ネジ
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その他のねじ・ネジについては「ねじ (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ねじ(螺子、捻子、捩子、螺旋、: screw)とは、円筒円錐の面に沿って螺旋状の溝を設けた固着具。
目次

1 概要

2 名称

2.1 ボルトとナット

2.2 ビス


3 歴史

3.1 ねじの起源と黎明

3.2 ルネッサンス期と産業革命

3.3 モーズリーの功績と影響

3.4 日本へのねじの伝来

3.5 製造方法と標準化の発展


4 ねじの幾何

5 物理的原理

5.1 締める力

5.2 緩める力


6 機能

7 ねじ部品

7.1 表記法

7.2 各部の名称

7.2.1 ねじ部品の呼び方


7.3 頭部形状

7.3.1 溝・穴


7.4 先端部形状

7.5 歯の形状


8 分類

8.1 ボルト

8.1.1 ボルトの締結法


8.2 ナット

8.3 特殊なねじ

8.4 めねじを必要としないもの

8.5 他のねじ

8.6 関連部品

8.6.1 座金

8.6.2 ピン



9 標準規格

10 製造法

10.1 転造法

10.2 切削・研削法


11 材質

11.1 金属

11.2 プラスチック

11.3 セラミックス


12 表面処理など

12.1 耐食性向上

12.2 硬さ調整


13 力学的強度

13.1 引っ張り荷重

13.2 ねじり荷重

13.3 せん断荷重


14 強度区分

15 締緩作業

15.1 ねじの締め方

15.2 緩みの原因

15.3 緩み防止

15.4 ねじの緩め方


16 ぜんまいでのねじ

17 その他の補足

18 ねじが使われる言い回し

19 脚注

19.1 注釈

19.2 出典


20 参考文献

21 関連項目

22 外部リンク

概要

主として別個の部材の締結に用いられる。また、回転運動と直線運動との変換などにも用いられる。

ボルトのように外表面にねじ山がある「おねじ[1]」(雄ねじとも書く)とナットのように内表面にねじ山のある「めねじ[1]」(雌ねじとも書く)がある。多くは、おねじとめねじの組み合わせで使用される。なお、後者がなく木材や薄い金属などの部材に穴を開けながら締結するもので、タッピングネジ、木ねじ(もくねじ)と呼ばれる[1]ものがある。

これらの他にも、ぜんまいやぜんまいを巻く装置もねじと呼ばれる[2]。言葉の比喩として「ねじを巻く」とは、ぜんまいに動力を与えるところから、誰かを、何かを『追い込む』の意味として使われる。

長方形の一対角を直線で結び、この長方形を巻いて円筒とした時、対角線は「つる巻き線 (helix)」と呼ばれる三次元曲線を描く。ねじは、このつる巻き線に沿って溝を形成したものである。

今日ではねじはあらゆる用途で大量に使用されており、その多くはボルトナット、木ねじなどによる締結用途である。また、ねじは各種の機械の運動や位置決めなどでも欠かせないものとなっている。このため「産業の塩」と呼ばれることもある。ねじメーカーの日東精工は本体直径0.6ミリメートルというねじも開発しており、これを世界最小としている[3] 「木ねじ」など、ナットを使わないねじ類 多種多様なねじ ボルトとナット
名称

ねじは、漢字で「螺子」(ねじ、らし)あるいは「捻子」「捩子」「根子」と書かれることがあり、JISでは「ねじ」が正式な呼称になっている。また「ねじ」は動詞「捩づ」(ねづ)の連用形であり、「ねじ」の他に「ねぢ」と表記されることがある[2]
ボルトとナット

ねじと同様の名称として「ボルト」があるが、JISでは以下のように定義している。

ボルト:一般にナットと組んで使われるおねじ部品の総称

ナット:めねじ部品の総称

実際には、ナットと組んで使わないものをボルトと呼ぶことや、ナットと組んで使うものもねじと呼ぶことがあるため、これらの用語の使用には揺らぎが存在する。 昔の米国自動車整備マニュアル上での表記
boltとscrew、studの違いが分かる。

英語ではねじ山を持った円筒や円錐全般をscrew(スクリュ)やscrew thread(スクリュ・スレッド)と呼び、これが日本語のねじに相当する。「おねじ」はexternal threadと呼ばれ、「めねじ」はinternal threadと呼ばれる。ボルトやナットのように部品の一部にねじを持った締結用の部品はthreaded fastenerと呼ばれる。英語圏でもscrewとboltの区別には混乱がある(1970年代の米国自動車整備マニュアル上での表記を参照。)[注 1][2]
ビス

ビスぶどうを意味するラテン語vitisフランス語でねじを表すvisとなり、英語のviseになった[4]。特に「すりわり」や「十字穴」を持つおねじ部品を指すことが多く「小ねじ」とほぼ同義である。
歴史
ねじの起源と黎明

ねじの起源は明確にはなっていない[5]

現代の歴史家によれば、アルキタスが発明したとする説と、ペルガのアポロニウスが発明したとする説がある。ギリシャの学者エウスタシウスはアルキメデスが発明したと主張した。実際、円筒状の筒の中に大きなねじを入れた揚水用のアルキメディアン・スクリューはアルキメデスの発明といわれ、今まで知られている限り、最初に螺旋構造を機械に使用した例だとされている[6]。水ねじは古代、灌漑や船底の水の汲み上げ、鉱山に溜まった水を排水することなどに使われ、労力に比べ極めて効率的に水を揚水することができた[6]。当時は他の揚水手法に比べて効率性が高く、現代でもねじ式コンベアーとして使われている。シケリアのディオドロスはこの発明がアルキメデスがアレキサンドリアで学んでいた青年時代に行われたと記している。


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