ネオ・ジオング
[Wikipedia|▼Menu]
.mw-parser-output .pathnavbox{clear:both;border:1px outset #eef;padding:0.3em 0.6em;margin:0 0 0.5em 0;background-color:#eef;font-size:90%}.mw-parser-output .pathnavbox ul{list-style:none none;margin-top:0;margin-bottom:0}.mw-parser-output .pathnavbox>ul{margin:0}.mw-parser-output .pathnavbox ul li{margin:0}機動戦士ガンダムUC > ネオ・ジオンの機動兵器 > シナンジュ (ガンダムシリーズ)

シナンジュ(Sinanju)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器モビルスーツ(MS)」。初出は2007年より発表された小説機動戦士ガンダムUC』。

作中に登場する軍事勢力「ネオ・ジオン軍」の残党「袖付き」の首魁「フル・フロンタル」の専用機。特殊能力者「ニュータイプ」の操縦を前提とした高性能MSで、赤い機体色に金色の装飾、背中に備えた翼状の推進器が特徴。元々は作品の主役MS「ユニコーンガンダム」のプロトタイプとして「地球連邦軍」が開発した機体だったが、裏取引の末「袖付き」の手に渡りフロンタル専用機として改修された。改修前の姿は「シナンジュ・スタイン」と呼称され、短編小説『機動戦士ガンダムUC 戦後の戦争』や劇場アニメ機動戦士ガンダムNT』などに登場する。アニメ版『機動戦士ガンダムUC』の最終決戦などには、シナンジュをコア・ユニットとした巨大モビルアーマー(MA)「ネオ・ジオング」が登場し、劇場アニメ『機動戦士ガンダムNT』にもシナンジュ・スタインをコア・ユニットとした巨大MA「IIネオ・ジオング」が登場する。
デザイン

メカニックデザインカトキハジメによる。これまでのライバル機となる敵MSは大きくて重いイメージであり、『機動戦士ガンダムUC』の時代ではすでにサザビーα・アジールが登場しているため、同じイメージの延長線上でデザインしても2 - 3番手になってしまう。また、ユニコーンガンダムと同様に映像化や模型化をひとまず考えないでデザインできる機会でもあり、チャレンジ的な意味合いも込めて頭身の高いスマートなプロポーションに、ジオン系MS特有のラインをさらに推し進めた曲線でまとめ上げていったとのこと[1]

原作小説『ガンダムUC』の著者である福井晴敏は、同作品におけるライバル機体としての存在意義について、ユニコーンガンダムが「可能性の獣」なら本機は現実を突き付けて絶望へと誘う「可能性の破壊者」であると位置付けている。搭乗者のフル・フロンタルというキャラクター自体が「シャアを彷彿とさせる仮面キャラが『ガンダム』に出る」という保守的な発想から生まれており、ネオ・ジオンという改革派のトップであるにもかかわらず後ろ向きな大人に対して、閉塞した世界を変えていこうとする主人公(バナージ・リンクス)が組み伏せるのか、あるいはその逆なのかを両機の対決に象徴させたと語っている[1]
設定解説

諸元シナンジュ
SINANJU
型式番号MSN-06S
全高22.6m
本体重量25.2t
全備重量56.9t
装甲材質ガンダリウム合金
出力3,240kW
推力128,600kg
センサー
有効半径23,600m
武装60mmバルカン砲×2
ビーム・ライフル×1
ビーム・サーベル×2
ビーム・アックス×2
グレネード・ランチャー×1
ロケット・バズーカ×1
シールド×1
搭乗者フル・フロンタル

地球連邦宇宙軍再編計画「UC計画」の一環として、アナハイム・エレクトロニクスサイコフレームの限界性能とデータ収集を目的に開発した[2]試作MS「シナンジュ・スタイン」をネオ・ジオン残党軍「袖付き」が強奪し、これを改修し完全な実戦機体として完成させたもの[3][注釈 1]が本機体であるとされる。かつて同社が開発したMSN-04 サザビー、RX-93 νガンダムと同じく、機体の駆動式内骨格「ムーバブルフレーム」の一部にパイロットの脳波に反応する特殊構造材「サイコフレーム」を採用したニュータイプ専用機とされる[4][注釈 2]。サザビーなどと比べてスマートな体形なのは、技術進歩によるサイコフレームの多用化の実現によってサイコミュ装置の小型化が可能となり、それに伴って機体サイズの小型化が成功したためとされる[6]

ユニコーンガンダムの「NT-D」発動時(デストロイモード)の実験機としての側面も持っており[2]、この機体(厳密には後述のスタイン)で検証されたデータを基にユニコーンガンダムが開発された経緯があり、そのことから同機とは言わば“兄弟機”の関係にあるが、宇宙世紀0094年にアナハイム社から「袖付き」に強奪(実際には強奪に偽装して譲渡)され、ユニコーンガンダムと刃を交えることとなる。強奪後は「袖付き」を象徴して率いるフラッグシップ機たるべく、全身の外装をジオン風に一新し、真紅の塗装と金色のエングレーブが施され、ネオ・ジオン軍のエンブレムをそのまま具現化したような[7]姿となった。この装飾は「袖付き」の雑多な勢力の寄り合い所帯をまとめる意匠であると同時に、シナンジュや親衛隊機、その他のエース機の当該部分にはガンダリウム系の新合金が採用され、一般機より装甲が強化されている[8]と設定されている。性能面でも、操縦者であるフル・フロンタルの操縦技術に合わせた操縦系統の改良や、更なる推力の強化が行われた。これらの「袖付き」独自の強化改修も相まって、MS単体の戦闘能力はユニコーンガンダムと互角[9][注釈 1]にまで引き上げられ、フロンタルの卓越した技量を体現する性能を実現するに至り、作中では単機で戦況を左右するほどの戦闘力を見せ、完成機であるユニコーンガンダムとも互角以上の戦いを繰り広げた[10]

ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の首魁であるフル・フロンタルが搭乗し、真紅に染め上げられた機体が青い残光によって彗星の如く軌道を描きながら戦場を高速移動するその姿から、パイロットのフロンタルと共に「赤い彗星の再来」と渾名され、総帥シャア・アズナブルを失い士気の低下したネオ・ジオンの崇拝と士気高揚の対象となり、地球連邦軍からは脅威の対象として恐れられていたとされる。

ファンネルなどの直接的な武装としてのサイコミュ兵装は持たないが、ニュータイプパイロットの思考波をMS内部のサイコフレームに感受させ、パイロットの脳内操縦イメージを機体の挙動へダイレクトに反映させるサイコミュ思考操縦システム「インテンション・オートマチック・システム」を搭載しており[11][12]、MS単体の機体制動・追従性・機動性を極限にまで突き詰めて設計されており、通常の手動操作を凌駕する反応速度と動作精度を誇る。これによりサイコミュによる直接的な兵装なしに機動性のみで当代随一の機体として完成した[13][注釈 1]。操縦補助以外にも、開発側が意図していなかった機能として、乗り手の意思を汲み取るこのシステムを搭載する「UC計画」によって誕生した3機(ユニコーンバンシィ[注釈 3]、シナンジュ[注釈 4])は、パイロットのニュータイプ能力に呼応し、サイコフレームが最大共振すると、第二次ネオ・ジオン抗争時のνガンダムと同様に、虹色の光の力場「サイコ・フィールド」を機体から発し、他のMSとは一線を画する超常的な力を見せた。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:207 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef