ニシェル・ニコルズ
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ニシェル・ニコルズ
Nichelle Nichols
2016年のニコルズ
本名Grace Dell Nichols
生年月日 (1932-12-28) 1932年12月28日
没年月日 (2022-07-30) 2022年7月30日(89歳没)
出生地イリノイ州クック郡ロビンス(英語版)
死没地ニューメキシコ州シルヴァーシティ[1]
国籍 アメリカ合衆国
民族アフリカ系アメリカ人
職業女優・歌手
活動期間1959年 - 2020年
配偶者フォスター・ジョンソン
(m. 1951; div. 1951)
デューク・マンディ
(m. 1968; div. 1972)
公式サイト ⇒nichellenichols.com
主な作品
ウフーラ(『スタートレック』シリーズ)

 受賞
NASAパブリック・サービス賞
ライフキャリア賞(英語版)
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム

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ニシェル・ニコルズ(: Nichelle Nichols、本名: グレース・デル・ニコルズ(: Grace Dell Nichols、1932年12月28日[2] - 2022年7月30日[1])は、アメリカ合衆国女優歌手声優

ニコルズは、『宇宙大作戦』(1966年放映開始)以降、『スタートレック』シリーズの各作品でウフーラを演じたことで最もよく知られる。このことは、当時のアメリカ合衆国のテレビ番組におけるアフリカ系アメリカ人女性のキャラクター描写という点で画期的であった[3]

1977年から2015年にかけては、アメリカ航空宇宙局(NASA)の事業の広報や、女性や民族的マイノリティといった多様な出自を抱える宇宙飛行士の募集をボランティアで行った[4][5]
前半生

グレース・デル・ニコルズは、1932年12月28日にシカゴ近郊のクック郡ロビンス(英語版)にて[6]、同村の議長と行政長官に選出されたことがある工場労働者のサミュエル・アール・ニコルズとその妻のサリッシュ・(パークス)・ニコルズとの間に生まれた[7]。彼女のルーツは、アフリカの他にスペインウェールズチェロキーにもある[8]。後に一家はシカゴのアパートに転居し、ニコルズはシカゴのほか、ニューヨークロサンゼルスで勉学を修めた。
経歴

彼女は、1961年に大々的に宣伝されながらも失敗に終わったオスカー・ブラウン(英語版)のミュージカルであるKicks and Co.に出演したことでブレイクした[9]。その劇中のPLAYBOY誌を露骨に風刺する場面で、彼女は悪魔とOrgy Magazineに誘惑されてOrgy Maiden of the Monthになろうとするキャンパスクイーンのヘーゼル・シャープを演じた。Kicks and Co.はシカゴでのトライアル公演で終了したが、彼女は皮肉にもPLAYBOY発行者のヒュー・ヘフナーに注目され、彼のシカゴ・プレイボーイ・クラブと契約を結ぶこととなった[10][11]。また、シカゴでは『カルメン・ジョーンズ(英語版)』のストック劇団にてカルメン役で、ニューヨークでは『ポーギーとベス』の劇団で出演している。加えて、俳優業と歌手業との間で、時々モデルの仕事もした。1967年1月には『エボニー』誌の表紙も飾り[12]、5年のうちに2つの特集文が組まれた。ニコルズは16歳の頃から歌手やバレリーナとして[8]デューク・エリントンライオネル・ハンプトンのバンドと一緒にアメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパを巡業し、西海岸では『ドーランの叫び(英語版)』、For My Peopleに出演し、ジェイムズ・ボールドウィンの劇である『チャーリー氏のためのブルース(英語版)』での演技は高い評価を得た。なお、『宇宙大作戦』でウフーラ中尉役を演じる前、『スタートレック』シリーズの生みの親であるジーン・ロッデンベリーが最初に手がけたシリーズ番組The Lieutenant(1964年)の人種的偏見を扱ったエピソードTo Set It Rightにてゲスト女優を務めている[13]
『スタートレック』シリーズ詳細は「ウフーラ」を参照『宇宙大作戦』のウフーラ中尉を演じるニコルズ(1967年)。

『宇宙大作戦』でエンタープライズ号の艦橋士官であるウフーラ中尉役を演じたニコルズは、アメリカ合衆国の大手テレビ番組シリーズで主演した最初の黒人女優の一人となったが、放映当時は未曽有のものであった[3]。番組の最初の年の間、ニコルズはブロードウェイでのキャリアを積みたかったことから降板するかどうかずっと迷っていたが、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアとの会話が彼女の気持ちを変えることになった。ニコルズ本人によれば、キングは彼女に直接、自分が『宇宙大作戦』の大ファンであると話した上で番組に留まるよう励ましたという。彼は、彼女がアメリカ国中の黒人の子供や女性、そして将来黒人と対等に付き合うであろう他の子供たちにとって重要な役割を演じているのであり、番組出演を「やめることはできない」と言った[3][14][15][16]

ニコルズはインタビューにおいて、番組を降板するつもりであることをロッデンベリーに話した後日、全米黒人地位向上協会の募金活動に参加した時に、彼女に会いたい大ファンがいると告げられたと話し、そのときの様子を以下のように説明している。.mw-parser-output .templatequote{overflow:hidden;margin:1em 0;padding:0 40px}.mw-parser-output .templatequote .templatequotecite{line-height:1.5em;text-align:left;padding-left:1.6em;margin-top:0}私はそれがトレッキーのことだと思ったので「いいですよ」と答えました。部屋の向こうを見ると、満面の笑みを浮かべて私に向かって歩いてくるマーティン・ルーサー・キング博士がいました。彼は私のもとへ来ると、「そうです、ニコルズさん、私はあなたの大ファンです」と言ったのです。彼は、『宇宙大作戦』は彼と妻のコレッタが3人の子供たちに視ることを許している唯一の番組であると言いました。[彼女はシリーズを降板するつもりであることをキングに話した。]彼は「それはいけません。あなたは歴史の一部なのです。」と言ったので、私は降板しようとする理由を彼に話すことができませんでした。

彼女がキングの発言をロッデンベリーに話すと、彼は感涙した[17]。元NASA宇宙飛行士であるメイ・ジェミソンは、ニコルズのウフーラ中尉役によって宇宙飛行士になりたいという願望が刺激されたと話しており[18][19][20]、女優のウーピー・ゴールドバーグも彼女から影響を受けたと述べている[21]


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