ニュー・シネマ・パラダイス
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ニュー・シネマ・パラダイス
Nuovo Cinema Paradiso
主人公の少年期を演じたサルヴァトーレ・カシオ
監督ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本ジュゼッペ・トルナトーレ
製作フランコ・クリスタルディ
製作総指揮ミーノ・バルベラ
出演者フィリップ・ノワレ
ジャック・ペラン
サルヴァトーレ・カシオ
マルコ・レオナルディ(イタリア語版)
アニェーゼ・ナーノ(イタリア語版)
音楽エンニオ・モリコーネ
アンドレア・モリコーネ(イタリア語版)
撮影ブラスコ・ジュラート(イタリア語版)
編集マリオ・モッラ(イタリア語版)
製作会社クリスタルディフィルム(イタリア語版)
レ・フィルム・アリアーヌ(フランス語版)
TFIフィルム・プロダクション(フランス語版)
RAI3
フォーラム・ピクチャーズ
配給 ティタヌス
日本ヘラルド
公開 1988年11月17日
1989年5月19日(CIFF
1989年12月16日
上映時間155分
124分(国際版)
170分(ディレクターズ・カット版)
製作国 イタリア
フランス
言語イタリア語
製作費$5,000,000[1]
興行収入 $11,990,401[2]
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『ニュー・シネマ・パラダイス』(: Nuovo Cinema Paradiso)は、1988年イタリアドラマ映画。監督はジュゼッペ・トルナトーレ、出演はフィリップ・ノワレジャック・ペランサルヴァトーレ・カシオなど。

中年を迎えた映画監督が、映画に魅せられた少年時代の出来事と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。後述の劇場公開版が国外において好評を博し、しばらく停滞期に入っていたイタリア映画の復活を、内外に印象付ける作品となった。映画の内容と相まってエンニオ・モリコーネ音楽がよく知られている。
あらすじ
劇場版

ローマ在住の映画監督・サルヴァトーレのもとにある晩、故郷の母から電話がきて、アルフレードが死んだことを告げる。サルヴァトーレはベッドの中で、昔の日々を思いだす。

第二次世界大戦終結から間もない頃、「トト」と呼ばれていた幼いサルヴァトーレ少年は、シチリア島の僻地の村で、母と妹と暮らしている。父は戦争に取られたきり消息不明。当時の彼の村では、中心にある広場に面した教会を間借りした小さな映画館だけが、唯一の娯楽施設だった。

外界から隔絶された村人たちにとって、その映画館は村の外に通じる、たった一つの窓だった。週末になり、劇場の灯が消えて古い映写機が回り出すと、アメリカ映画の中で描かれる想像を超えた豊かさや、保守的な村ではありえないロマンティックな男女関係など、目を丸くして見ている村人たちの前に、外の世界がやってくるのだった。

新作の輸入映画が封切られる夜、村人たちは映画館に集まってスクリーンに声援を送った。また本来あるべきラブシーンを教会の謹厳な司祭がカットさせた箇所では、揃ってブーイングを鳴らすのだった。

映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んでいた。映写技師のアルフレードはその度にトトを叱り付けながらも親近感を寄せ、トトは映写機の操作を見様見真似で覚え始める。ある晩、映写中にフィルムの発火事故が発生し映画館は全焼。トトの必死の救助でアルフレードは一命を取り留めたものの、火傷視力を失った。やがて父親の戦死認定が下され、トトは新しく建て直された映画館「新パラダイス座(Nuovo Cinema Paradiso)」で子供ながら映写技師として働き、家計を支えるようになった。

年月が過ぎ、青年となったトトはムービーカメラを手に入れ、自分でも映画を撮影するようになる。駅で見かけた美少女エレナとの初恋を経てトトは徴兵されるが、除隊後村に帰ると映写室には別の男が座り、エレナは音信不通となっていた。落ち込むトトにアルフレードは「若いのだから外に出て道を探せ、村にいてはいけない、そして帰ってきてはいけない」と言いきかせる。「人生はお前が観た映画とは違う、もっと困難なものだ!」。トトはその言葉通り、列車でローマに向け旅立った。

