ネスカフェ
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2014年9月1日より使用されているネスカフェの現行ロゴ

ネスカフェ (Nescafe) は、ネスレが世界的に製造して販売するコーヒー製品の商標である。NestleとCafeを合わせた造語で、1938年以降販売されているインスタントコーヒーが広く知られる。

ブラジル政府のコーヒー豆生産過剰対策として製品化を要請されたネスレが1930年から開発に着手し、1937年に加熱によるスプレードライ製法でのインスタントコーヒー製品化に成功した。1938年4月1日スイスで最初に提供開始され、すぐにフランスイギリスアメリカ合衆国へ輸出された。日本ではネスレの日本法人であるネスレ日本が製造販売する。

中東では、伝統的な製法によるコーヒーとヨーロッパ由来の製法によるコーヒーとを峻別し、インスタントコーヒーをNescafeと呼称するところも多い。

2014年9月1日より順次ブランドロゴが一新された。Fの後のEの部分のアクセントが赤に変更される。
日本

1953年にコーヒーの輸入が再開されてネスカフェも輸入開始される。1960年に作家北杜夫が『どくとるマンボウ航海記』冒頭の文中に登場させる。当時、不二家などの国産食品メーカーが競合する類似商品を相次ぎ発売するも、ネスカフェは「モトのかかったブレンドです」と品質面をアピールする。

1966年姫路工場[注 1]で日本国内生産を開始して「世界中どこでも、ネスカフェ」と世界共通ブランドであることをアピールする。のちに、オリジナル「ネスカフェ」を「ネスカフェ・エクセラ」へ改称し、ネスカフェのロゴ書体を変更する。パッケージデザインは一貫して円柱型で、黒基調のラベルに白の "NESCAFE" ロゴが特徴である。

1980年代末期には、大塚ベバレジと提携して缶コーヒーシリーズ発売など製品バリエーションを拡大[注 2]する。

カフェレストラン「Cafe NESCAFE」の首都圏近畿地方での展開や東名高速道路海老名サービスエリア(下り)店舗など、業績拡大が図られている。

2019年に「ネスカフェ 睡眠カフェ」常設店舗を品川の大井町で開設した。
現行商品

(2023年8月現在)

レギュラーソリュブルコーヒー(
インスタントコーヒー。ネスレ日本は「当社の製品はインスタントではなくレギュラーソリュブルである」と主張し日本インスタントコーヒー協会から脱退している。)

ネスカフェ エクセラ(バリスタ専用版含む)

ネスカフェ ゴールドブレンド(オリジナル・コク深め・香り華やぐ・カフェインレス〈旧・ゴールドブレンド 赤ラベル〉・アイスコーヒー〈夏季限定〉)

ネスカフェ 香味焙煎(豊香・柔香)

ネスカフェ プレジデント(2015年8月にいったん販売終了したが2016年9月1日より販売再開)

ネスカフェ ロースタリー ダークロースト


ネスカフェ クラシックブレンド(インスタントコーヒー)

上記“レギュラーソリュブルコーヒー”とは異なり、一般的なインスタントコーヒーである。「エクセラ」発売以後、個別企業が「ネスカフェ クラシック」を製造地のインドネシアなどから輸入して販売するケースが相次いでいたことを受け、ネスレ日本が正規グループ企業として輸入・販売に踏み切り、並行輸入をほぼ一掃した。しかし近年アジア地域でコーヒーの需要が増大し、日本への輸出分確保が困難になったことから、以降味を再現させ日本国内の工場で生産・販売している[1]


ミックスタイプ・カップタイプ

ネスカフェ エクセラ

ネスカフェ ゴールドブレンド


ポーションタイプ

ネスカフェ エクセラ

ネスカフェ ゴールドブレンド


ボトルタイプ

ネスカフェ エクセラ

ネスカフェ ゴールドブレンド


ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ(コーヒーマシン〈電気コーヒー沸器〉)

ゴールドブレンド バリスタ i(現在はレンタル専用)

ゴールドブレンド バリスタ 50(2代目)

ゴールドブレンド バリスタ シンプル

ゴールドブレンド バリスタ Duo

ゴールドブレンド バリスタ Duo+(レンタル専用)

ゴールドブレンド バリスタ W


ドルチェグスト(コーヒーマシン)

Circolo サーコロ

Piccolo ピッコロ

Piccolo Premium ピッコロプレミアム

MD9741

カフェバラエティ(カプセル)


