ニーベルングの指環
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この項目では、ワーグナーの楽劇について説明しています。

本作のモチーフである英雄叙事詩については「ニーベルンゲンの歌」をご覧ください。

本作をモチーフとした2004年の映画については「ニーベルングの指環 (映画)」をご覧ください。

本作をモチーフとした松本零士の同名漫画については「ニーベルングの指環 (漫画)」をご覧ください。

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『ニーベルングの指環』(ニーベルングのゆびわ、ドイツ語: "Der Ring des Nibelungen")は、リヒャルト・ワーグナーの書いた楽劇。ワーグナー35歳の1848年から61歳の1874年にかけて作曲された。ラストから発表され、4部作完結まで26年。上演に約15時間を要する長大な作品であるので、少なくとも4日間をかけ、新演出を普通1曲しか出せない為、通して演奏することはあまりないが、ドイツバイロイト祝祭劇場で毎年行われる音楽祭の際やヨーロッパのAクラスのオペラ・ハウスでは目玉作品としてよく上演される。

当初は北欧神話の英雄であるシグルズの物語をモチーフとした『ジークフリートの死』として着想したが、次第に構想がふくらみ現在の形となった。

4日間の内訳は以下の通り[注 1]

序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold):2時間40分

第1日 『ワルキューレ』(Die Walkure):3時間50分

第2日 『ジークフリート』(Siegfried):4時間

第3日 『神々の黄昏』(Gotterdammerung):4時間30分

初演
部分世界初演

作曲にあまりにも時間がかかりすぎていたため、ワーグナーの支援者であったバイエルン王国の国王ルートヴィヒ2世は出来たものから上演するよう催促した。ワーグナーにしてみれば非常に不本意なことであったが、経済的な問題もあり、仕方なく『ラインの黄金』と『ワルキューレ』の先行上演を了承した。『ラインの黄金』は1869年9月22日に、『ワルキューレ』は1870年6月26日にいずれもミュンヘン宮廷歌劇場で、フランツ・ヴュルナーの指揮によって初演された。
全曲世界初演

1876年8月13日、第1回バイロイト音楽祭にて。ハンス・リヒター指揮。ルートヴィヒ2世、ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世ブラジル皇帝ペドロ2世、またフランツ・リストアントン・ブルックナーピョートル・チャイコフスキーらの音楽家などの観衆を集めて上演された。『ジークフリート』と『神々の黄昏』はこの時が初演となる。

「ミュンヘンでの舞台より見栄えが悪かった」という論評もあり、舞台評や収支の面で俗に言う「こけた作品」となってしまい、ワーグナー自身になり、音楽祭自体もしばらく開かれなかった。
日本での部分初演

『ラインの黄金』が1969年若杉弘指揮、二期会メンバーにより[1]、『ワルキューレ』が1967年に大阪で開催されたバイロイト・ワーグナー・フェスティバルにてトーマス・シッパーズ指揮NHK交響楽団ジェス・トーマスアニャ・シリヤなどにより[2]、『ジークフリート』が1983年に二期会メンバーにより[3]、『神々の黄昏』は後述の朝比奈隆指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団などにより行われた。
日本での全曲初演

前述の『神々の黄昏』初演を含む1984年から1987年にかけて1年1作ペースで行われた朝比奈隆指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団などによるオール日本人キャストによる演奏会形式での上演を初演と見なすか、1987年に来日公演を行ったヘスス・ロペス=コボス指揮・ベルリン・ドイツ・オペラによる上演[4]を初演と見なすか、2通りの見方があるが、基本的には連続して演奏された後者を日本初演扱いにすることが多い。

その後も日本で『指環』が上演される時はだいたい4年がかりで完結させることが多い。
内容

3部作、舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』は序夜『ラインの黄金』、第1日『ワルキューレ』、第2日『ジークフリート』、第3日『神々の黄昏(たそがれ)』から成立している。

本作品は、並外れたスケールと領域の作品である。指揮者のペース配分にも依存するが、全体の演奏時間は約15時間ほどであり、4夜に渡って演奏される。最も短い『ラインの黄金』でも約2時間半ほどで、最も長い『神々の黄昏』では最長4時間半(休憩を除く)ほど続く。さらに、第1・第2ヴァイオリン各16、ヴィオラ、チェロ各12など、108名による大管弦楽団の編成によって演奏される。

物語のスケールと領域は叙事詩である。全世界の支配を可能とする魔法の指輪をめぐる、神、英雄、神話上のいくつかの生物の戦いの物語で神々の黄昏、天空の城ヴァルハラの炎上、地上のラインの洪水まで、ドラマと陰謀は、ヴォータンの支配する天上の神々の世界で、地上の人間界の世界で、地下のニーベルング族の住むニーベルハイムで、3世代にわたって続き、最後に神々の世界の灰から真の愛がよみがえる。

本作品の音楽は、重厚で雄大な感触があり、サイクルが進むに連れて複雑になっていく。

序夜 『ラインの黄金』(Das Rheingold)

第1場 - ライン川の水底。3人のラインの乙女が泳いでいると、そこにアルベリヒが現れる。ラインの黄金が世界を支配する力を持つと聞いた彼は、それを強奪する。

第2場 - ヴォータンフライアを報酬にして、巨人族に居城ヴァルハラを建設させる。城は完成したものの、フライアは巨人族に身を捧げることを拒否する。ローゲはラインの黄金を身代とすることを提案し、ヴォータンとともに地下のニーベルング族の国へ向かう。

第3場 - アルベリヒがラインの黄金で作られた指環の力でニーベルング族を支配している。ローゲは策略と弁舌でアルベリヒを捕縛する。

第4場 - 地上に引き立てられたアルベリヒから、ヴォータンは自由の代償としてラインの黄金を奪取する。アルベリヒは指環に死の呪いをかける。エルダが現れ警告を発するが、ヴォータンは聞き入れない。指環を手に入れた巨人たちは、財宝を巡って争いを起こしファーフナーがファゾルトを殺してしまう。神々は呪いに恐れおののくが、一転して虹の橋を渡りヴァルハラに入場する。剣の動機が高らかに奏され英雄の登場を暗示する一方、ラインからは黄金を奪われた乙女の嘆きが聞こえる。



第1日 『ワルキューレ』(Die Walkure)

第1幕 - 嵐の夜、フンディングの館にジークムントがあらわれる。彼とフンディングの妻ジークリンデはお互いに惹かれあう。やがてフンディングが帰宅し、フンディングが一族の敵であること、ジークリンデが生き別れの双子の妹であることを知る。

第2幕 - 荒涼たる岩山。ワルキューレの長姉ブリュンヒルデとヴォータンがいる。そこへ結婚を守護する女神でヴォータンの妻フリッカが現れる。フリッカは、妻を奪われたフンディングの復讐と婚姻の神聖を守るためとして、ヴォータンにジークムントの死を求め、ヴォータンはやむなく承諾する。ブリュンヒルデはヴォータンからジークムントがフンディングによって殺害されること、そしてそれを見殺しにすべきことを告げられる。ブリュンヒルデは兄妹を守ろうとするが、ジークムントはフンディングの槍に貫かれてしまう。

第3幕 - ヴォータンの怒りを逃れ、ブリュンヒルデはヴァルハラに駆け込み、妹たちに助けを求める。ブリュンヒルデはジークリンデが身ごもっていることを告げ、胎内の子をジークフリートと名付ける。


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