ニホンカモシカ
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ニホンカモシカ
ニホンカモシカ Capricornis crispus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))

分類

ドメイン:真核生物 Eukaryota
:動物界 Animalia
:脊索動物門 Chordata
亜門:脊椎動物亜門 Vertebrata
:哺乳綱 Mammalia
:偶蹄目/鯨偶蹄目
Artiodactyla/Cetartiodactyla
:ウシ科 Bovidae
亜科:ヤギ亜科 Caprinae
(もしくはAntelopinae)
:(ヤギ族 Caprini)
:カモシカ属 Capricornis
:ニホンカモシカ C. crispus

学名
Capricornis crispus (Temminck, 1836)[2]
シノニム[3]


Antilope crispa Temmink, 1836[2]

Capricornulus crispus Heude, 1898

Capricornulus pryeianus Heude, 1898

Capricornulus saxicola Heude, 1898

Naemorhedus crispus
Groves & Grubb, 1985

和名
カモシカ[4]
ニホンカモシカ[5][6]
英名
Japanese serow[1][3]

ニホンカモシカ (Capricornis crispus) は、ウシ科カモシカ属に分類される偶蹄類。単にカモシカとも呼ばれる[4][7]。また、地方により「バカジシ」「オドリジシ」「ニクバカ」「アホ」などという呼び名がある。この呼び名はカモシカが好奇心が強く、人などをじっと動かず見つめている為に捕まえやすいという所から来ている。
分布

日本(京都府以東の本州四国九州固有種[6]

本州では東北地方から中部地方にかけて分布し、京都府北部、鈴鹿山脈紀伊半島などに隔離分布する[6]。九州では大分県熊本県宮崎県に分布する[7]
形態

頭胴長(体長)105 - 112センチメートル[5]。尾長6 - 7センチメートル[5]。肩高68 - 75センチメートル[5][4]体重30 - 45キログラム[7][3][4]。全身の毛衣は白や灰色・灰褐色[4]。毛衣は個体変異や地域変異が大きい[5][4]

頭骨の額は隆起する[5]。角長8 - 15センチメートル[5]。角は円錐形[4][6]。角はやや後方へ湾曲し、基部に節がある[5]。耳長9 - 11センチメートル[5]。耳介は幅広く、やや短いため直立しても耳介の先端と角の先端が同程度の高さにある[5]眼窩はやや小型で、涙骨の窪みは前頭骨に達しない[6]。第2前臼歯前端から第3臼歯後端までの最大長(臼歯列長)が左右の臼歯の間の幅よりも長い[5]。四肢は短い[5]。眼下腺が何らかの理由で肥大化すると眼球と同程度に膨らみ、四ツ目に見えることがある[8]
分類

タイワンカモシカCapricornis swinhoeiを、本種の亜種とする説もある[5][3][6]。体色が橙赤色の個体を亜種C. c. pryeianusとして分ける説もあったが、灰褐色の個体と橙赤色の個体が同所的に分布することなどから亜種としての有効性を疑問視する説もある[5]
生態

低山地から亜高山帯にかけてのブナミズナラなどからなる落葉広葉樹林や混交林などに生息する[4]。以前は高山に生息すると考えられていたが、生息数の増加に伴い低地にも出没するようになり、下北半島では海岸線付近でみられることもある[6]。季節的な移動は行わない[4][6]。10 - 50ヘクタールの縄張りを形成して生活し、地域や環境により変異があるがオスの方が広い縄張りを形成する傾向がある[4]。眼下腺を木の枝などに擦り付け縄張りを主張する(マーキング)[4]。縄張りは異性間では重複するが同性間では重複せず、同性が縄張りに侵入すると角を突き合わせて争ったり追い出す[6]。単独で生活し、4頭以上の群れを形成することはまれ[4][6]。木の根元・斜面の岩棚・切り株の上などで休む[6]

広葉草本、木の葉、芽、樹皮、果実などを食べる[5][4]。下北半島では114種、飛騨山脈ではササ属Sasaやスゲ属を含む95種の植物種を食べていた報告例がある[3]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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