用する機器が被ることが多いものの、通常利用においてPCは必ずしも必要でない[2]。 1988年にソニーは初のワイヤレスモデルであるウォークマンWM-505を発売し、1990年にはワイヤレスでの本体操作を実現したWM-805を発売。以降、後継モデルを順次発売してワイヤレスウォークマンの開発で培われた技術を応用して双方向リモコンユニットを開発、1997年に発売されたMDピクシーDHC-MD919とDHC-MD717のオプションとして用意された。1998年にはソニーから発売されたAVプリアンプTA-E9000ESにて双方向リモコンユニットが標準で付属していた。 ソニーが発売した双方向リモコンユニットは、本体操作のみならず本体の再生状況もリモコンユニットのタッチパネルにて表示が可能である。この頃から「コントローラーの独立」による高音質化が既に確立されていた。 2000年代に入ると、iPodの登場によって音楽ファイル再生方式がデファクトスタンダードになる。当時のオーディオ業界ではファイル再生が一般的ではなく、ディスク再生やレコード再生が主流であった。 しかし、iPodの登場で危機感を抱いたオーディオメーカー各社は有線LAN接続によるネットワーク機能を搭載したオーディオ機器やPCとUSBで接続するUSB-DACを発売するようになり、ほぼ同時期に登場したUPnPが広く使われるようになった。 また、メーカー各社が賛同してUPnPベースのネットワーク規格「DLNA」を立ち上げた。2006年にコントローラーの概念を加えたDLNAバージョン1.5を発表し、ネットワークオーディオの原型が提案された。 2007年にLINNがKLIMAX DSを発売。ほぼ同時期にiPhoneが発売されたことで、iPhoneにインストールされたコントローラーアプリを使用しての本体操作が可能になった。これにより、サーバー・プレーヤー・コントローラーの三角関係が成立したことで「ネットワークオーディオ」という用語が確立される。 日本国内では、iPhoneの発売が2008年であったことや、無線LANの認可が下りる必要性があったことから、ネットワークオーディオプレーヤーが発売されたのは2010年以降となった。 2010年にNTTドコモはTwonkyを開発するパケットビデオを買収。翌年以降のドコモのスマホやタブレット端末にTwonkyが標準でプリインストールされるようになった。 2010年代半ばに入ると、ネットワークオーディオプレーヤーの高性能化と音楽配信サービスの普及によって、従来からのCD品質から、DVDオーディオないしSACD品質の音楽データのダウンロードやストリーミングが可能になり、ネットワークオーディオプレーヤーもハイレゾやDSDに対応するようになった。 しかし、オーディオメーカーがハイレゾやDSD対応を優先的に行った結果、本来ネットワークオーディオに求められていた導入敷居やプレイリスト管理が蔑ろにされた。特にDLNA対応機器では問題点を露呈しており、NTTドコモの機種にプリインストールされたTwonkyは当初iPhoneの対抗策とみられたものの、Twonky自体はお世辞にもアプリとしての完成度が高いとは言えなかった。結果的に社内やユーザーからの反発に耐えきれなくなったドコモは販売戦略の変更を余儀なくされ、ツートップ戦略や2013年のiPhone販売に踏み切ることになる。
概要
歴史
前史
ネットワークオーディオの確立
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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