ナポリタン
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「ナポリタン」のその他の用法については「ナポリタン (曖昧さ回避)」をご覧ください。

ナポリタン
ナポリタンの一例
フルコースメインディッシュ
発祥地 日本
関連食文化洋食
提供時温度温製
主な材料スパゲッティトマトケチャップ
その他お好みでタマネギピーマンウィンナーマッシュルーム
派生料理鉄板ナポリタン
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ナポリタンは、パスタ料理の一種で、茹でたスパゲッティタマネギピーマンベーコンなどの具材と共に炒めトマトケチャップで調味したもの[1][2][3]日本発祥のパスタ料理であり[3]、類似の名を持つイタリア料理スパゲッティ・アッラ・ナポレターナとは異なる。

ナポリタンに類似した名で呼ばれるパスタ料理は幅広く存在するが、本稿では、第二次世界大戦後に日本の喫茶店や洋食店で広く提供されていた、軟質小麦を原料としたコシのない麺をケチャップで着色したものを中心に解説する。その周辺の類似したパスタ料理についても適宜解説する。
調理方法ナポリタンの一例。後方右側に粉チーズ、中央はタバスコペッパーソース。この品ではベーコン、タマネギ、ピーマンは見られない。

日本パスタ協会のおすすめレシピによると、オリーブ油を熱したフライパンでベーコンタマネギピーマンなどの具材を炒めたうえで、トマトケチャップを加えてさらに炒め、茹でたスパゲッティを混ぜて塩コショウで味を調えて作る[4]。ベーコンはハムソーセージなどに置き換わることがある[5]。好みでタバスコペッパーソースや粉チーズをかける。
麺の「茹で置き」と「炒め」

喫茶店や洋食店などのナポリタンには、茹でた麺を一定時間寝かせる工程や、再加熱時に麺を炒める工程が加わる[3][6]

麺を芯がなくなるまで茹でてサラダ油で和え、冷蔵庫で一晩置く。客の注文が入ってからケチャップ、具とともにフライパンで炒めつつ再加熱する。麺を余計に茹でるのも、油で和えるのも、冷蔵保存と再加熱時に水分が飛んで麺が乾燥するのを防ぐためとされる[7]

日本経済新聞のコラム「食べ物新日本奇行」で、編集委員の野瀬泰申は、麺を茹で置いて客の注文が入ってから再加熱する調理法が立ち食いそばと同じであると述べたうえで、同様のパスタの茹で置きがベルギーの街のカフェでも行われている話を紹介し、「冷凍麺がなかった時代に生まれた調理時間の短縮技と思われる」と述べている[7]

小説家の浅田次郎は、エッセイの中でナポリタンを次のように描写している。正統のナポリタンは、アルデンテなどであってはならぬ。きのう茹で上げて冷蔵庫に眠っていたような、ブヨブヨのスパゲッティが好もしい。それを少々の玉葱とウインナソーセージの薄っぺらな輪切りと、真赤なトマトケチャップで炒める。実に素朴な、変えようも変わりようもない、完成された味であった。 ? 浅田次郎、『パリわずらい 江戸わずらい』小学館、2014年、p.148

また、大衆食を題材にしたエッセイ「『丸かじり』シリーズ」で知られる漫画家の東海林さだおは、ナポリタンを次のように描写している。ケチャップで味付けされていて、具はウインナソーセージを薄く輪切りにしたものとか、ハムとか缶詰のマッシュルーム、玉ねぎといったところ。(中略)ナポリタンは茹でたてであってはならず、茹でおきでなければならなかった。大量に茹でておいて、客の注文があると、フライパンで具といっしょにケチャップで炒めて出す。 ? 東海林さだお、『ホットドッグの丸かじり』朝日新聞社〈丸かじりシリーズ〉23、2005年、pp.154-155
起源と歴史
トマトソースのパスタの誕生

ナポリタンはトマトケチャップを用いて作られる料理であるが[2]、トマトが新大陸からスペイン経由でナポリに伝わったのは1554年とされる[8]

当時のナポリは良港として名高く[9]、またシチリアとともにスペイン・ハプスブルク朝に支配されていたため、スペインを通じて新大陸の食材が手に入りやすい環境にあった[10][11]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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