この項目では、魚について説明しています。女性アイドルグループについては「26時のマスカレイド」をご覧ください。
ニジマス
分類
ニジマス(虹鱒、学名:Oncorhynchus mykiss、英名:Rainbow trout)は、サケ科に属する魚。食用魚であり、養殖や釣りの対象にもなる(後述)
形態.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}}ずっと川にいたニジマス(レインボートラウト)海に出て、再び川に帰って来たテットウ(スチールヘッド)
成魚の体長は一般的に約40 cm前後であるが、大型のものは60-120 cmにまで成長することもある[2]。小型のニジマスは一生を淡水で過ごす陸封型(河川残留型)、大型のニジマスは川から海へ下って再び川へ戻ってくる降海型で、大きさだけでなく見た目も全く違う。陸封型をレインボートラウト、降海型をスチールヘッドと別々の名前で呼ぶのは、かつては別の魚だと考えられていた名残である。川にいる一部の個体が海へ下るために海洋に適応した形に変態することをスモルト(銀化)と言って、サケ科の魚に特有の現象である。
体全体にはっきりした黒点があり、エラから尾びれにかけての体側部に赤から赤紫色の太い縦縞の模様があるのが色彩上の特徴である。繁殖期のオスに現れる婚姻色として、非常に見事な虹色の光沢が発色し、それが英名及びその直訳である標準和名の由来となっている。フランス語でも「虹のマス」を意味するトリュイッタルカンシエル(truite arc-en-ciel)と呼ばれる。
属名Oncorhynchusは、本種を含むサケ類の繁殖期に鼻先が曲がるオスの形態から、ギリシャ語のonkos(鈎)とrynchos(鼻)に由来し、種名mykissはドイツ人博物学者 Walbaumが分類に用いたカムチャツカ半島東岸沖のコマンドルスキー諸島産の標本と、現地語で魚を意味するmykizhaに由来している。
生態
分布降海型の個体天然分布域
ニジマスの基種とその亜種の天然分布域は、カムチャツカ半島から北アメリカ大陸西岸(太平洋岸)のアラスカ、カナダ、アメリカ合衆国西海岸およびメキシコ北西部の一部である。 夏でも水温が摂氏12度以下の冷たい水、特に流れが速く、酸素を多く含む川に生息する。冷水の湖などにも生息するが、サケ科としては比較的高温の22℃程度の水温でも生息可能である。熱帯地域にも移入されているが、これは標高1,200 m以上の高地である。 肉食性で、水生昆虫や貝類、甲殻類、水中を流下、水面に落下してくる小昆虫、他の魚の卵や小魚、ミミズなどを捕食する。飼育下では配合飼料等や残飯も食べる。 本種は基本的には一生を淡水で過ごす河川残留型の魚であるが、降海と河川遡上を繰り返す個体もいる。 ニジマスは海水適応が可能な種として知られている。中には汽水域や海に下る個体もいて、他のサケ類のように海を回遊し、河川への遡上を行う。降海型の個体は、特に大きく成長しやすく、全長1.2 m、体重25 kg程度の記録もある。頭部上面が黒っぽくなる事から、日本ではテットウ(鉄頭)・テツ、英語ではスチールヘッド(Steelhead)などと呼ばれる。この個体が産地周辺の川を遡上することがある。テツは北海道の知床半島周辺の海で捕獲(漁獲)される場合があるが、回遊範囲など海洋での生態は十分に解明されていない。 近年では、湖やダム湖などで大きく成長して銀化した河川残留型(陸封型)のニジマスも、陸封型及び降海型を問わずスチールヘッドと呼ばれる。 繁殖時期については、生息域の水温で大きく幅がある。秋の高水温は産卵を遅らせるが比較的温暖な地域では秋から冬にかけて繁殖行動が行われる[3][4]が、低水温な地域(例えば、摩周湖では6月に産卵)では春から初夏にかけて繁殖行動が行われる[4]。また、希に養殖環境下では年2回産卵を行う個体も存在する[4]。生まれてから2から4年目の間に成熟する例が多く、他のサケ属 ニジマスの亜種および近縁種は、北アメリカ大陸の西岸(太平洋岸)にある河川、ならびに湖沼にその多くが生息している。
生息環境
食性
遡河回遊性
ライフサイクル
亜種および近縁種
亜種カリフォルニア・ゴールデントラウトの成魚
カリフォルニア・ゴールデントラウト
天然種は、シエラネバダ山脈のカーン川
リトル・カーン・ゴールデントラウト (Little Kern golden trout, Oncorhynchus mykiss Whitei)
天然種は、カーン・リバー水系支流のリトル・カーン・リバーのみに棲息する[6]。
カーンリバー・レインボートラウト (Kern River rainbow trout, Oncorhynchus mykiss Gilberti)
天然種は、カーン・リバー水系ノースフォーク本流の上流域、および同上流域の支流のみに棲息する。以前はギルバーティ・レインボートラウトとも呼ばれ、同じ水系のゴールデントラウトとニジマスの天然中間種と考えられている。また近年の遺伝子解析により、ゴールデントラウトの別タイプ(注意:亜種ではない)とも提唱される様になった[6]。
カリフォルニア・ゴールデントラウトやリトル・カーン・ゴールデントラウトは、滝などの地質構造の変化や氷河などによって氷期末期に河川の下流域から隔離され、高山地帯の河川の最上流域(源流域)に陸封された完全な淡水型のマスである。これらゴールデントラウトの自然分布域上流は、現在ゴールデントラウト自然保護区(英語版)としてアメリカ合衆国森林局(英語版)により管理、および保護されている。
なお、上記の天然生息域以外のシエラネバダ山脈の河川や山上湖、および他州の高山地帯の一部河川や山上湖には、ゴールデントラウトに良く似た姿や色合いの個体が棲息している。これらは、過去の受精卵(発眼卵)や稚魚の移植によるゴールデントラウトの個体群の子孫であるが、移植時の個体群が既にニジマスとの雑種であった事が後に判明している。また、現時点でのこれら個体群のほぼ全てが、同様な方法で過去に移植、又は放流されたニジマスとの交雑化が更に進行した個体群と考えられている[6]。
魚類生物学者、 Robert J. Behnke (2002年) によると、ニジマス Oncorhynchus mykiss は以下の亜種に分かれる[7]。