ネグリト (Negrito) とは東南アジアに住む身長が小柄な少数民族を指し、これらの地域にマレー系民族が広がる前の先住民族であると考えられている。アンダマン諸島の大アンダマン人(Aka-Bea、Akar-Bale、A-Pucikwar、Aka-Kol、Oko-Juwoi、Aka-Kede、Aka-Jeru、Aka-Bo、Aka-Kora、Aka-Cari)、Jangil、ジャラワ族、オンゲ族、センチネル族の14の民族、マレー半島と東スマトラのセマン族、タイのマニ族(英語版)、フィリピンのアエタ族・アティ族・バタク族(英語版)・ママンワ族(英語版)などの民族、ニューギニア島の西部[1]の先住民の一部が含まれる。ネグリートともいう。 身長は低く、諸民族の中でも最も小さな人々であり「大洋州ピグミー」とも呼ばれる。オーストラロイドに属し、暗い褐色の皮膚を持ち、巻毛
目次
1 概要
2 言語
3 遺伝子
3.1 アンダマン人
3.2 アエタ族
3.3 セマン等
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
7 外部リンク
概要
ネグリトという言葉はスペイン語で「小柄で黒い人」という意味であり、当初スペイン人航海者たちはネグリト人の肌の黒さからアフリカ人(アフリカの黒人)の一種かもしれないと考えていた。マレー語ではオラン・アスリ(orang asli)、すなわち「もとからいた人」と言う。フィリピンでは、現在のマレー系の民族が舟で到来する前の先住民とされ、パナイ島の伝説ではボルネオ島から渡ったマレー人たちがネグリト系のアエタの民から土地の権利を買ったとされている。
ネグリトの人々は他の民族と比較して最も純粋なミトコンドリアDNAの遺伝子プールを持つ[要出典]とされ、彼らのミトコンドリアDNAは遺伝的浮動の研究の基礎となっている。 ニューギニア島やアンダマン諸島のネグリトは固有の言語を持つが、マレー半島やフィリピンのネグリトは周辺諸族(非ネグリトのモンゴロイド)と同様のものを話す。これは過去のある時点で固有の言語を喪失したものと考えられている。 ネグリトの言語が含まれる諸語・語族 ネグリトは人種的にはほぼオーストラロイドであるが、遺伝子は一部モンゴロイド由来のものが混じっており、一様ではない。[要出典] アンダマン人は母語とする言語系統から大アンダマン人、オンガン人、センチネル族に大別できるが、このうち調査がされている大アンダマン人とオンガン人では、Y染色体ハプログループがで大きく異なっていることが知られている。遺伝子調査(Kumarasamy et al.(2003))の結果によると、大アンダマン人は出アフリカ後「南ルート」[4]をとったハプログループF*、K*、L、P*、および「北ルート」のオーストロアジア系O2aが合わせて100%であるが、オンガン人(ジャラワ族、オンゲ族)はパラグループD*が100%を占める[5]。パラグループD*は出アフリカ後「北ルート」でイラン→アルタイ山脈→チベット→ビルマ→アンダマン諸島という経路をたどってきたと考えられる[6][7]が、他にも諸説ある。 なお、アンダマン人のミトコンドリアDNAハプログループは大アンダマン人、オンガン人とも、出アフリカ後「南ルート」で到達したと考えられる[8]M31、M32のみが観察される。[5][9] アエタはY染色体ハプログループK2b1-P378が60%の高頻度みられる[10]。(このタイプはニューギニア多いハプログループMやSと祖を同じくするものである。)また、ハプログループP (mtDNA)が40%[11]見られる。これらのタイプは、出アフリカ後インドを経由して「南回り」で到達したオーストラロイドの系統である。 オーストロアジア語族を話すセマン等は他のオーストロアジア系民族と同様、ハプログループO1b1 (Y染色体)がよく見られるが、周囲の民族に比較してハプログループC (Y染色体)(おそらく南ルート系のハプログループC1b)が高い頻度で見られる[12]。 [ヘルプ]
言語
アンダマン諸語
大アンダマン語族
オンガン語族
センチネル語
オーストロネシア語族
フィリピン・ネグリト諸語
オーストロアジア語族
アスリ諸語
パプア諸語[2][3]
遺伝子
アンダマン人
アエタ族
セマン等
脚注
^ https://digitalcommons.wayne.edu/cgi/viewcontent.cgi?referer=https://www.google.co.jp&httpsredir=1&article=2061&context=humbiol
^ ⇒http://www.ovta.or.jp/info/oceania/papuanewguinea/index.html
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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