ニュートン_(単位)
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ニュートン
newton
記号N
国際単位系 (SI)
種類組立単位

組立kg・m/s2
定義1 kgの質量を持つ物体に1 m/s2の加速度を生じさせる力
語源アイザック・ニュートン
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ニュートン(: newton[注 1]、記号: N)は、 国際単位系(SI)における1ニュートンは、1 kg質量を持つ物体に1 m/s2加速度を生じさせる力である。名称は古典力学で有名なイギリスの物理学者アイザック・ニュートンに因む。

誤用であるが習慣的にトルクの単位であるニュートンメートルのメートルを省略し「ニュートン」という場合がある。
名称

「ニュートン(newton)」の名称は、1904年4月にブリストル大学のデビッド・ロバートソン (1875 ? 1941) (en:David Robertson (engineer))が提唱したものである[1][2][3][注 2]

1913年の第5回国際度量衡総会は、ニュートンを力の単位として提案した[4]

1946年、国際度量衡委員会 (CIPM) において、力の単位は1キログラムの質量に1 m/s2加速度を生じさせる力であるとの定義が決議された[5]

1948年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) は、このMKS単位系における力に「ニュートン(newton)」の名称と記号「N」を与える決議を採択した[6]

人名に因む計量単位であるため、単位記号は大文字・立体の「N」と表記される。ただし英語で本単位の意味であるニュートンと書き出す場合は「newton」とする(国際単位系#単位の英語名称、一般的にアイザック・ニュートンを含め人名を示す場合は「Newton」とする。)。
定義

1ニュートンは、1キログラム質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒 (m/s2) の加速度を生じさせる力と定義される。運動の第2法則はF = maとし、Fが、mが質量、aが加速度である。単位で表すと以下のようになる:F = m ⋅a
1 N = 1kg⋅m/s2

つまり、物理単位で書き表すと N = kg・m/s2 (キログラムメートル毎秒毎秒)となる。

また、次元解析で F {\displaystyle {\mathsf {F}}} を力、 M {\displaystyle {\mathsf {M}}} を質量、 L {\displaystyle {\mathsf {L}}} を長さ、 T {\displaystyle {\mathsf {T}}} を時間とした場合の式: F = M L T 2 {\displaystyle {\mathsf {F}}={\frac {\mathsf {ML}}{{\mathsf {T}}^{2}}}}
重量

重量重力によって2つの物体の間に働く力と定義されているので、ニュートンはまた重量の単位でもある。重力加速度は地球上の場所によってわずかに異なるが、地球表面において質量1キログラムの物体の重量は約9.81ニュートンである。

重量キログラム標準重力上で質量1 kgの物体の重量を1 kgfと定義している。
リンゴによる力の表現

ニュートンのリンゴについての逸話にちなんで、力学の教科書での重力の説明にリンゴを用いたり[7]リンゴ1個に働く重力が 1 N であるという説明がなされることがある[8][9]

より正確には質量102 g のリンゴに働く重力が、0.102 kg × 9.80665 m/s2 = 1.00 N ということになる。ただし、日本で流通しているリンゴは海外と比較して大きいものが多く、質量が102 g を上回る品種がほとんどである[10][11][12][13][注 3][14][15]

リンゴの比重が 1.0 (水と同じ)であり、真球であるとすると、質量102 g のりんごの直径は約 5.8 cm となる(超球の体積#公式)。このことからも、実際の市販されているリンゴとしては小さすぎることが分かる[16][17]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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