保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ニシイワシまたはヨーロッパマイワシ(European pilchard)は、条鰭類の魚で、サルディナ属の単型である。若い個体は、サーディンと呼ばれる多くの種の一つである[2][3]。大西洋北西部、地中海、黒海の水深10-100mの範囲でみられる[1]。プランクトン性の甲殻類を主な餌とし[4]、長さは27.5cmになる。生涯に何度か産卵し、各々のメスは合計で5万から6万個の卵を産む[4]。
記載
ニシイワシは小型から中型の長細い形で、ニシンに似た魚である。腹びれは背びれのすぐ下から始まる。尻びれの軟条の最後の2つは、残りのものよりも大きい。上半分は緑色かオリーブ色で、側面は金色、腹側は銀色である[2]。 大西洋北西部、地中海、黒海に分布する。アイスランド、ノルウェー南部、スウェーデンから、南は西アフリカのセネガルまでに及んでいる。地中海では、西半分やアドリア海では一般的であるが、東半分や黒海では一般的ではない[5]。群れで移動し、多くは湾岸にいるが、外海に100kmも旅することもある。日中には、多くは水深22-55mにいるが、100mまで潜ることもある。夜間には、水深10-35mにまで浮上する[1]。 地中海では、秋には沖合に移動し、温度や塩分濃度が変化する湾内の水よりも、より冷たく塩分濃度が一定な外海の深い水を好む。冬には産卵が始まり、早春には幼体や若い成体、一部の成熟した成体が沖に向かって移動し、その他の成体は、年内のより遅い時期に湾内に移動する。長い繁殖期間に複数回産卵が行われ、総妊孕力は、5万から6万になる。1歳の時点では大部分がオスで、体長は13-14cmになる。約8年で完全に成長し、21cm程度に達する[6]。 動物性プランクトンと植物性プランクトンの両方を食べる。動物性プランクトンの多くはカイアシ類やその幼体であり、日周鉛直移動
分布と生息
生態日中、リグリア海の浅い海域で群れる若い個体
利用シラクサのこの露店では、中央右のニシイワシが最も安い値段で売られている。
分布域の多くでは、重要な漁獲資源となっている。主にきんちゃく網やランパラ網で獲られるが、底引網が使われることもある。合計で、年間100万トン程度が漁獲され、モロッコ、ポルトガル、スペインは漁獲量が多い。国際連合食糧農業機関(FAO)は、モロッコでは乱獲されていると考えている[5]。