ニューウェーブ_(漫画)
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漫画におけるニューウェーブは、1970年代末から1980年代初頭にかけて日本青年漫画界に現れた、少年漫画少女漫画劇画の枠組みを乗り越えるような動向[1]、あるいは新しい表現方法をいう[2]
経緯

1960年代以降、日本の漫画界は『ガロ』『COM』といった一部の実験的な漫画誌を除いて、「少年漫画」「少女漫画」「劇画」「大人漫画」の4つのジャンルにはっきりと分かれていた[2][3][注 1]

1970年代末に、まんが批評集団「迷宮」周辺のスタッフらが立ち上げた『JUNE』『Peke』(のち『コミックアゲイン』)『少年少女SFマンガ競作大全集』『別冊奇想天外SFマンガ大全集』(のち『マンガ奇想天外』)『漫金超』など、強い個性を持つ既成作家や同人作家の作品で構成されたマイナー誌が相次いで創刊された。これらの雑誌に作品が掲載された漫画家は、既成のジャンルを乗り越えた漫画家と認知され、漫画批評家に盛んに取り上げられた。こうした作家たちは、さまざまな題材の作品を生み出し、さまざまな表現方法の開発に取り組んだが、その代表格として大友克洋が挙げられる[2]

大友のほかには、さべあのまいしいひさいちひさうちみちお宮西計三柴門ふみ高野文子いしかわじゅん高橋葉介ますむらひろし川崎ゆきお諸星大二郎湯田伸子などの作家が挙げられる[3]。これらの作家の作風には何ら共通性は見出せないが、既存の漫画ジャンルに分類できない際立った個性の総称として「ニューウェーブ」と呼ばれていた[3]。 また、漫画コラムニストの夏目房之介は1981年に大友、ひさうち、吾妻ひでお、いしかわ、宮西、柴門、さべあ、福山庸治を招いて新聞に特集記事を掲載したが、吾妻自身はニューウェーブと括られることを否定していた[4]。夏目も後年、ニューウェーブという枠組みについて「言説論とか知らん若者たちが、自分達のマンガだと思えた人たちを大友、吾妻中心に選んで、何となく成立した枠組みで、もちろん恣意的で曖昧」と発言している[5]

このような動きは、上記の漫画誌の休刊と、新たに創刊された『ヤングマガジン』『ビッグコミックスピリッツ』などの各青年誌に作家たちが移ったことにより終息した[1][3]

漫画原作者・批評家の大塚英志は、一連の現象について「描き手も読み手もそして評論家たちも『方法』にのみ関心を寄せ、それによって『描かれるもの』にほとんど注意が払われないままに『ニューウェーブ』の作家たちは数多の亜流を産み出しながら、『商品としてのまんが』の網の目の中に相応の位置を見つけていった。『ニューウェーブ』とはそのようなものでしかなかった」と評している[6]。さらに大塚は24年組とニューウェーブとの比較において前者を「深層的」、後者を「表層的」なレベルでの変革と見做し、期待されたほどには漫画界を変革しえなかったと指摘している[6]
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出典検索?: "ニューウェーブ" 漫画 ? ニュース ・ 書籍 ・ スカラー ・ CiNii ・ J-STAGE ・ NDL ・ dlib.jp ・ ジャパンサーチ ・ TWL(2018年10月)
詳細は「エロ劇画誌#三流劇画ムーブメント」を参照

当初からエロ劇画の世界で自分の世界を築き上げる作者も多かった。


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