ニンジン
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この項目では、食用野菜について説明しています。

主に「高麗人参」などの名称で呼ばれる薬用植物については「オタネニンジン」をご覧ください。

その他の用例については「ニンジン (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ニンジン
収穫されたニンジン
分類APG III

:植物界 Plantae
階級なし:被子植物 angiosperms
階級なし:真正双子葉類 eudicots
階級なし:コア真正双子葉類 core eudicots
階級なし:キク類 asterids
階級なし:キキョウ類 campanulids
:セリ目 Apiales
:セリ科 Apiaceae
:ニンジン属 Daucus
:ニンジン(ノラニンジン) [1]
D. carota
亜種:ニンジン
D. carota subsp. sativus [2]

学名
標準: Daucus carota subsp. sativus (Hoffm.) Arcang. (1882)[2]

広義: Daucus carota L. (1753)[3]
シノニム


Daucus carota L. var. sativus Hoffm. (1791)[4]

和名
ニンジン
英名
carrot

ニンジン(人参[5]学名: Daucus carota subsp. sativus)は中央アジア原産のセリ科ニンジン属二年草。畑で栽培し、多肉質の根は食用にされる。
名称「オタネニンジン」も参照

別名を、ナニンジン[6]、セリニンジン[6]ともいう。

属名 Daucus、種小名 carota はラテン語でそれぞれ「パースニップ」、「ニンジン」の意。英名キャロットの名は種小名に由来する。

なお、本来、ニンジン(人参)とはオタネニンジン(朝鮮人参)を指す語であり、本種は本来は胡蘿蔔(こらふ・こらふく)[7]と呼ばれた外来野菜であった。現在でも中国では胡蘿蔔と記述している。ちなみに「蘿蔔」とは「すずしろ」(ダイコンの異名)のことであり、「胡」は外来であることを示している。(胡麻=ゴマ・胡椒=コショウ・胡桃=クルミ・胡瓜=キュウリなども同様)陶穀の『清異録』には「皺面還丹」の別名がある[8]
特徴

東洋系ニンジンと西洋系ニンジンに大きく分けられ、東洋系は細長く、西洋系は太く短いが、ともに古くから薬や食用としての栽培が行われてきた。クセのある香りがあり、加熱すると甘味が出る[9]

食用とする根は長い倒円錐形で、ふつう長さは15 - 20センチメートル (cm) であるが、中には4 cmほどの短いものや、1メートル (m) を超す長い品種もある[10]。根の色は橙色のほか、赤色、黄色などの種類がある[10]カロテノイドを含む黄色や橙色のものや、黒人参などアントシアニンを含む濃紫色や紅紫色のものがある。春から秋に大型の複散形花序を出して、多数の小さな白い5弁を咲かせる[11]。果実は細長い楕円形で、表面を覆うように鋭いトゲが多数つく[11]

なお、一般に薬草として用いられているオタネニンジン(朝鮮人参・高麗人参とも)はウコギ科 [12][13]の植物であり、本種とは別の科に分類される。

ニンジンの根

ニンジンの葉

セリ科に特徴的な散形花序

種子のように見える果実

果実(格子は5 mm)

挿絵

歴史

ニンジンは中央アジアの原産で[14]、西洋系ニンジンの原産地は小アジア、東洋系ニンジンの原産地は中央アジアともいわれている[9]。原産地のアフガニスタン周辺で東西に分岐したともいわれ[15]、世界各地に伝播した。西洋系ニンジンは15世紀ごろまでにヨーロッパに広まり、オランダフランスを通り、イギリスへと西方へ伝来しながら改良が行われた[9]。東洋系ニンジンは、10世紀ごろにはすでに中国に伝わっていたとみられる[9]

日本には16 - 17世紀ごろに中国から伝わり[14]、短い期間で全国に広まった[9]。江戸時代の農書に「菜園に欠くべからず」とある[9]。日本で江戸時代に栽培されていた品種は東洋系が主流だったが、江戸時代後期に西洋系ニンジンが伝わり、明治期に入ると欧米品種が次々と導入されるようになった[9]。東洋系ニンジンは栽培の難しさから生産量が減少し、戦後は西洋系品種が主流になっている。
栽培

種蒔きから収穫まで3 - 4か月ほどかかる野菜である[16]。栽培方法は、初春に種をまき晩春から初夏に収穫する春にんじん(春まき栽培)と、夏から初秋に種をまいて晩秋から冬に収穫する秋冬にんじん(夏まき栽培)、冬にハウスで種をまき、春から晩秋に収穫する冬まき栽培がある[5]。秋まきで育てる方が、収穫までとうが立ちにくい[16]。栽培土壌は肥えている土地がよく、苗が小さいうちは雑草をこまめに除草する[5]連作は可能であるが、栽培はやや難しく、十分な日照が必要で[17]、15 - 25が栽培適温とされる[16]。品種によって生育に適した時期がある。短根品種は、家庭で大型のプランター(コンテナ)を使った栽培もできる[17]

涼しい気候が適しているが、苗の段階では比較的高い温度にも耐えられる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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