この項目では、ツングース系民族について説明しています。その他の用法については「ナナイ (曖昧さ回避)」をご覧ください。
ナナイ
ナナイ語 Нанай, Нанайэ
ロシア語 нанайцы
中国語 赫哲総人口
推計18,000人
居住地域
ロシアハバロフスク地方12,160人
中国黒竜江省5,354人
ウクライナ42人
言語
ナナイ語、ロシア語、中国語
宗教
チベット仏教、シャーマニズム
デルス・ウザラ
ナナイ(Nanai)は、ツングース系の民族。分布は主にアムール川(黒竜江)流域で、ロシア国内に約1万人で、中国国内にも居住している。2004年人口調査時の中国国内人口は約4640人。中国国内のナナイはホジェン族(Hezhen;赫哲、'"`UNIQ--templatestyles-00000001-QINU`"'?音: Hezhe ホーチョ)と呼び、55の少数民族の一つとして認定されている。
ロシアに住んでいるナナイは、一部がロシア人との混血が進んでいる。 ナナイの内名(自ら使用する民族名)は「キルン([kil?n]、ナニオ、ナブイ)」または「ホジェン([χ?d??n]、ナナイ)[1]である。「ナ」は「土地、地面、国、地元」を表し、「ニオ、ブイ、ナイ」は様々な方言で「人」と意味する。 ロシアの言語学者L.I.セム(Сем Л. И.、L. I. Sem)がキリル文字で「ホジェン([χ?d??n]」をхэ?э най (Hezhe nai) or хэ?эны (Hezheni)と表し、アムール川(黒竜江)流のナナイの内名であり「川の下流に住む人々」という意味だと説明した[2]。これが中国名でナナイを “K斤” (Heijin), “赫哲哈喇” (Hezhehala)、現代中国語で“赫哲” (Hezhe) と呼ぶ語源となっている[3]。 河川でのサケ・マス漁などの漁撈が民族の特徴的な生業で、中国ではキャビア採取のためなどのチョウザメ漁も行う。シャーマニズムを信仰し、生活の一部が観光化されてもいる。 漁撈が代表的な生業であるため、食生活は魚食が中心である。日本人が刺身を食べるのと同様に、切り分けた魚肉を生食する食習慣を持つ。かつては生の魚肉を調味料や香辛料を用いずにそのまま食べていたが、現在では生の魚肉を酢・醤油・唐辛子などの調味料・香辛料で味付けして食べる。 かつては、河川の近くに穴を掘り木を用い、半地下式住居を建造して日常の住居としたが、現在そのような住居は漁撈の際の臨時の寝泊りのために建てるのみで、日常の住居は近辺に居住するロシア人または漢民族の住居と同様のものとなっている。 かつてはゴリドと呼ばれ、ロシア軍人ウラディミール・アルセーニエフの『デルス・ウザラ』[4]の主人公に描かれている。この作品は、黒澤明が1975年に日ソ合作で監督した映画『デルス・ウザーラ』の原作である。 ナナイ族は、熊や虎に対して尊敬を捧げるシャーマニズムを信仰していた。シャーマンは神に祈りを捧げることで、悪霊を追い出す力を持っていると考えていた。彼らは太陽、月、山、水、木の精神を崇拝していた。また、火などの無生物を擬人化する宗教観をもっていた。
目次
1 名称
2 特徴
3 宗教
4 関連項目
5 外部リンク
6 出典
名称
特徴
宗教
大地について
大蛇が川の谷間を掘り起こすまで、その土地は平らだった。
死生観
身体が魂の外殻に過ぎないので、人が死ぬと魂が生き残る。ひとりひとりが魂と精神の両方を持っているとされ、死ぬとそれらが分かたれると考えていた。人の精神は悪意を持って生きる親戚に害を及ぼし始めるようになる。時間が経つにつれ、これらのアンバンは飼いならされて礼拝が可能になるが、そうでなければ悪霊を追い出す特別な儀式が必要になる[5]。死後、人の魂はラチャコと呼ばれる布製の一時的な避難所に入れられ、故人の魂は7日間ラチャコに残り、その後パヨと呼ばれる木製の人形に移され、最終的な葬儀の儀式までパヨで保管される。パヨの中にいる間、生きている人のように世話される。死者の最終的な儀式は kasa tavori と呼ばれ、3日間続く。その間多くの祝宴があり、故人の魂は死後の世界への旅の準備が行われる。その日、mugdeh と呼ばれる故人とほぼ同じ大きさの人間のような木製の人形に魂が移される。人形は、死後の世界 Buni に向かうための犬のそりに乗せられる、出発前にシャーマンにより家族に遺言が伝えられる。その儀式後、シャーマンは犬ぞりで危険なブニへの旅に出る。この旅は日没までに済ませなければ、シャーマンも死ぬことになる。1歳未満の乳児の場合は、その魂は人でなく鳥と考えられて埋葬は行われず、樺の樹皮にくるまれて森のどこかに置かれる。