それから30年。ローマで映画監督として成功し、中年となったトト=サルヴァトーレは、アルフレードの葬儀に出席するため、年老いた母の待つ故郷の村に帰ってきた。そこで彼は「新パラダイス座」がすでに閉館し、建物の解体も近いことを知る。サルヴァトーレはアルフレードが彼に遺した形見を渡される。中身はフィルムの断片だった。

ローマに戻ったサルヴァトーレはそのフィルムを映写させる。それは遠い少年時代、彼が見たかった名作映画の中の、カットされたラブシーンの集成だった。サルヴァトーレは瞬くスクリーンを見上げながら、当時の追憶にふけるのだった。
完全版

故郷に戻った初老のサルヴァトーレは、カフェでエレナに生き写しの少女を見かけて動揺する。後を付けると、サルヴァトーレの幼馴染のボッチャがエレナと結婚し、娘が生まれていたことを知る。サルヴァトーレがエレナと再会し、なぜ駆け落ちの待ち合わせ場所にきてくれなかったのかと責めると、エレナはアルフレードに言づてを頼んだが断られたので、引っ越し先の住所とメッセージを上映メモの裏に記し、映写室の壁に残したのだと説明する。アルフレードはサルヴァトーレが村を離れて自分の道を進めるようにするため、エレナにサルヴァトーレと別れるよう説得していたのだった。経緯を知ったサルヴァトーレはアルフレードに怒りを感じるが、エレナは「私と結婚していたら素晴らしい映画は撮れていなかった」と言う。サルヴァトーレとエレナは車のなかでキスし、束の間に愛を確かめる。サルヴァトーレは埃だらけの映写室で無数の上映メモの束を調べ、ようやくエレナからのメッセージを読む。ふたたび村を離れる前にサルヴァトーレがエレナに電話をすると、エレナは「あの夜の夢は忘れましょう」と告げる。サルヴァトーレはローマに戻り、映写室でアルフレードからの形見のフィルムを観る。
キャスト

役名俳優日本語吹替
フジテレビ版ソフト版機内上映版
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(少年期)サルヴァトーレ・カシオ亀井芳子小桜エツコ
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(青年期)マルコ・レオナルディ(イタリア語版)
伊語吹替:ファブリツィオ・マンフレディ(イタリア語版)鳥海勝美堀秀行
サルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(中年期)ジャック・ペラン
伊語吹替:チェザーレ・バルベッティ(イタリア語版)小川真司秋元羊介
アルフレードフィリップ・ノワレ
伊語吹替:ヴィットリオ・ディ・プリマ(イタリア語版)久米明富田耕生
エレナ(若年期)アニェーゼ・ナーノ(イタリア語版)
伊語吹替:クラウディア・カターニ(イタリア語版)鈴鹿千春榊原良子
エレナ(中年期)※DC版のみブリジット・フォッセー
伊語吹替:ヴィットリア・フェッビ(イタリア語版)N/A鈴木弘子N/A
マリア(中年期)アントネラ・アッティーリ(イタリア語版)吉田理保子塩田朋子
マリア(壮年期)プペラ・マッジオ(イタリア語版)京田尚子
アデルフィオ神父レオポルド・トリエステ富山敬佐古正人伊井篤史
スパッカフィーコ(パラダイス座支配人)エンツォ・カナヴェイル(イタリア語版)増岡弘
イグナチオ(劇場の案内人)レオ・グロッタ(イタリア語版)江原正士
アンナおばさんイサ・ダニエリ(イタリア語版)秋元千賀子
鍛冶屋タノ・チマローサ(イタリア語版)藤本譲
広場をうろつく男ニコラ・ディ・ピント(イタリア語版)千田光男
リアロベルト・レーナ安達忍
ペッピーノの父親ニーノ・テルツォ小島敏彦
その他N/A金野恵子
石森達幸


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