ナナカマド(七竈[5][6][7]・花楸樹[8]、学名: Sorbus commixta)は、バラ科の落葉小高木・高木[5][1]。別名では、オオナナカマド[2]、エゾナナカマド[2]、ヤマナンテン[9]ともよばれる。赤く染まる紅葉や果実が美しいので、北海道や東北地方では街路樹や公園樹としてよく植えられている[5]。材はかたく、備長炭の代用になる。 「ナナカマド」という和名は、異説がいくつかある[10]。 牧野富太郎は『牧野日本植物図鑑』で本種の項に以下の通り記している[16]。材ハ燃エ難ク、竈ニ七度入ルルモ尚燃残ルト言フヨリ此和名ヲ得タリト伝フ。 ただしこれは現実的には正しくないようで、実際にはナナカマドの薪は良く燃えるとの記述もある。例えば『植物名の由来』で中村浩は以下の通り記している[17]。わたしは越後の山荘で何度か冬を過ごしたことがあるが、よくナナカマドの薪をたいて暖を取ったものである。この木の材はよく燃えて決して燃え残る事は無い。 中村の説によるとナナカマドの木炭は火力が強く、これを作るには7日間炭焼きのかまどに入れておく必要があったため「七日かまど」と呼ばれており、それが詰まってナナカマドになったという[11]。鶴田知也は『草木図誌』で同様に事実を経験として述べ、『名前の由来には別の意味がある』可能性を示唆している。 植物学者の辻井達一は著書『日本の樹木』で、「青森、秋田ではサクラやアズキナシのことをナナカマドと呼ぶことがあり、これらは必ずしも燃えにくい樹ではない。そうなるとナナカマドの名は別の由来があるのかもしれない。」と指摘している[18]。 地方による別名として、オヤマノサンショウ、ヤマエンジュなどともよばれていて、いずれも葉の形状からついた名とみられている[18]。
名称
よく知られるのは、「大変燃えにくく、7度竃(かまど)にくべても燃え残る」ということから付けられたという説が広く流布している[11][12][13][7][14][10][15][9]。
「7度または7日間竃で焼くと良質の炭になる」という説もある[13][10]。
「この材で作った食器は7世代も使えるほど強い」という説もある[10]。