「ネズミの相談」(ネズミのそうだん)は、寓話のひとつ。イソップ寓話とされることが多いが、古いテクストには見られない。ペリー・インデックスは614番。
英語では bell the cat というイディオムになっており、「他人が嫌がる中で進んで難局に当たる」という意味である。日本語ではこの英語の言葉を翻訳した「猫の首に鈴をつける」という成句でも知られる。
出典日本で1894年に出版されたラ・フォンテーヌ寓話詩の挿絵。梶田半古画[1]河鍋暁斎画「伊蘇普物語之内鼠の会議の話」
この話は15世紀末にヴェネツィアで出版されたアブステミウス (Laurentius Abstemius) (イタリア語でアステーミオとも)の寓話集である『百話集』(Hecatomythium)に見られる[2]:224。日本の江戸時代の『伊曽保物語』には下巻第17「鼠の談合の事」としてこの話を収めるが[2]:222-224、アブステミウスのものよりかなり内容が詳しいため、アブステミウスが出典ではないかもしれない[3]:43-44。ほかに『為愚痴物語』(1662年刊)では長文の物語に、『うかればなし』(1682年頃)では笑話に直されている[3]:33。
17世紀イギリスのロジャー・レストレンジ(英語版)による寓話集やラ・フォンテーヌの寓話詩にはアブステミウス集から採録している[2]:224。
明治以降の国定教科書に繰り返し取り上げられた話の一つである[2]:272。 ネズミたちは、いつも猫のためにひどい目にあわされていた。何とかしようとネズミたちが集まって相談し、その中の一匹が、「猫が来たらすぐわかって逃げられるよう、猫の首に鈴を付けよう」と提案する。皆は名案だと喜んだが、では誰が猫に鈴を付けに行くのかという段になると、誰もその役を買って出る者はおらず、ネズミたちは猫に怯えて暮らすしかなかった。 いくら素晴らしい案でも、実行できなければ絵に描いた餅であり、無意味である。
あらすじ
教訓
脚注^ “Conseil tenu par les Rats”
^ a b c d 小堀桂一郎『イソップ寓話』講談社学術文庫、2001年(原著1978年)。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4061594958。
^ a b 伊藤博明「「猫の首に鈴をつける」(1) : アステーミオ『百話集』をめぐって」『埼玉大学紀要 教養学部』第46巻第1号、2010年、31-60頁、doi:10.24561/00015831。
関連項目
アイソーポス(イソップ)
表
話
編
歴
イソップ寓話
主な作品
アリとキリギリス
ありとはと
泉のほとりの牡鹿とライオン
田舎のネズミと町のネズミ
犬と肉
ウサギとカメ
嘘をつく子供
馬と鹿
馬をうらやんだろば
エチオピア人を白く洗う
老いたライオンと狐
王様を求めるカエルたち
狼と鶴
雄鶏と宝石
蛙と牛
ガチョウと黄金の卵
からすときつね
カラスと水差し
狩人と樵
北風と太陽
狐と鶴のご馳走
虚飾で彩られたカラス
金の斧
熊と旅人
3本の棒
塩を運ぶろば
獅子の分け前
すっぱい葡萄
大山鳴動
鳥と獣とコウモリ
ネズミの相談
ねずみの恩がえし
農夫とその子どもたち
バッタを捕まえる少年とサソリ
ほら吹き
ライオンの皮を着たろば
ろばを売りに行く親子
映像作品
まんがイソップ物語 (アニメ映画)
まんがイソップ物語 (テレビアニメ)
関連項目
ペリー・インデックス
パエドルス
バブリオス
マリー・ド・フランス
ラ・フォンテーヌ
クルイロフ
通俗伊蘇普物語
カテゴリ