ナバホ族
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「ナバホ」はこの項目へ転送されています。「ナバホ」と呼ばれるミサイルについては「SM-64 (ミサイル)」をご覧ください。
古今のナバホ族。左中はナバホ族のロックバンド、「ブラックファイア」のジェネダ・ベナリー。右下は第二次世界大戦に徴兵されたナバホ族

ナバホ族(ナバホぞく、Navajo)は、アメリカ南西部に先住するインディアン部族。アサバスカ諸語を話すディネの一族。

「ナバホ」とは、テワ・プエブロ族の言葉で、「涸れ谷の耕作地」という意味。



部族保留地ナバホ族国家

ナバホ族はアリゾナ州の北東部からニューメキシコ州にまたがるフォー・コーナーズ沙漠地帯に、一定の自治権を保有した「ナバホ・ネイション (Navajo Nation)」として、アメリカ最大の保留地(Reservation)を領有している。橙色の部分がナバホ族の保留地である

ロング・ウォークでナバホ族が南西部から追い出された間に、彼らの土地にはホピ族の一部が定住した。このため、現在ではナバホ族の保留地の中に、ホピ族の保留地が存在するという状況となっている。

ニューメキシコ側では、支族のひとつの「カノンチート・バンド」が連邦認定を拒否されており、保留地を領有しておらず、現在連邦政府の公式認定を要求中である。
文化まじないに使われるナバホ族の砂絵。部族員以外に見せてはいけないタブーのため、正確な図称ではない現代風の「ナバホ・ラグ」合成染料で染めた、売り物のラグ。1880年代の過渡的なもの

南部アサバスカ諸語(英語版)を話す民族に属し、アパッチ族とは言葉も近く、近縁である。かつてはスペイン人から「アパッチ・ド・ナバホ」(涸れ谷の耕作地にいるアパッチ族)と呼ばれ、アパッチの一部族と見られていた。

正装の際には、鉢巻を締める。女性の正装は、ベルベットのロングドレスに、カボチャの蕾を意匠にした「ナバホ・コンチョ」という銀の首飾りを着ける。モカシンブーツ型をしている。近隣のプエブロ族から採り入れた「地底から先祖が現れた」という神話を持ち、その再現である「イェイビチェイ」と呼ばれる大掛かりな精霊行進の儀式が有名である。ターコイズと銀を用いた宝石細工を得意とし、ナバホのほとんどはこの装飾品を身につけている。「インディアン・フルート」の奏者も多い。

「先取の才がある」といわれ、18世紀にスペイン人が羊を持ち込んだ際には、羊の放牧をすぐに採り入れた。「ナバホ・ラグ」と呼ばれる精巧な絵柄の羊毛の敷布は19世紀に貴重な交易品となり、現在も珍重される。母系社会であり、放牧も織物も、現在でも女性の仕事である。女性は家長・氏族長であり、家庭の意思決定において尊重された[1]。財産権と参政権を持ち、首長にも選ばれていた[1]

かつての男性の仕事はトウモロコシの粉挽きと略奪であり、ズニ族プエブロ諸族を食い物にした。このため保留地時代では男性の社会的役割が希薄となり、アルコール使用障害になる者が多かった。現在、ナバホの保留地内は酒類禁制である。ナバホ族のホーガン

ホーガンという、木組みと土で出来たイグルーのような形の、独特の伝統住居を持つ。現在でも、この「ホーガン」で暮らす伝統派のナバホは多い。

石炭の採掘業者が掘削に地下水を使うため、保留地は慢性的に水不足であり、雨乞いの祈りが今も盛んである。また、呪い師による「砂絵」を使った呪術が今も盛んである。「ナバホ・ラグ」を暖簾にしたホーガン(20世紀前後頃)

ロング・ウォークの後遺症として、土地を巡り、ホピ族とは現在も係争中である。 近年、スー族と文化交流が盛んで、ティピーサンダンスなど、平原部族の文化を採り入れるようになった。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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