ネスカフェ ゴールドブレンド アイスクレマサーバー

ネスカフェ ゴールドブレンド ハンディ アイスクレマサーバー(輸入元はタカラトミーアーツ

ゴールドブレンド

1967年、日本での販売を開始する。ネスカフェの上級ブランドで欧州諸国では1965年に発売済みであり、当時は最高の抽出技術とされるフリーズドライ製法で作られた商品である。「エクセラ」の黒色キャップとラベルに対し金色のキャップとラベルを採用し、CMでは「違いがわかる男の、ゴールドブレンド」のキャッチコピーとともに各界著名人を起用して、“通が選ぶブランド”のイメージを醸成させている。

キャッチコピーは1990年代以降、「上質を知る人の(以下同文)」と「違いを楽しむ人の、ネスカフェ・ゴールドブレンド」(太字部分追加)が用いられ、2010年以降は24年ぶりに「違いがわかる男」ならびに「違いがわかる人」が復活している。

使用曲は、小田和正出演時に小田楽曲使用の例外を除き、八木正生作曲伊集加代子「ダバダー」のスキャットでおなじみの「目覚め―ネスカフェ・ゴールドブレンドのテーマ」である。

エクセラ同様、製法とともに、パッケージデザインも丸みを帯びた直方体からほぼ完全な直方体へ変化している。カフェインを97%カットした商品名「カフェインレス」の「赤ラベル」もラインアップしている。

1989年9月には「フリーズアロマキープ製法」を採用、のちに2000年9月には「連続アロマティックドリップ製法」、2003年9月には「新連続アロマティックドリップ製法」を採用して上質な香りを大切に封じ込めた。

2012年9月には「連続抽出式アロマキープ製法」を採用するリニューアル(例:「ゴールドブレンド」のロゴを1993年秋頃のロゴイメージに変更)と同時に缶コーヒー化された。発売当初はオリジナルのブレンドコーヒー(低糖タイプ)のみのラインアップだったが、2013年6月より無糖タイプのブラックが、さらに2013年9月には微糖タイプのブレンドコーヒーがそれぞれ追加された[注 3]。2014年4月には「ネスカフェ ゴールドブレンド 缶コーヒー オリジナル」(ブレンドコーヒー・低糖タイプ)が先行リニューアルし、既に販売終了した「ネスカフェ 香味焙煎 缶コーヒー」シリーズ同様、微粉砕コーヒー豆入り製法に変更されたが2015年3月に同社は缶コーヒー事業の完全撤退を表明[2]。ネスカフェ缶コーヒーの各ラインアップが順次製造・出荷・販売終了となる中で最後までラインアップに残されていた「ネスカフェ ゴールドブレンド 缶コーヒー 微糖タイプ」が同年7月をもって製造・出荷終了となり、最終的に同年10月を以って販売終了となった。

2013年9月1日のリニューアルより発売以来、46年ぶりに製法が大幅に変更され、すでに採用済みの香味焙煎、およびプレジデント同様の挽き豆包みフリーズドライ製法が採用され[注 4]、これまでのインスタントコーヒーからレギュラーソリュブルコーヒーに変更された。これと同時にエクセラも無印名義から通算して53年ぶりに製法が大幅に変更され、挽き豆包みスプレードライ製法が採用されたレギュラーソリュブルコーヒーに変更。これによりインスタントコーヒーとしてのネスカフェのラインアップがすべてレギュラーソリュブルコーヒーに統一された[3]

2015年9月1日より横展開商品として、新たにオリジナルのゴールドブレンドよりさらに濃厚な味わいを実現した「ゴールドブレンド コク深め」を追加発売した。
アンバサダー

ネスレ日本は2012年11月から「ネスカフェ アンバサダー」として、おもにオフィス向けを対象にネスレのコーヒーマシンを無料貸し出しする。

元来は同社の販売戦略として「(日本の)人口が減少傾向にある以上、家庭内需要は今後減少することは避けられない」ために「家庭以外の需要を取り込もう」という意図で始められたサービスである[4]。当初は同社の「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」のみを貸し出すサービスだったが、2013年9月から「ドルチェグスト」が[5]、12月から「スペシャル.T」(カプセル式ティーサーバー)[6]が貸出対象となる。2013年12月現在はドルチェグストとスペシャル.Tの同時貸出は不可[6]である。2013年9月現在で応募者は10万人を越えるる[7]
ネスカフェスタンド

2016年から大手私鉄企業と提携して駅構内にコーヒースタンド「ネスカフェスタンド」を出店したが[8]、2023年6月10日から順次閉店した[9][10]
店舗数(2021年12月現在)


阪急電鉄(提携:エキ・リテール・サービス阪急阪神):20店舗


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