「鼠」はこの項目へ転送されています。漢字の部首については「鼠部」をご覧ください。
この項目では、動物について説明しています。その他の用法については「ねずみ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ドメイン:真核生物 Eukaryota
界:動物界 Animalia
門:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
綱:哺乳綱 Mammalia
目:ネズミ目(齧歯目) Rodentia
亜目:ネズミ亜目 Myomorpha
上科
ネズミ上科 Muroidea
トビネズミ上科 Dipodoidea
ヤマネ上科 Gliroidea
ネズミ(鼠)は、哺乳類ネズミ目(齧歯目)の数科の総称である。ハツカネズミ、ドブネズミ(ペットとしてはファンシーラット)など、1300種[1]あるいは1065-1800種[2]が含まれ、一大グループを形成している。英語では大型のものを「Rat」、小型のものを「Mouse」と呼ぶ。 ネズミのほとんどが夜行性である。また、ネズミの前歯は一生伸び続けるというげっ歯類の特徴を持っているため、常に何か硬いものを(必ずしも食物としてではなく)かじって前歯をすり減らす習性がある。硬いものをかじらないまま放置しておくと、伸びた前歯が口をふさぐ形になり食べ物が口に入らなくなってしまい餓死してしまう。 世界中のほとんどあらゆる場所に生息している。ネズミ上科のほとんどの種が、丸い耳、とがった鼻先、長い尻尾といった、よく似た外観上の特徴をもち、外観から種を見分けることは難しい。このため、頭骨や歯によって識別がなされている。 繁殖力が旺盛である。ハツカネズミなどのネズミは一度の出産で6-8匹生むことが出来、わずか3-4週間程度で性成熟し子供が産めるようになる。 古い分類では、ネズミ亜目の総称とされていた[3][1][2]。ただし、ネズミ亜目の分類は当時から変化し、現在のネズミ亜目はかなり異なる。あるいは狭義にはネズミ上科[1][4]、さらに狭義にはネズミ科[1][5]の総称ともされる。 広義に取った場合、古い分類でネズミ目ネズミ亜目に分類されていた3上科9科が含まれる。これは現在の分類では、ネズミ亜目の2上科8科とリス亜目の1科に分類される(いずれも、科数は分類により若干増減する)。
形態および生態
分類スナネズミ Mongolian gerbilファンシーラット
旧ネズミ亜目
ネズミ亜目 Myomorpha
ネズミ下目 Hystricomorpha
ネズミ上科 Muroidea
ネズミ科 Muridae - クマネズミ、ドブネズミ(ファンシーラット)、ハツカネズミ、アカネズミ、アレチネズミ、スナネズミ など
アシナガマウス科 Nesomyidae - アフリカオニネズミ など
キヌゲネズミ科 Cricetidae - キヌゲネズミ、ハムスター、ミズハタネズミ、ハタネズミ など
メクラネズミ科 Spalacidae - メクラネズミ、タケネズミ など
ヨルマウス科 Calomyscidae
トビネズミ上科 Dipodoidea
トビネズミ科 Dipodidae - トビネズミ、トビハツカネズミ、オナガネズミ
リス亜目 Sciuromorpha の一部
ヤマネ下目 Glirimorpha
ヤマネ上科 Gliroidea
ヤマネ科 Gliridae - ヤマネ、トゲヤマネ、サバクヤマネ
現在のネズミ亜目には、以前はリス亜目に分類されていた、ホリネズミ科・ポケットマウス科・ビーバー科・ウロコオリス科・トビウサギ科も含まれるが、これらは通常、ネズミとされない。
ヤマネ科は、古い分類ではネズミ亜目とされ、ネムリネズミの異名もあり、ネズミに含められてきた[3]。しかし、現在の分類ではリス亜目であり、標準和名に「ネズミ」が入ってないことも相まって、ネズミとしないことも多い。 ネズミ亜目の残りや、近縁なヤマアラシ亜目にも、和名に「ネズミ」が含まれる種が散見され、俗に「ネズミ」と呼ばれることがある。ただし、解剖学的にはネズミ亜目と異なる点もあり、生物学的な観点からは「真のネズミではない」とされる[2]。ただし、ホリネズミ科をネズミに含めることがある[6]。 和名に「ネズミ」を含む主な種は以下の科に含まれる。分類群は関連するもの以外は省略。
その他の「ネズミ」
ネズミ目
ネズミ亜目 Myomorpha
ネズミ下目(狭義のネズミ亜目) Myodonta
ネズミ上科 Muroidea ※真のネズミ
トビネズミ上科 Dipodoidea ※真のネズミ
ビーバー下目(ビーバー亜目) Castoriomorpha
ホリネズミ上科 Geomyoidea
ホリネズミ科 Geomyidae - ホリネズミ
ポケットマウス科 Heteromyidae - ポケットネズミ、カンガルーネズミ など
ヤマアラシ亜目 Hystricomorpha
ヤマアラシ下目 Hystricognathi
テンジクネズミ小目 Caviomorpha
デグー科 Octodontidae - コルロネズミ
チンチラネズミ科 Abrocomidae - チンチラネズミ
テンジクネズミ科 Caviidae - テンジクネズミ(モルモット)
アメリカトゲネズミ科(アメリカトビネズミ科)Echimyidae - アメリカトゲネズミ、ギアラトゲネズミ など
フィオミス小目 Phiomorpha
ヨシネズミ科 Thryonomyidae
アフリカイワネズミ科 Petromyidae
デバネズミ科 Bathyergidae - ハダカデバネズミなど
さらにこれら以外でも、顕著な外見上の特徴(ヤマアラシのような)がない、チンチラなどの小型種はいずれも、漠然とネズミと呼ばれることがある。また、カピバラやフーティアのような(ネズミ目としては)大型動物でさえ、「巨大なネズミ」と表現されることもある。